加東市議会議員・藤尾潔の出る杭日記

出ない杭は地面で腐食します。杭を打つ手も結構しびれているはず。
打たれないような杭では使い物になりません。

個人で視察(東山開睛館)①

2016-02-09 10:29:14 | Weblog

今回、視察にうかがったのは京都市東山区の小中一貫校・東山開睛館でした。
東山開睛館は、花背・大原に続いて京都市では3番目に整備された小中一貫校です(市街地では初めて)。
2中5小が統合したとのことで、現在の初田校長先生は開校準備の3年、開校してから5年間は校長として関わっておられます。今回、一人でうかがったため、じっくりとお話を聞けて本当に良かったと思っています、

◎まず、よく指摘をいただく「グラウンドの使用などで不便はないか」という質問をした際の回答は「もちろん制約がかかる面もある」というお答えがありました。そして、5つの小学校では少人数での授業が行われていた訳で、「そういった良さをなくす面があるという声はなかったか」という声にも「それはその通り」だとも。

「ただ、それはすべて両立はできないことで、何を捨てて何を取るか という話。そこで、私たちは、やはり学校では多人数の中で、社会で生き抜く力を育みたい という道を選んだ」と。
正直、自分の肚の座り方が問われれている気がした。
小中一貫校の建設に理解を示しつつ、地域の学校を回って小規模校でのきめ細かな指導の良さはよくわかっている。
それを引き継げる部分については努力する必要はあると感じますが、かといって今のようにできないことも自分としてはわかっている。そのうえで、新しい学校を作るために踏み出そうとしているのだ ということを改めて感じた。

・校長先生にしても、5つの小学校、2つの中学校が地域でいかに大事にされてきたか ということを本当に深く刻んでおられるのだと思う、その上で新しい学校を作っていく重みを担っておられるように、一言一言が感じられました。


◎特に、この5つの小学校は、明治維新直後に京都の町衆が作った「番組小学校」の流れを汲む伝統ある小学校。地域の反発もあったのでは、という質問には
「確かにあった。ただ、伝統は変革の連続。清水焼とて、江戸時代と同じものを作っている訳ではない。伝統を重んじる京都の方なら、伝統の本質がわかっているはず」という話をされた。
運動会の挨拶でも、「開校して5年、東山開睛館にも一つの伝統ができてきた気がします。伝統とは、去年と同様にすることではなく、先輩の姿をみてああなりたい、越えていきたい と思いながら この学校を卒業したことを誇りに思える学校にしていくこと」という趣旨のことを言われていたのを思い出します。

◎「6年生が最高学年として引っ張る機会が減るのでは…」の話。
 他の小中一貫校も視察に行きましたが、「6年生が引っ張る機会をなるべく多く持たせている」というように、6・3制と4-3-2のハイブリッド的な考え方をしている所がほとんどでした。
 東山開睛館では、今まで見た中では「6年生のカベ」を一番作っていないように感じました。(小中一貫なのでそれで当然と言えば当然なのかも知れませんが。)
 「最高学年だからがんばるんでしょうか?」「その壁は6年生でなければだめなのか?」…確かにそうです。

 東山開睛館では4年生がファーストステージ修了時に「夢を語る式」をする。
7年生がセカンドステージ修了時に「志を立てる式」をする。7年生が志を語り、6年生は聞いていて、翌年度セカンドステージ最終年に向けて何をするか考える。
6年生に修了証書を渡すが、あくまで主役は7年生 とのこと。
そうして、9年生が 誇りをもって卒業する ということである。

◎それと「小学校と中学校の教師の文化の違い」ということが言われたり、授業の雰囲気の違いもあったりする。
「だから小中一貫校にすべきじゃない」という声も聞かれるけれど、
私はこれに関してはうすうす「それではいかんやろ。」とは思ってはいました。だから中学校行ってついていけない子が急増するのではないかと。
これについて質問をすると
「小学校の教師は、1年生から、6年生の卒業に向けて足し算で物事を考えていく。
 中学校の教師は、高校入試という目標があって、引き算で物事を考えていく、
 小中一貫校にして、すべての教員が9年生の姿を描いて 足し算と引き算 両方で物を考えるようにしている」との回答。
 自分が今まで言いたかったことを、わかりやすい言葉で言っていただける時 というのは非常にうれしいもので、その通り、とうなずいておりました。

 「廊下に観葉植物を置いた。小学校の先生はきれいですね、と言う。中学校の先生は、そんなものを置いてひっくり返したらどうするのか と言う。けれど、世の中には観葉植物が置いてあるわけで、廊下に置かなかったとkろで意味はない。ひっくり返さないように教育するのが大事。小中のやり方が違う時にどちらに合わせると言われたら”社会に合わせる”」
 「小中一貫にして中学生が小学生にぶつかったケガをするという声もあった。ただ、そんなことを言って学校が別でも、結局街に出たら同じこと。中学生が小学生を思いやれるように、小学生は中学生に気を付けるように生活する心を身に着けさせることが大事」

※長文なので②へ

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