奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その202)

2017-03-14 09:32:27 | 奈良・不比等
東大寺・二月堂で「修二会(しゅにえ・お水取り・お松明)」の本行の「籠松明(かごたいまつ)」の日(3月12日)を迎えた。天平勝宝4年(752)より今年(2017)で1266回目となる「十一面悔過(じゅういちめんけか)」である。修二会は聖武上皇の時代より鎮護国家・天下泰安・風雨順時・五穀豊穣・万民快楽を願って天災・疫病・反乱という国家の病気を取り除き人々の幸福を願う行事とされた。-------
東日本大震災(2011)は修二会・本行の11日目に発生した。しかも東京電力の首脳である清水正孝・社長(当時)が籠松明(かごたいまつ)に合わせて二月堂に参籠(さんろう)するべく関西に来ていた。急遽(きゅうきょ)、東京に戻るために苦労された状況を週刊誌で読まれた方もあるだろう。------
阪神大震災時の村山富市(むらやまとみいち)・首相と云い、東日本大震災時の菅直人(かんなおと)・首相もであるが、長い自民党政権の時ではなくて、社会党であったり、民主党のような野党勢力が偶々(たまたま)政権の座にあるときに何故このような甚大な被害を齎(もたら)す天災が発生するのだろうか。東京電力の「勝俣恒久(かつまたつねひさ)会長(東大・経済)」・「清水正孝(しみずまさたか)社長(慶応・経済)」にしても二人とも文系出身であったという不運が福島原発災害に影を落としているように感じる。少なくとも技術系の会社であれば会長・社長のどちらかは理系の人物にしておくべきではなかったか。-------
お水取りが始まって以来、東日本大震災だけではなく、貞観地震津波(869)が同様の被害を及ぼしたことが六国史に記されており、118回目の十一面悔過(修二会・お水取り)の年に相当する。-------
東大寺では2011年に東日本大震災への義捐金(1億円)を拠出している。どれ程真剣に十一面観音菩薩の前で行に励んでも災害は情け容赦なく襲ってくる。奈良時代と云う律令国家の完成期に聖武天皇が儒教や道教の教える理知的な世界に満足せずに仏教に救いを求めたのは、最後は神仏頼みに成らざるを得ないのが人間の限界であることを良く知っていたからであろう。------

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