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背後で石油産業が見え隠れしているトランプ大統領が金融資本と戦争産業のヒラリーと戦う

2017-02-01 08:41:30 | 杉並からの情報発信

背後で石油産業が見え隠れしているトランプ大統領が金融資本と戦争産業のヒ
ラリーと戦う(下)


2017.01.31  櫻井ジャーナル

http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201701310000/

1970年代の終盤から80年代にかけてアメリカは「スンニ派過激派」をアフガニス
タンに集め、戦闘集団を編成してソ連軍と戦わせていた。ソ連軍をアフガニスタ
ンへ誘い込んで武装集団と戦わせるというブレジンスキーの戦略で始まった戦争
だ。資金を出し、戦闘員を送り込んだのがサウジアラビア、アメリカは対戦車ミ
サイルTOWや携帯型地対空ミサイルのスティンガーを含む武器を供給し、戦闘員
を訓練した。イスラエルやパキスタンも工作に協力している。1997年から2001年
までイギリスの外相を務めたロビン・クックが明らかにしたように、そうした
CIAの訓練を受けた戦闘員のコンピュータ・ファイルがアル・カイダだ。アラビ
ア語でアル・カイダとは「ベース」を意味し、「データベース」の訳として使わ
れる。

2003年にイラクを先制攻撃で破壊したアメリカ軍だが、その数年後には行き詰ま
り、1980年代に成功した戦略を使おうとしたのがハーシュの指摘した秘密工作だ
ろう。そして2011年春にリビアやシリアは戦乱に巻き込まれる。「民主派に対す
る独裁者の弾圧」で始まったわけでないことは明確になっている。本ブログでも
繰り返し書いてきたが、リビアではNATOがアル・カイダ系武装集団LIFGと連携、
そこから戦闘員や武器をCIAがシリアへ運んだことも発覚している。

この連携に危機感を持ったロシアはシリアに対するNATOの軍事介入を阻止する。
それでもアメリカ、イギリス、フランス、トルコ、サウジアラビア、カタール、
イスラエルといった国々は戦闘員を送り込み、武器/弾薬を供給してバシャー
ル・アル・アサド体制の打倒を目指す。特殊部隊も送り込んだ。

しかし、アメリカ国内にもアル・カイダ系武装集団を使うことを懸念する人はい
た。そのひとりがトランプ大統領が国家安全保障担当補佐官に選んだマイケル・
フリン。アメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)は2012年8月にシリア情勢に関
する文書を作成、オバマ政権へ提出しているが、その中でシリアにおける反乱の
主力をサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてAQI(アル・カイダ系武装集団)
だと指摘、西側、湾岸諸国、そしてトルコからの支援を受けているともしてい
る。DIAはアメリカ政府が方針を変えなければシリア東部にサラフ主義の支配地
が作られると予測していたが、これはダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)
という形で現実になった。

アル・カイダ系武装集団、あるいはダーイッシュを危険な存在と考えるか、アサ
ド体制を倒す手先と考えるかでフリンとオバマ周辺は対立、2014年8月7日にフリ
ンはDIA長官を辞めることになる。

退役後、この文書についてアル・ジャジーラの番組で質問されたフリン中将は自
分たちの任務は提出される情報の正確さをできるだけ高めることにあるとした上
で、そうした情報に基づいて政策を決定するのはオバマ大統領が行うことだと答
えている。つまり、オバマ政権の決定がダーイッシュの勢力を拡大させたという
わけだ。これは正しい。その流れを強化しようとしたのがヒラリーであり、それ
を支援してきたのが西側の有力メディアである。

軍隊の内部にはフリンと同じ考えの人物が存在、そのひとりがマーチン・デンプ
シー大将。2011年10月から統合参謀本部議長を務めていたが、ハーシュによる
と、デンプシーを含むグループはオバマ政権の政策を懸念、2013年秋からダー
イッシュやアル・カイダ系武装集団に関する情報をホワイトハウスの許可を得
ず、シリア政府へ伝え始めたという。

2013年2月から国防長官を務めたチャック・ヘーゲルも武力によるアサド政権転
覆には消極的な姿勢を見せていたのだが、15年2月に好戦派のアシュトン・カー
ターと交代させられ、9月25日にはデンプシーも辞めさせらる。後任はロシアを
アメリカにとって最大の脅威だと発言していたジョセフ・ダンフォードだ。

デンプシーが退任した3日後、9月28日に国連の一般討論演説でプーチン露大統領
は西側の姿勢を批判する。北アフリカ/中東やウクライナを戦乱で破壊、死体の
山を築くようなことをした人びと、つまりネオコンをはじめとする西側指導者や
サウジアラビアなどペルシャ湾岸産油国、トルコ、イスラエルといった国々の政
府に対し、プーチンは「自分がしでかしたことを理解しているのか?」という強
い言葉を浴びせた。

そして9月30日にロシア軍はシリアでアル・カイダ系武装集団やダーイッシュに
対する空爆を開始する。ウォルフォウィッツが1991年にイラク、シリア、イラン
を殲滅すると口にしたとき、アメリカが軍事行動に出てもソ連は出てこられない
と言っていた。アメリカが単独で先制攻撃してもロシアは文句を言えないという
認識だったのだが、この空爆でネオコンはショックを受ける。ロシアの空爆は本
島にアル・カイダ系武装勢力やダーイッシュを攻撃するもので、戦況は一変し
た。世界を軍事力で制圧するというネオコンの戦略はロシアとの核戦争に発展し
てしまう。

それでもウォルフォウィッツ・ドクトリンを推進しようというのがヒラリーであ
り、当然、支配層の内部にもそれを懸念する人が増えただろう。そして2016年2
月のキッシンジャーによるロシア訪問だ。

キッシンジャーは石油産業と関係が深い。1973年に石油価格が大幅に上昇、石油
危機と呼ばれる事態になった。その直接的な原因は第4次中東戦争だが、この戦
争を演出したのはキッシンジャーだと言われている。エジプトのアンワール・サ
ダト大統領をアラブ世界の英雄に仕立て上げ、同時にイスラエルへ和平交渉に応
じるようプレッシャーをかけようとしたというのだ。

サウジアラビアのファイサル国王の腹心で、その当時に石油鉱物資源相を務めた
シェイク・ヤマニによると、1973年5月にスウェーデンで開かれた秘密会議でア
メリカとイギリスの代表が400%の原油値上げを要求、オイル・ショックにつな
がったとしている。その秘密会議がビルダーバーグ・グループの会合だったこと
は確認されている。値上げはキッシンジャーから提案されたのだという。

トランプ大統領は国務長官として巨大石油会社エクソンモービルの会長兼CEO
だったレックス・ティラーソンを選んだ。ロシアのプーチン大統領と友好的な関
係にあることが注目されているが、その前に石油産業の人間だということを忘れ
てはならない。現在、窮地に陥っているサウジアラビアだが、何らかの形で救済
しようとするだろう。

それに対し、ヒラリーを担いでいたのは金融資本に近い人びと。歴史的にCIAは
ウォール街と近い。例えば、CIAの前進であるOSSの長官はウォール街の弁護士
だったウィリアム・ドノバン、破壊工作を指揮、CIAのドンになるアレン・ダレ
スもウォール街の弁護士であり、極秘の破壊工作機関OPCを指揮したフランク・
ウィズナーもウォール街の弁護士だ。ダレスの側近でCIA長官になるリチャー
ド・ヘルムズの母方の祖父、ゲイツ・マクガラーは国際的な銀行家。CIA人脈が
実行した報道統制プロジェクトのモッキンバードにはワシントン・ポスト紙の社
主だったフィリップ・グラハムの義理の父にあたるユージン・メーヤーは世界銀
行の初代総裁だ。ヒラリーは金融資本にも近く、必然的にCIAと結びつき、有力
メディアも仲間だ。








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