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広角と望遠

2007-05-22 | 火・DTPと編集
広角と望遠

ずっと文字の話ばかりが続いていますので、ちょっと一息デス。火曜ブログを読み返してみると、DTPの時代になって、なんとデジタル系の必要知識が増えたものよ、と思うのですが、その影響で今の編集者には2タイプの問題傾向がチラホラと見えます。自戒をこめつつ書きますね。

1つは、そのデジタルについて行けていない編集者。自分の仕事領域をアナログでできる部分だけに限ってしまい、せいぜいそれにワードとエクセルとメールまでで、その先へ進もうとしないタイプです。当面の仕事はそれで回ったりしますが、工程を変えて、より早く効率的にかつ高品質にモノづくりをしようと思ったとき、能動的に動けないのがこのタイプでしょうか。

もう1つは、デジタル周りに振り回されて、それ以外の知識や目が磨けていない編集者。誌面をつくる道具はDTPでありコンピュータですが、そこに置かれる個々のコンテンツに対する目利きが編集者には必要です。例えば写真は、Photoshopを使えば後からどうにでもなると思っているタイプがこちらでしょうか。

ホントは両者のバランスが必要なんですけどね。そして誤解を怖れず言えば、デジタル知識よりも目利きの方が大切なのかもしれません。先日、仲間とちょっと話していて、写真撮影のとき、広角レンズと望遠レンズの使い分けがわかっていない編集がいる、という話題になりました。むむ…、それは。ふじポンも写真は素人なのですが、とりあえず次の話くらいは知っておいてほしいな…と思うのデス。

広い範囲を撮る「広角」、遠くのものを撮る「望遠」ですが、例えば同じ人物を同じ大きさで撮った場合でも、広角レンズと望遠レンズでは以下の違いが生じます。

広角レンズで人物に寄って撮った写真では、広い範囲の背景が人物の後ろに写り込みます。ですから、人物の居場所を説明するため、できるだけ広い範囲の背景を入れたいのであれば、広角レンズでの撮影が適しています。望遠レンズで遠くから撮った写真では、人物の後ろには狭い範囲の背景しか写り込みません。ですから、背景を整理し余計な要素を排除したいのであれば、望遠レンズでの撮影が適しています。

同様の原理で、広角レンズで写り込む広い範囲の背景要素は、手前の人物に比べとても小さくなります。その分、近くのものはより大きく、遠くのものはより小さく、遠近感の強調された写真になります。一方、望遠レンズで写り込む狭い範囲の背景要素は、手前の人物に比べてあまり小さくなりません。その分、近くのものも遠くのものも、あまり大きさが変わらず、距離感の圧縮された写真になります。



また、ちょいと難しいですが、一般に望遠レンズの方が被写界深度(=ピントがしっかり合う前後範囲)が狭くなるので、この特性を利用して、ピントを合わせたい対象の前景・背景をぼかして撮影したい場合には、望遠レンズが多用される傾向があります。被写界深度については、機会があればそのうちに…。




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