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「ふじもん先生の旅プロジェクト」代表のふじもんが、想いのままに熱苦しくつぶやいております。押忍!

「2016~2017プチ旅」 ”シュクラン”俺はおっちゃんを忘れない。

2017-02-09 13:56:00 | 日記
2017年2月9日。


現在、レバノンを訪れる日本人などほとんどいない。


だから、調べても調べても、安宿の情報などほとんど出てこない。


そこで、むか~しの「地球の歩き方」に載っていた安宿にとりあえず向かってみた。

それがこの「Pension Home Valery」。


弾痕の残るベイルート市内を歩き、






途中でレバノン人やシリア人と交流を深め、


ようやく辿り着いた、宿の入り口。




「おお、なんか綺麗そうじゃないか!」

そう思って中に入っていくと、あれ?


なかなかに古くて汚いビルじゃないか・・・。


いいね、こういうの好きだぞ俺は!

こういう環境にすっかり慣れているし、ちょっとそれが快感でもある(笑)。


さて、いよいよレセプションに入ると・・・

いいね!この不思議な雰囲気のおっちゃん!


通された部屋は、おお!


いいね!久しぶりのかなりきったねぇ安宿だ!

シーツも毛布も枕カバーも取り替えた様子なんて一切ない。

それどころか、部屋の中がシーシャ(水たばこ)臭くて仕方ねぇ!

いいね、好きだぞ~こういうの!


さて、電気を点けるか・・・あれ?


いいね!こういうの!

インドのデリーで感電した時とかなり同じようなスイッチ。

いくらなんても飛び出すぎだろ!


さて、ちょっくらおしっこに行くか・・・

おお、いいね!きったねぇトイレ&シャワー!




燃えてくるんだよな~こういうの!


と、ここまではいいとして・・・。


僕はこの宿のおっちゃんとかなり色々話をした。

この宿では、格安でシーシャを提供してくれる。

しかも希望すればビールまで売ってくれるのだ。

本来であればイスラム教徒には禁止されているアルコール。

しかし実際には、お酒を飲むムスリムはかなり多い。

ということで、シーシャとビールという不思議な組み合わせを楽しみことができた!


このおっちゃんは僕のことを「モト!」と覚えてくれた(笑)。

突然部屋に入って来て、「モト!シーシャやるぞ!」と叫んできたり、

頼んでもいないのに「モト!ビール飲むぞ!」と叫びながら勝手に持ってきたり、

僕が宿に戻ってくると、「モト~!」と言って抱き着いてきたりと、

変わってはいるけど人懐っこくと面白いおっちゃんだった。


そしていつもビールを飲み続けているので(笑)、基本いつもフラフラしている。

それってただのアル中じゃねぇのか?って気もするけど、

まぁとにかく変なおっちゃんだった。


シーシャを準備してくれるおっちゃん。




僕はビールを飲みながら、その様子を見ていた。


おっちゃんは片言の英語しか話せないけど、それなりに意思の疎通は図ることができた。


「おっちゃんはレバノン出身なの?」

「いや、シリアだよ。ダマスカスから来たんだ。」

「そうなんだ・・・今シリアはどんな状況なの?」

「まさに戦争だよ。毎日爆弾が飛び交っている。だから俺は逃げてきたんだ。」

「そうだよね・・・家族はどうしてるの?」

「両親は戦争で死んだ。弟と妹はまだダマスカスにいるんだ。」


なんと、兄妹はシリア国内にいるというのだ。


「俺は兄妹が心配で仕方ない。だから毎日電話で話をして、無事を確認しているよ。」

「そうか、そうなんだね。でも、どうして兄妹はシリアに残っているの?こっちには来ないの?」

「ん?レバノンにか・・・?」


おっちゃんは、そのことには言葉では答えてくれなかった。

でも、目が答えていた。


そこには、光るものがあった。

そして・・・これはたぶんだけど・・・

ビザが取れないのか、あるいは政治的な圧力で動けないままでいるのか、

きっと、そういった事情があるのだと僕は察した。


平和な日本にいると、「難民」だとか「ビザが取れない」だとか、そういったことには無縁である。

だけど、世界には必ず、こういった事情で苦しんでいる人や家族が存在し続けている。

戦争で苦しみ続けている人々が、たくさんいるんだ。


ちょっと愉快なおっちゃんは、実は心に大きな傷を負ったシリア難民だった。

ベランダで外の景色を眺めながら、おっちゃんは言った。






「俺は幸運だよ。こうして宿の仕事ができているからね・・・。」


ベイルート市内の難民キャンプでは、もっと厳しい状況のシリア難民が何人もいた。


高層ビルと豪華なショッピングモールが立ち並び、砂漠の中でアイススケートを楽しめる中東、それもまた真実。

しかし、今を生きるために必死に逃げてきた難民が苦しんでいる中東、これもまた真実。



中東は、深い。

これが、この矛盾が、世界の真実でもあるのだ。


僕は毎晩、このおっちゃんと共にシーシャとビールを楽しみ、一緒に時間を過ごした。


色んな話をした。

「モト!モト!」と、いつも大きな声で呼んでくれた。

そんな愉快なおっちゃんの両親は、内戦で命を落としている。

兄妹は、未だに激戦地の中にいる。


おっちゃん、俺と話をしてくれてありがとう。

一緒に時間を過ごしてくれて、本当にありがとう。

最初は「なんか変なオヤジだな~」と思っていたけど、

おっちゃんの心には、深い深い傷があったんだね。

それなのに、俺に色んな話をしてくれて本当にありがとう。



俺は一生、「Pension Home Valery」を、そしておっちゃんを忘れない。

1日も早く、世界に誇れる素晴らしいシリアが戻ってきますように。


藤本正樹(ふじもん先生)


ふじもん先生ホームページ
http://fujimosensei.com/

著書『中学教師が行く、無計画世界紀行』
http://www.amazon.co.jp/dp/B00YO9OL3K/ref=cm_sw_r_tw_dp_9x5Bvb0HR324E
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