先日久々にミシンを使っていたら、ボビンを巻くためのゴムの部品がバッキリ割れてしまいました。 |
グーグルマップで予め予習をしてたどり着いてみると、とてもこぢんまりしたミシン修理店が。
看板が出ていたので助かりました。
(ミシン修理店なんてしょっちゅう人が訪れるお店でもないし、看板もないかも、とうっすら思っていた)
「こんにちは~。先程電話した者ですが~」
と訪ねていくと、60代後半か、70代くらいのおじさんが。
「どれどれ。あ、これ三菱ね。三菱はねえ、」
(え。三菱は!?)
「三菱のミシンはねえ、すごくいいんだよ~。」
(ほっ)
「三菱の古いミシンは、見た目は無骨で格好悪いものもあるけれど、非常によく出来ていてね。」と熱く語って下さいました。
どうやら
・金属をケチらずたっぷり使っており、しかもそれぞれの部品の加工精度がいい
・加工精度がいいので、動きにブレが少ない。
・金属のメッキの質がよく、錆びにくい
そうなのです。
丁度直しおわったものを見せて下さったのですが、それは83歳のおばあさんがお嫁入りのときに持ってきたという三菱ミシン。 胴のところがすんなりくびれて、もはやアンティークとも言えるおしゃれな型のミシンでした。
それが、トゥクトゥクトゥクトゥクと軽い音で動いています。
「今どきのミシンはこうはいかないんだよ。」と。
「最近のミシンは、プラスチックの部品が劣化してしまってさ、こっちのなんかもう治らないかも」と言っていましたが、息子さん(私より年上?のおじさん)が、
「いや、んー、もしかしたら治るかも。今やってみているところ」と。
どうやら古いミシンはご主人の得意分野で、新しいミシンは息子さんの得意分野のようです。
(それにしても、親子でミシン修理屋さんで、何だかすごく楽しそう・・・。
ずーっと終わらないプラモデル作りのようでは?)
壊れたゴムの部品はすぐに嵌められるけれど、せっかくなので数日置いていって、総点検して頂くことにしました。
人間も、たまには人間ドックに行った方がいいしね。
お会計はひきとりの時でいいとのこと。
「うちはねえ、お金のこととかは別にうるさくないから。家族でやっているし」
だそうです。
数日後、いつでも引き取りに来て下さいと息子さんの方から連絡がありました。
「連休中はどこかにお出かけになるのでは?」と聞いたところ、
「いや、特にないです。配達やらでちょっと出るかもしれないけれど、留守にはしません。」
5月5日に伺ったところ、ご主人がひとりでミシンに向かって作業していらっしゃいました。
休みとか関係なしで、ただこういうメカを扱っているのが楽しいんだろうなあ・・・。
手を動かす作業の楽しさは、私も手作業が好きなので想像がつきます。
加えて動かなかったものが動くようになると、それはもうワクワクするのではないかしらん・・・。
道理で、(息子さんの年齢からすると)ご主人は結構な年齢のはずですが、どことなく少年のような、目がキラキラした雰囲気が残っているのです。
おまけの話がひとつ。
引き取りにはダンナサマの車で行ったのですが、ミシンを積み込みがてら車を見て、
「あ、なに、この車に乗っているの!
これはさあ、ボクの憧れの車なんだよねえ。
やっぱり○○が××で(車用語は私にはチンプンカンプン)、乗り心地はいいでしょう?カッコイイよねえ。」
突然車の話を振られたダンナサマは、ちょっとオタオタしていました。
帰途、なるほどメカ好きの男性はこの車が好きかも、と我々ふたりで納得していました。
なおったミシンはこんな感じです。
修理前。 |
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修理後。 |
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割れたゴムの部品は新しい黒いゴムにつけかえ。 |
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ボビンケースを嵌める部分も、修理前は埃っぽかったです。 |
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帰ってきたらぴかぴかでした。 |
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点検チェック表を頂きました。 |
頼れる修理屋さんがいるというのは、かかりつけのお医者さんができたようで安心です。
さあて、ミシンは完璧。
で・・・・何を作るかな・・・。
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