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脱小沢人事強行なら愛称は「ほら吹き総理」に

2010-06-05 22:26:44 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

脱小沢人事強行なら愛称は「ほら吹き総理」に
第94代内閣総理大臣に菅直人氏が選出された。当初、6月4日中に組閣を終えて菅内閣が発足することが見込まれていたが、菅新総理の意向で、組閣は6月8日に先送りされた。


菅直人新総理としては、内閣の布陣を変えて、本格政権として菅内閣を発足させたいということだろう。


民主党役員人事、組閣が週明けに持ち越されたが、後顧の憂いなきよう、じっくりと時間をかけて人事案を練り上げるべきだ。


菅総理は早速、三つの大きな課題に直面する。


第一は、参院選に向けての体制を立て直すことである。メディアの集中攻撃により、鳩山内閣の支持率が一貫して低下した。とどめを刺したのが普天間問題での辺野古海岸破壊案に回帰したことだ。内閣支持率、政党支持率がともに最低値に低下し、参院選での惨敗が免れがたい状況に陥った。


菅総理の第一の課題は、民主党の体制を立て直し、主権者国民の支持回復を実現することである。民主党代表選が迅速かつ効果的に実施され、民主党に対する支持率低下には歯止めがかかった可能性が高い。改革政党としての民主党のイメージを再生できれば、主権者国民の支持は急回復する可能性がある。


第二は、直面する課題に的確に対応することである。鳩山内閣が総辞職に追い込まれた直接の原因は普天間問題で、主権者国民の意思を尊重しなかったことにある。普天間問題はそもそも極めて困難な課題であったが、鳩山総理は県外移設を公言したからには、最後まで意志を貫かねばならなかった。


菅政権は鳩山内閣が米国と共同声明を発表してしまったあとを引き継ぐから、当面は、日米合意を踏まえなければならないが、早急に新政権としての対応を迫られることになる。


一部報道は、菅新総理の「日米共同声明を踏まえて」との発言を、新政権が「鳩山内閣が米国と合意した内容を踏襲する」と報じているが、言葉の拡大解釈である。


沖縄では本年11月に知事選が実施される。辺野古海岸破壊工事を許可する候補者は知事選で必ず敗北する。日米合意があっても、沖縄県知事の許可がなければ海岸破壊工事には着手できない。


この状況を踏まえて、新政権は普天間問題について、実現可能性のある代替案を示さねばならない。その際に、海兵隊拠点の海外移設の方針を明示するのかどうかが焦点である。


菅新総理は、かつて米軍基地問題について、海兵隊の国内駐留は必要でないとの基本認識を保持していることを明言している。この発言が菅新総理の基本認識を示していると考えられるが、この基本認識に沿って、海兵隊拠点の海外移設の方針を米国との交渉のなかで実現できるか。注目される。


また、政局の陰に隠れて意識が低下しているが、国民生活の視点から見れば、経済運営での適切な対応が喫緊の課題である。2008年後半から2009年前半にかけての急激な世界経済悪化に対して、主要国が積極的な経済政策対応を示して、危機が後退した。世界経済は緩やかな改善傾向を示している。


しかし、サブプライム危機の根は深く、その後遺症の一環として、欧州で深刻な波乱が広がっている。表面的には南欧諸国の財政危機が広がっており、財政の健全性回復が求められているが、問題全体の裏側には、EUの財政政策否定論が重い影を落としている。


EUは財政発動を避けて、通貨下落で景気後退をしのごうとしているとも考えられるが、この発想は世界大恐慌を招いた通貨切り下げ競争=近隣窮乏化政策と軌を一にするものであり、大きな危険を内包するものである。この点につては、『金利・為替・株価特報』2010年5月28日号を参照賜りたい。


菅新総理は、鳩山内閣での財務相を務めたが、財務省の緊縮財政路線に吸引される傾向を強めてきた。このことが、鳩山政権内部での経済政策運営路線をめぐる内部対立の一因になった。


結論から言えば、菅氏が主張してきた近視眼的な財政収支改善優先の政策は極めて危険である。欧州の緊縮財政の主張とも重なる部分がある。






私は放漫財政を主張したことは一度もない。常に中長期の財政健全性を重視し続けてきた。しかし、短期の経済政策運営における近視眼的な財政再建原理主義は「百害あって一利なし」であることを強調し続けてきたのだ。この点を菅新総理が誤れば、菅新政権は経済問題を背景に崩壊に追い込まれるだろう。


第三の課題は、民主党の挙党態勢を確立することである。菅新総理は代表選で民主党がひとつになって参院選に立ち向かうことを宣言した。その直後の党人事、組閣で挙党態勢を確立しないなら、新政権就航時点で「うそつき総理」、「裏切り総理」のレッテルを貼られることになる。


鳩山政権は小沢-鳩山連合の勝利によってもたらされたが、鳩山総理は挙党態勢を構築するために、反小沢陣営の中心人物を主要閣僚に起用して厚遇した。挙党態勢を重視したからである。


しかし、反小沢陣営の議員に対米隷属派議員が多く、これらの議員に外務相、沖縄担当相などの職責を与えた結果、普天間問題で米国に言いなりの対応が示されてしまった。また、八ッ場ダムの工事中止が公約に掲げられ、前原国交相は就任直後に工事中止を宣言したが、その後、地元住民の強い反発に遭い、工事は継続されたままになっている。この問題もそのまま手つかずで放置されている。


民主党国会議員423名のうち、小沢一郎氏に近いグループが120名強存在する。3分の1が小沢氏グループである。小沢一郎氏を敵対視する既得権益勢力=悪徳ペンタゴンは、「脱小沢」などの表現で、菅新体制における小沢氏グループ人脈排除を誘導しようとしているが、これこそ反民主主義の行動である。


政権交代実現の最大の功労者は小沢一郎氏である。また、120名の小沢氏グループの国会議員が存在することは、それだけ多くの主権者国民が小沢氏グループを支援していることを物語る。


主権者が国民であるとの大原則を踏まえれば、「脱小沢」だの「非小沢」だのの発言が血迷った妄言であることは歴然としている。


菅直人新総理が「挙党一致」を掲げながら、政権発足時点から小沢氏人脈を排除するなら、菅総理は出発時点から「うそつき総理」、「裏切り総理」、「二枚舌総理」の汚名を伴ってゆかねばならないことになる。


官房長官に仙谷由人氏を起用するなら、党幹事長は全党的な信頼を得られる人物を起用するべきである。


主権者は国民である。主権者国民は昨年8月30日の総選挙で、民主党の小沢-鳩山-菅のトロイカ体制を支持して政権交代の偉業を実現させたのである。この原点を忘れ、主権者国民の意思を踏みにじる行動を菅新総理が示すなら、その責めは必ず自分自身に跳ね返ることを忘れてはならない。


菅新総理は言行一致で挙党態勢を確立し、主権者国民が政権交代に託した日本政治刷新の大きな課題を実現してゆかねばならない。


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