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同人誌・ドラえもん最終話の残した多くの問題

2007年05月31日 | 8.コラム


昨日、多くの報道メディアで「同人誌・ドラえもん最終話を販売していた男性漫画家が謝罪」というニュースが流れました。夜のニュース番組などでも大きく報道され、当サイトへも多くの方が訪れていたようです。当サイトのブログでは、今年2月2日に「同人誌『ドラえもん最終話』の行方」というタイトルでこの同人誌について紹介させていただいてました。

10年程前に、当時大学生だったドラえもんファンの別な作者が、個人的なオリジナル創作ストーリーとしての文章をネット上に公開していたのが「~僕が勝手に考えた~ドラえもんの最終回(仮)」というお話。その後、それを見つけた第三者が、勝手にチェーンメールなどでばらまいてしまい、一時期は「藤子・F・不二雄先生が御生前に考えていたストーリー」などというデマと共に広まって大騒動に。元の創作ストーリー作者の方はとても困惑され、Webサイトを閉鎖します。

この騒動、こんな驚くような意外な展開もみせました。このストーリーを知人から聞いた山崎貴監督が、この元の作者と小学館に許諾を取り、基本的なストーリー部分のみ利用して制作したSF映画が「ジュブナイル」(2000年全国東宝系公開)です。(関連サイト・Neo Utopia 山崎貴インタビュー

ネット上では、その後もこのストーリー自体は広がり続け、いつの間にか作者不明の創作・最終話として、あちらこちらのWebに掲載されるようになってしまったのです。

そして2005年頃に、このストーリーを元にした同人誌が発売されます。「田嶋・T・安恵」の作者名で発行された「ドラえもん 最終話」です。元の創作ストーリーを加筆・修正し、藤子・F・不二雄先生の作風を忠実に真似た感動作品として新たに「第三者」によって描かれたこの同人誌は大きな反響を呼び、昨年末までに約1万3000冊販売という同人誌としては異例の大ヒットに。

それまで同人誌の流通・著作権問題については静観していた小学館でしたが、この同人誌の販売数とネット上での反響の大きさに「著作権侵害」と判断。昨年、この同人誌作者に対して販売中止を求めたようです。

そして昨日報道されたように、同人誌作者が謝罪し、売上金の一部を藤子プロ側に支払った事で一応の解決を見た。というのが今回の騒動の顛末。

今回のこの騒動、一応解決したとはいえ、多くの問題を残す事となりました。結局二次創作として既存のキャラクターを借用して作られた同人誌はどこまで許されるのか? Web上では厳しく行われている画像・文章等の著作物の監視が、同人誌・一般研究書籍ではあやふやなのはなぜなのか? そもそも「著作権」の本来の目的である、著作者の権利は守られているのか?(有名・無名問わず、当然同人誌作者も含む)

ファンの立場で発行されている少部数の同人漫画・研究書籍に対して、また研究・紹介目的のWebサイトでの画像使用等についても、今後明確なルール作りが必要なのかもしれません。一方的に「全ていけない」としてしまっては、日本の漫画文化にとって大きなマイナスでしょう。

多くの専門家も語っているように、同人誌界から生まれたプロの漫画家は多く、出版業界にとっても同人誌界は貴重な人材の宝庫でもある訳です。また、ある作品が紹介され、2次創作作品が創られるという事は、元の原作作品にとってもプラスになる点も多い訳で、出版・著作側がそれを上手く利用すれば、更に日本の漫画文化は発展していくと思うのです。

●関連記事
ちょっと気になるドラえもん最新情報・同人誌「ドラえもん最終話」の行方(2007年2月2日記事)
http://blog.goo.ne.jp/fujiko_f_toshio/e/ccf99c41bddb42d532fbf7b6c2e75261
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4 コメント

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Unknown (改造バギー)
2007-06-08 18:11:21
 私は著作権は絶対ではなく、ファンがパロディを作ることも十分に尊重されるべきと思っているため、今回のような結末には釈然としない思いを抱いています。作品としての『ドラえもん』がこの同人誌によってダメージを受けたとは考えにくいし(『ドラえもん』はひとつのパロディくらいで揺らぐものではない)、海賊版とは異なり、著作権者としての小学館や藤子プロに何か財産的損害が発生したとは思えないからです。
 もっとも、仮に法廷闘争ということになっても、現状では同人誌作者の勝ち目は極めて乏しかったこと、最悪の場合、アニパロ同人誌というジャンルを根絶やしにするような判決が下される可能性も低くなかったことを思えば、この程度で「手打ち」となったことは喜ぶべきことかもしれません。また、道義上、同人誌作者が一定の誠意を見せるべきだったことは否定しません。

 著作権など不要、いかなる作品も自由利用できるという見解は極端です。世の中には単にオリジナルを食い物にしているような悪質な二次創作も少なからず存在しています(何を考えているのか『ドラえもん』の18禁作品なんてあるようですね)。これらが批判を受けるのは当然であり、場合によっては法的措置もやむなしということもあるでしょう。
 ですが、著作権を際限なく拡大強化し、ひたすら著作権者の利益や意思を最優先させる方向も間違っていると思います。一般的にいって全ての表現活動や批評活動が著作権の名の下に恣に禁圧されるとすれば、社会に対してむしろ有害です。また、二次創作は、それによってオリジナル作品の世界観が広がったり(例えば「クトウルー神話」等)、より多くのファンを獲得したり、より愛される作品となったり、オリジナルの問題点を修正することなどもあります。そのメリットを軽視すべきではありません。オフィシャルなものしか存在を許されない、少なくとも著作権者がお目こぼししない限り、いかなる二次創作も禁圧しうるというのではとても窮屈なことになるでしょう。

 「全てを保護したら地獄、全てを自由利用にしたら闇」という言葉を聞いたことがあります。闇も困りますが、地獄はもっといけません。どうかうまくバランスをとって、適正な著作権制度が作られることを祈ります。
追記 ルールについて (改造バギー)
2007-06-09 12:39:48
 私も何らかのルールが必要だと思います。まず、一定の部数以上(例えば30冊以上)の二次創作型同人誌を製作した場合は、「情報センター」のような所を作ってそこに届け出るようにする(あくまで「届出」であり「許可」ではない)。これで、著作権者はいかなる二次創作が作られているか容易に知ることができるし、一方であまりにも私的な同人活動は対象外にできます。

 そして実質的な基準としては、第一にその二次創作物が「パロディ」であることが明確に示されていること。これはオフィシャルなものであるとの誤解を避けるためです。第二に著作権者に直接の財産的損害を発生させないこと。もっとも、海賊版と異なり二次創作物がオリジナルの売り上げを低下させるということは通常考えにくいですが。ただし、二次創作物があまりにも多額の利益を上げた場合は、それを全て二次創作者に保持させるのは妥当ではないので、一定金額以上の利益を挙げた場合は、何割かを著作権者に支払うシステムにすればよいと思います。
 なお、この二つの点をクリアしたとしてもなお例外的に法的措置の対象となる場合はありえます(例えば悪意に満ちており、しかもオリジナルのイメージを低下させることが明らかなとき)。

 著作権者が作者であり生身の人間であるときはさらに別の配慮が必要です。作者にしてみれば自分の作品が好き勝手にいじられるのは耐えられないこともありえ、その意思は当然に尊重されるべきだからです。でも、単に「気に入らない」では法的措置発動の基準としては弱く、「誰でも自身が作者なら許せないと思うような内容に改変されており、かつそれを正当化する特別の理由がない場合」ということになるでしょう。

 長くなりましたが、最後に道義的な規範として、二次創作をする方々は、オリジナル作品に対する愛情を忘れないでしてほしいと思います。
初めてコメントします (hani)
2007-06-28 21:51:50
 今回の件、いろいろな意見を見ました。
 今後の著作権のあり方や同人誌の二次創作的表現について考えるきっかけにはなるかもしれませんし、今後のケースの為にも「目に見えないボーダーライン」を探す必要が発生したと言うのも間違いのない事実です。ただし、今回はあまりにも「特殊なケース」だった為にこうした結末を迎えたのではないでしょうか?

 ソレがいいことか悪いことかは置いといて、今小学館や藤子プロがドラえもんで得ている収入を考えればこの訴訟で得られる金額など極僅か。ブランドを守る為の威嚇の目的なら表現的により問題のある「初期~中期の絵柄を意識しているポルノ作品」だって存在しています。

 多くの人が連想しやすい後期の絵柄で、都市伝説として既に知名度のある他人の原案をその都市伝説を連想させる最終回と言う題名で出版。1万3千部(一般書店、および同人誌の取り扱いのある専門店の双方で「コミック」に関わった私にとってこの部数は看過出来ない数字です)を製作した。この表面的な事実こそが小学館を動かした理由に思えます。

 今回の行為、判断が妥当であったのではないかと言う視点で二次創作の「創作」の部分が守られるようになって欲しい。私は真摯にそう思います。

 
Unknown (Unknown)
2015-08-31 18:49:44
古い記事だけどコメントが気になったので。

一度制度を作るとそのルールに縛られ、各著作権者の判断による柔軟な対応がとりづらくなります。
カチッと厳格に定められるのが制度というものなので、「バランスの取れた適正な著作権制度」などは
まず無理と言っていいほど難しいでしょう。
著作権者ごとにここまではOKなど意思表示を義務付けるとそれだけで工程が増えて費用もかさみます。
当然違反者の報告への対応やらで、守るためのはずがかえって苦しめられかねません。
そのような制度を望むよりも同人作家たちの良心を望む方が良いと考えます。
現在でも悪質なものや著作権者の判断基準によって十二分に法的に訴えられるのですから。
よって「ルールが必要」なのではなく、マナーが必要なのでは?

件の作者が訴えられた背景には、見せしめ的な意味合いも多分に含んでいると推測されます。
荒稼ぎしていたのも問題視していますが、「財産的損害」に関しては勝手にドラえもんを終わらせてしまったという事、
この内容があたかも公式であるかのように広められてしまった不運、
そしてその対応に著作権者側に電話対応などの様々な費用の負担が発生してしまったという事実が
ドラえもんの世界観を傷つけられたと認識されたのではないでしょうか。

あくまで”今回の”著作権者の判断では社会的に影響のあるほどのものはタブーという事でしょう。
偶然そんな作品を出してしまった場合は即時回収するなどの心構えは持つべきですね。

そもそも大規模に販売して儲けようとする姿勢も度が過ぎていると言いますか
同人市場は拡大しすぎたための弊害ですね。
全ての同人作家が黒字というわけではないですが、原作者をしのぐ売り上げもあるのではと思っています。
余りにも儲かっているものに関しては著作権使用料を科すべきでは?と考えます。
明確に線引きをして同人活動自体に制限するような「著作権制度」の代わりに、
著作権使用料を払って協力体制を構築するほうがよっぽどいいのではないでしょうか。

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