奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その377)

2017-09-05 00:16:49 | 奈良・不比等
国文祭・障文祭なら2017に捧ぐ
歴史ファンタジー小説・北円堂の秘密

「下流予備軍(森井じゅん著・イースト新書2017刊)」を読んだ。森井じゅん(1980生れ)女史は大検を取ってアメリカの大学に進み公認会計士となっている。中々の苦労人でありながら、社会に地歩を築いて来ており、今時にしては若いのに確(しっか)りした人のように感じた。----
「下流予備軍」の中では、家族と一時期縁を切ってアメリカに渡ったと書いている。下流から脱出するには経済力を身に付けねばならないので、親兄弟の面倒を見る暇が無いとも云っている。----
日本の社会福祉制度は家族を頼りにしており、下流の子が大学に行くには本当に難しいとも書いている。その間の事情は分かり易く書いてくれているので、家族と縁を切ったと云う理由が良く分かった。丁度、津波の時に親でも子でも「てんでんこ」に逃げなければ共倒れになって仕舞うと云う話と符合する。-----
奈良県が日本一、高校生の進学偏差値が高いと云うことの理由が分かる気がする。奈良県140万人の内の100万人のサラリーマン家庭の子女は、世襲をする職業を持たないため、親と同等の職業に将来就くとすればそれ相当の学歴を獲得しない事には始まらないと云うことに尽きるであろう。これに失敗すればサラリーマン家庭の子女は確実に下流に落ちてしまう確率が増大する。もっと云えば子供数は減っていても進学競争は過激の一途であり、私立の小学校が奈良県・奈良市でも近年に2校も開校しているのはその表れであるに違いない。大阪府内から通ってくる児童もいるようであり、中流の家庭だとて何時下流に子供が転落するかも知れないと云う危険性と背中合わせであり、うっかりはしていられない時代となっていると感じる親が多いのだろう。------
コメント
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