徳洲会
医療法人徳洲会グループの公職選挙法違反事件で、グループが昨年12月の衆院選で徳田毅(たけし)衆院議員(42)=自民離党、鹿児島2区=のほかにも、山田正彦元農林水産相(71)=日本未来の党から長崎3区に立候補、落選=ら少なくとも3陣営に選挙応援の職員を派遣していたことが16日、関係者への取材で分かった。毅氏の父、徳田虎雄・元衆院議員(75)は選挙期間中「(毅氏の)他にも5人を応援している」と周囲に伝えており、毅氏の政界での影響力を高める狙いがあったとみられる。
◇山田氏のほかは、阿部知子衆院議員(65)=日本未来の党から神奈川12区に立候補し落選、比例南関東ブロックで復活当選=と、薗浦健太郎衆院議員(41)=自民、千葉5区=の各陣営。
関係者によると、山田氏の陣営には期間中、長崎、福岡両県の2病院から職員計十数人が派遣されていた。派遣先では、はがきの宛名書きやポスター貼りなどの作業を行ったという。
職員は毅氏陣営と同様、ローテーションを組んで常時数人が応援に入れるよう調整。給与も公示後は欠勤扱いにし、減額分を冬の賞与に上乗せして支給していたという。山田氏は長崎・五島出身で島嶼(とうしょ)議員連盟などを通じ虎雄氏と近い関係にあったという。山田氏は衆院選後、グループ病院を訪れ関係者に「おかげで選挙ができました」と話した様子が目撃されていた。山田氏の秘書は「徳洲会とは何も関わりがないので一切答えられない」と話した。
阿部氏陣営にも神奈川県内の4病院・医療施設から職員が常時数人、派遣された。阿部氏は千葉徳洲会病院(千葉県船橋市)元院長。現在も虎雄氏が療養生活を送る湘南鎌倉総合病院(神奈川県鎌倉市)で非常勤医師として週1回勤務し、虎雄氏と頻繁に面会しているという。
阿部氏の秘書は「私も議員本人もボランティアだと思っていた。選挙前に社民党を離党して人手が足りず、虎雄氏が心配して応援してくれた」と説明した。
毅氏と初当選が同期の薗浦氏陣営にも、千葉県内の病院から職員を常時3人派遣。薗浦氏は「ボランティアとして応援を頂いていた。報酬が出ていたことは知らなかった」と答えた