14世紀後半から16世紀初頭まで、
およそ100年以上にわたって、マラッカは8人のイスラム教国王
によって統治されてきました。
その王宮は、
1511年ポルトガル軍によって焼き払われてしまいましたが、
種々の文献を元に復元され、
「マラッカ王宮博物館」 として一般に公開されています。
王宮内には、スルタンへの謁見の様子が再現されています。
謁見に参上しているのは、
中国 明朝 の皇帝 = 永 楽帝の命を受けた
武将 = 「鄭 和」 てい わ (1371年ー1434年) です。
15世紀のはじめ、当時のスルタンは、
マレー半島を支配するタイのアユタヤ王朝に対抗するために、
中国の明朝に対して貢ぎ物を送り、関係を深めていきました。
いわゆる 「朝貢貿易」 です。
イスラム教徒であり、宦官 (去勢され仕官) であった 鄭 和 は、
武将であると同時に優秀な航海家でした。
諸説がありますが、鄭 和 はイスラム教徒であることを利し、
大艦隊を編成し、東南アジアから中東、アフリカにいたるまで
生涯 7度の大航海を行ったといわれています。
後ろ盾となってマラッカ王国の繁栄を支えたのみならず、
鄭 和 が度重なる航海で得た世界各地の情報は、
後世、「華僑」 の世界進出の大きな礎となりました。
jfk-world