奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その186)

2017-02-26 09:19:47 | 奈良・不比等
世界遺産・古都奈良に「リニア新幹線(大阪延伸)」が開業(最短2037年)した後の未来予測をして、近畿日本鉄道の「大阪と名古屋を結ぶ名阪特急」は真っ先に不用になってしまうではないかと要らぬ心配をしてしまった。-------
嘗(かつ)て東海道新幹線が開通すれば「近鉄・名阪特急」は用済みとなるとの予測がされたが、所要時間と運賃のバランスで何とか存続してきた。その代りに、「国鉄・関西本線」は急行列車も走らない全くのローカル線になってしまった。-----^
江戸時代の陸路であった東海道や伊勢街道は現在ではハイキングコースに成り下がっている。勿論これは明治政府の熱心な鉄道敷設奨励策によるものであったろう。鉄道網は従来の街道ルートとは異なることが多く、街道沿いの宿場町は衰退してしまった。鉄道だけではなく戦後の道路網の整備も旧来の集落と旧街道を避けて計画されるために旧村を過疎に追いやることになって仕舞った処が多い。------
奈良県内で見れば、宇陀市(うだし)の場合は伊勢街道が通っており古代から栄えてきた。隣県の名張市は近鉄の開通により新興住宅地が開発されるなど宇陀市の衰退よりはましに見える。神武天皇が大和の地に攻め込んだルートである熊野から吉野・奈良を繋ぐ国道169号線と大水害のあった十津川ルートの国道168号線は漸く高規格道路への改良工事が始まったばかりである。国道168・169号線は紀伊半島の木材搬出には活躍しただろうが、この沿線は人間が密に住める地域では無い。今と成っては観光ルートの周遊に適するように整備することと、国産木材資源の確保、更には奈良盆地や大阪平野の水源涵養林としての機能が重要視される程度ではあるが、近畿地方を南から太平洋岸特有の気候を緩和もして呉れており、もっと云えば南海トラフの巨大地震の近畿内陸部への影響も少なくしてくれるものと考えられている。-------
国土庁が日本列島改造計画を策定していた経済成長期からバブル経済崩壊後の2001年まで日本列島を跨(また)ぐ国土総合開発計画が模索された。渥美半島から紀伊半島を通り、四国を経て九州に亘(わた)る第2国土軸なる名称の元、伊勢湾口・紀淡海峡・豊予海峡を海底トンネルで抜く交通網の整備が実現性を帯びた時期がある。その後の経済構造の変化によりグローバル化する世界の中では日本一国の中だけに目を向けるのではなくて世界を見渡せば、加工貿易のための生産拠点は幾らでも海外に調達できることが分かり「日本列島改造計画」は霧散してしまった。其れとともに五新線の計画も店晒(たなさら)しと成りJR発足とともにその使命を終えた。------
奈良県では紀伊山地の利用のため、スイス・ベルン州と友好提携し山国スイスの先進事例を学習しようと考えている。何事も真似(まね)から始めるのが手っ取り早いのであり、そのような拙速を恥(はじ)と思う必要は無い。多分、荒井正吾・奈良県知事のお智恵の様な気がするのは間違いではないだろう。
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