風竿の「人生の達人」烈伝

愛すべき友、仕事・趣味の磯釣り・ゴルフ・音楽、少しの読書などにまつわるあくまで「ヒト」に重点をおいたブログです

人造りは土から  VOL2

2011年04月20日 23時59分59秒 | 風竿の信用金庫は頑張るのだ

引き続き、「ひぜしん」の渉外担当者宿泊研修のお話

講師や主催者の強力な植え付け型、お仕着せ型でテクニカルスキルな研修とは違い、

私達の研修は徹底的に自分で考えさせるということに拘っている。

つまりは自分で目覚めて、気づかさせると、そのパワーはエンドレスで持続していくものだが、

指示型で押しつけ型の研修は、その時はいいんだが、一週間もすれば記憶は薄れ始め

一か月も経てば、すっかり記憶回路の中から消え失せてしまうからに他ならないからだ。

だからテーマだけは方便として与えるのだが、究極の研修目的は

「自分でいかに想い考え、描くか」

ということに徹底的に拘っているんである。

人造りは土壌からという考え方。

 どんなに良い環境の水飲み場に牛を連れて行っても、喉が渇いていない牛は水は呑まないものだ。

即効性の研修はノウハウの詰め込みと、徹底で鍛え上げるのだが、

それは講師の質にも依るが、大概は自己満足で終わってしまうもののようだ。

自分で気づかせるということは、極めて根気のいる、まどろっかしい作業のようではあるが、

結局は、人造りの観点から云えば、回り道のようで近道なんである。

だから役員を始めとして多くのベテラン職員がオブザーバーとして参加するのだが、

問いかけられた以外、一切傍観するのみ・・・・。

例えばこの男、入庫して2年目のフレッシュ・マン、若干24歳のダイちゃん。

立派に課題をグループ討議して、当金庫独自の「問題ツリ―」にまとめ上げ、

自説を交えてキチンと、しかも堂々とみんなの前で説明してくれた。

今年は融資推進にまつわる課題を、分科会に分けて徹底討論

議論は夜の7時から始まり、深夜にまで及ぶ。

大人のこと故、「夜の10時からは寮長は部屋の中のことは、一切干渉しない」ということもあり、

熱心な議論を重ねる各部屋は、ガソリンを補給することにより

次第に本音の議論が展開されて、白熱していくことになるのだ。

その時に役員は各部屋を必ず回わることにしている。

役員も一緒にガソリンを注入されることから、

日ごろの彼らの思うことや不満を、直接拝聴する羽目になるのだ。

結構厳しい注文もあったりで、一瞬たじろぐ場面もしばしば。

最前線で頑張っている彼らのガス抜きにもこの研修は役立っているという算段。

ひぜしん問題ツリ―の仕組みは・・・・、

根っこが、企業理念・戦略の対象やコンセプトといったベースとなりうる事柄

幹は、戦略の根幹となる事柄

枝は、カテゴリー仕訳毎の戦術・方法

葉っぱは、種々の問題点や改善具体策ということに定義している。

これが案外判りづらいらしく、始め受講生は決まって悪戦苦闘することになる。

問題解決の思考プロセスとしては、平易で有効な当金庫オリジナルなやり方

ということで、私が彼らの信用金庫を想う熱意から解放されたのは、午前4時半

普段から、問題の多い組織こそ発展する組織であると云っている手前、

ガソリンの力を借りて、気持ちを集中させて彼らの話を、

できるだけそのまま拝聴することにしているのだが、注文の多さは正直辛いものもある。

そして今年は確実に、昨年よりは疲れた。

自分の体力の限界が、はっきり自覚出来るようになってきたのだ。

この問題ツリ―、

問題意識が高ければ高いほど、葉っぱが青々と繁るという仕組みになっているのだが、

今年もご覧の通り、立派な木が6本・・・・・。

始めた頃は寂しかった木も、7年目ともなると葉っぱが青々と茂るようになってきた。

毎年のことではあるが、実に感無量でありました。

講評のあと、全員でひぜしんのテーマソング『プロペラ』を合唱した。

♪ 回れ回れプロペラ・・・・ FMコマーシャルで流れているあのイメージソングである。

 

街に笑顔の花を咲かせながら、

「ひぜしん」という手造りの、アナログな紙飛行機のプロペラは回り続けるのだ。

最後は役員と参加者の一人ひとりが固い握手をして、

一昼夜という不眠不休の熱い研修は終わった。

今年何人の若い人が目覚めてくれただろうか。

実に愉しみなんである。

 


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