Discover the 「風雅のブリキ缶」 written by tonkyu

科学と文芸を融合した仮説作品「風雅のブリキ缶」姉妹篇。街で撮った写真と俳句の取り合わせ。やさしい作品サンプルも追加。

映画「真夜中のカウボーイ」を観る

2017年12月13日 11時36分32秒 | Journal
 懐かしむべき映画なのだろうが、観たことがなかったので懐かしむ術(すべ)がなかったアメリカ映画「真夜中のカウボーイ(Midnight Cowboy)」(監督:John Schlesinger、1969)を数日前に観た。古典作と言うほどの古い映画でもないが、観るタイミングを逸してきて、タイトルだけ頭にしっかりと残っている映画である。もしかして観るチャンスはあったのかもしれないが、なんとなく避けてきた映画かもしれない。
 敬遠してきたのは、 「真夜中のカウボーイ」役の役者ジョン・ボイト("Jon" Voight、1938-)が余り好きでなかったこともあろう。ボイトの娘は今はときめくアンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie、1975-)さんであり、小生は、どこか父親似である彼女も容貌の点でそんなに好きではない。
 ハスラー(男娼)を自称する「真夜中のカウボーイ」ことボイトの相棒役は、あのダスティン・ホフマン(Dustin Hoffman、1937-)だが、この作品では、演技派の名優ホフマンよりもなんといってもボイトの演技力が印象的で目をひいた。カウボーイ姿のテキサスの若者がニューヨークにやってきて、街中で次々に中年女性に声をかけてセックスをもちかけ料金をいただこうとするが、都会の女は強者(つわもの)で田舎者など相手にせず、なかなか夢見たようには行かない。そのおちんちん一本で大いに稼ごうとする単純さと結果の哀れが、ボイトの眼の表情に生き生きと映って、この青春映画を一層もの悲しいものにしていた。そして、口巧みに自分を騙(だま)し空咳(からせき)ばかりして健康を害していくホフマンを最期(さいご)まで見捨てない男の友情も、切なく泣かせる。アカデミー賞作品賞を受賞。



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