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Basel 3
Hiroshi Fukumitsu

 2010年9月12日 バーゼル銀行監督委員会首脳会議で新たな自己資本規制(バーゼル掘砲力帆箸澆発表された(日銀の白川方明総裁 金融庁三国谷勝範長官が首脳会議に出席)。バーゼル委員会には27の国・地域が参加している。この枠組みは2010年11月のソウルサミット(G20)で報告され了承された。2010年12月16日、バーゼル銀行監督委員会は新たな規制の詳細を示すバーゼル轡謄ストを公表した。
 日本では3メガ含む14行(ほかには「りそな」「住友信託」「中央三井」など)が、バーゼル3への適応が求められる。なお3メガと野村はSIFI(systemically important financial institutions) として、さらに重い規制が加えられる可能性が高いが、SIFIに加えられる規制の議論はこれからである。
 バーゼル2からバーゼル3での変化では、資本の質についての議論とカウンターシクリカルの議論、そしてレバレッジ規制が重要である。
 資本の質の議論では、自己資本のもつバッファー機能(業績の変動を吸収する機能)が注目された。バッファー機能で疑問が付けられたものが、中核的自己資本から除外された。そして中核的自己資本についての比率規制が導入された。なお最終案では幾つかの妥協が図られた。
 カウンターシクリカルの議論は、自己資本比率規制が、景気の振幅を大きくしているのではないか。という批判に対応するものである。その逆に景気振幅を小さくするように、規制の在り方を、弾力的に景気の振幅を小さくするように可変的に変更するという考え方である。
 最後のレバレッジ規制は、有る意味では現在のリスクアセットレシオ規制を根底から覆す側面をもっている。リスクアセットの考え方では、たとえば国債のようにリスクゼロと評価されたもので資産を膨らませる、つまりレバレッジを拡大することが可能になってしまう。そこでレバレッジ自体を規制しようとする議論が導入された。
 (追記 なお池尾さんがテールリスク、つまり統計確率的には少ないはずのリスクが顕在化した場合に自己資本比率規制では役に立たないことを挙げ、結局、バーゼル規制は政治的思惑の産物だったとされている。また2012年3月末で期限の切れる弾力化措置の打ち切りがむつかしいことに言及されている。この弾力化措置は、2008年12月期決算から2012年3月期決算までの時限措置。評価損について自己資本にの反映させない扱いを、国内基準行には、国債等と株式・社債等について認め、国際基準行には、国債等について認めていること。この弾力化はそれぞれの評価益を反映しない取扱いと対応している。国際基準行についての株式・社債等の扱いは、評価益の45%をTier1に算入 評価損の約60%をTier1控除のまま、弾力化後も変更されていない。池尾和人「金融危機の本来的な経験・教訓を生かせなかったバーゼル掘廖惷睛産眄事情』2011年10月24日, 24-28。)
なおテールリスクについてはVaRへの信頼喪失と金融機関のリスクマネジメント
国際基準行への自己資本比率規制(2009年2月)

バーゼル規制の推移
 1988年 バーゼル機仝表
 1996 市場リスク規制導入
 1998 バーゼル機仝直し作業開始
 2004 バーゼル供仝表(オペレーショナルリスク規制 リスク評価精緻化など)
 2007 バーゼル供‥用開始(日本は2007年3月期から)
 2008 バーゼル供仝直し作業開始
 2008年9月 リーマンショック
 2009年4月 ロンドンのG20首脳会議 景気回復が確かになれば銀行の自己資本の質強化 最低基準引き上げ 資本の定義の調和を図る方針を確認
 2009年9月 G20 米ピッツバーグでサミット 2010年末までに新たな自己資本規制策定で合意
2010年9月 中央銀行総裁銀行監督当局長官グループ会合が新たな自己資本規制の枠組みに合意
 2010年11月 G20 ソウルサミットで枠組みが報告、了承される
 2010年12月 バーゼル轡謄ストの公表

一般に指摘されるバーゼル2の問題
 バーゼル2
 プロシクリカリティ(自己資本比率維持のための銀行の貸し渋り、信用収縮が景気変動の振幅を増幅させること 株式発行が株価低迷の原因になる)
 証券化をリスク逃れの手段として用いる余地 があった。など

 現行規制
       Tier 1 非累積的永久優先株 無形固定資産(企業結合または子会社株式追加取得に伴う再評価による計上分のみ) 優先出資証券 繰延税金資産含む
       Tier 2 有価証券株式含み益の45% 無担保劣後債務 期限付き劣後債務(契約時償還まで5年以下) 期限付優先株 
       Tier 3 無担保短期劣後債務(契約時に償還まで2年以下)  
 Tier 1を中核的自己資本ともいう。 
 分子:Tier 1+Tier 2+Tier 3-控除項目
 分母:信用リスクアセット×scaling factor + 12.5×マーケットリスク相当額 
       + 12.5×オペレーショナルリスク相当額
 この計算式で国際的に展開している銀行は8%以上、国内でのみ活動する銀行は4%以上の確保が求められる
 (菅野正泰『入門 金融リスク資本と統合リスク管理』金融財政事情研究会, 2010年より抜粋 pp.18-20, 40ほか) 
「現行の規制では、銀行の最低所要自己資本比率を...8%とし、そのうち4%は普通株や優先株などで構成されるTier 1で充たすことになっている」金融財政事情2011.1.31, p.10
           ↓

2013年から段階的に導入される「バーゼル3では{2015年には、}Tier 1を6%に高め、そのうち、4.5%は普通株と内部留保に限定した普通株等Tier 1という新たな資本区分で満たすこととなった。...その他のTier 1とTier 2も、破綻時の損失吸収力を備えていることなど、参入要件が大幅に強化された」金融財政事情2011.1.31, p.10
 バーゼル3ではコア自己資本の考え方が、破綻時の損失吸収力の観点から厳格化された
 カウンターシクリカル(景気変動増幅効果)を抑制するための規制 → 普通株等Tier 1を2019年までに2.5%上積みする資本保全バッファー 景気過熱時に各国当局の判断で0-2.5%の範囲で上積みする可変的自己資本比率規制
 資本比率を満たしていない場合は配当や役員報酬など社外流出制限して数値基準のクリアを求める
  その運用には課題も多い。想定では、
  景気過熱感有る地域→上乗せ規制
   総与信対GNP比率の長期トレンドからのかい離
  景気後退期 バッファーの取り崩し認める
資本の積み増し取り崩し期間の判断をどうするか

2009年12月 バーゼル委員会 市中協議文書(当初案)の公表
 1.資本の質による中核的自己資本core capitalの振り分け
 資本の質の向上 普通株と内部留保の重視、繰り延べ税金資産などいくつかの項目の資本からの控除、金融機関同士の資本の持ち合い(ダブルギアリング)の制限の強化が提案された。資本の質を高めることで、資本の損失吸収力高めることに狙いがあるとされた。
 資本の質 リスクバッファー機能の有無が問題にされた
 普通株:業績悪化時無配にできる→ 機能あり
 内部留保:配当支払いなし→ 機能あり
この2つで普通株等Tier 1(=コア自己資本)という区分をつくる
資本の質に問題ありとされたものの内容と最終調整(2010年9月)
 株式含み益:相場に左右され安定しない → (猶予期間の適用)
 繰延税金資産:払い戻されない可能性あり → (2010年7月の首脳会議で調整 普通株等Tier 1の10%まで算入可)
 優先株:業績に関係なく割高な配当の支払い義務→ (コアTier 1から除外して その他Tier 1)
 一部の優先出資証券、劣後債、劣後ローンなど:ステップアップ金利は認められない、償還への誘因を伴うものも不可 → (コアTier 1から除外して その他Tier 1 あるいはTier 2 ステップアップなしの優先出資証券をその他Tier 1 初回コールまで5年以上ある劣後債・劣後ローンをTier 2)
(なおバーゼル銀行監督委員会が2011年1月13日に公表した文書によれば、バーゼル靴里發箸任蓮⇒ダ莖瑤篶後債などの資本商品が、その他Tier 1やTier 2に算入されるためには、元本削減または公的資金の注入もしくは同等の支援がなければ銀行の存続が不可能と当局が決定する=トリガー事由が発生した場合に資本削減または普通株転換の実施を義務付ける契約条項を発行条件に盛り込む必要があるとのこと また日本ではトリガー事由に対応する預金保険法102条発動時に資本金を減少できる規定がすでにあるとのこと 『金融財政事情』2011年1月24日, p.8)

 2.カウンターシクリカルな規制の導入 
 2-1 資本保全バッファーの導入
   過剰融資の抑制のため 景気拡大局面で引き上げられる 最低基準を上回るバッファーの積み増し ストレス時の取り崩し可能
         数値基準にGDPに対する与信総額の比率 過去の平均との比較
   ターゲット水準より自己資本比率低い時 配当や報酬など社外流出が制限される
 なおバッファーの考えかたはバーゼル2で規制資本8%にX%のバッファーの和を最適自己資本比率としていたところにすでにみられると田幡直樹さんは指摘している(同「金融監督の課題 グローバルな連携が必要」『日本経済新聞』2009年9月16日)。その効果は成長の早い国に影響するとみられるので→1988年のバーゼル1が邦銀をけん制するものだった*のと同様に、2010年の規制は新興国、とくに中国の銀行をけん制するものとの見方がある。
 *当時、日本の銀行のover presence問題が大きな問題になった。英米の金融当局はその原因として日本の銀行のレバレッジが大きすぎることを挙げた。過少資本で流動性のリスクを負って海外業務を拡大していることは、日本の金融当局からみても問題があった。(参照 平澤貞昭「専門金融機関制度の見直し論議に終止符」『金融財政事情 創刊60周年記念号』2010年7月22日, pp.46-56, esp.54)
 2-2 カウンターシクリカルな資本バッファーの導入
  過度の信用拡大を防止するため、資本の積み増しを求めるもの(各国の状況に応じて実施)
  その他の損失吸収力のある資本の導入 一定のトリガーにより普通株への転換等が起きるコンティンジェントキャピタル  

3.レバレッジ規制の導入
 リスクアセットレシオ → リスクが適切に捕捉されないと過剰レバレッジを抑制できない 過剰なレバレッジを防止する 直接的レバレッジ規制を検討するとされた。
 補完的指標としてのレバレッジ比率規制(オフバランス項目を含むすべての資産に対する中核的自己資本の割合+証券化目的導管体向け信用補完、流動性補完など)の提案。
 トレーデイング勘定(流動性高いとして自己資本低く計算)が乱用された。リスクの高い資産をトレーデイング勘定に計上。ここでレバレッジをかけていた。ここで損失の大半が発生した。
 合わせて流動性規制の提案 換金性の高い資産を一定以上保有することを求める規制(30日間の激しいストレスに対応できる流動性t資産の保有を求める流動性カバレッジ規制と、運用資産の流動性リスク度合いに応じて調達側の安定度を求める安定調達比率とからなる)

2010年4月14日 全銀協の要望
   コア自己資本について
   銀行システム(ソフトウエア 無形固定資産)は収益の源泉であり除くべきでない
   繰延税金資産 一定水準までの算入求める
   他の金融機関への出資 控除対象は国内金融機関への出資分にとどめる など
 
2010年7月26日 バーゼル委員会首脳会議
 中核的自己資本への算入項目を増やす形で当初案を緩和
   繰延税金資産 普通株の10%相当額まで算入可能
   他の金融機関への普通株出資(ダブルギアリング) 同上
   合計で普通株の15%分を上限として算入を認める など
 このほか
 ソフトウエア等の無形固定資産は、各国の会計基準と国際会計基準との間に差異がある場合には、国際会計基準に基づく取扱を適用することを許容するとされた。
 レバレッジ比率規制について、より具体的提案。2017年を移行期間として2017年前半に2018年1月からの導入を決定すること。3%という割合でのテストすること、2015年から銀行にレバレッジ比率の開示を求めること。などの提案
日本は国債をレバレッジ規制から外すように主張)
 このほか市場からの資本調達が困難な状況で中核的自己資本の増強を可能にする(バッファーとして役に立つ)条件付き資本導入の提案。条件付き資本、コンティンジェント・キャピタルとは、あらかじめ定められたトリガー自由が発生したときに、普通株などに転換される劣後債などの資本性商品。
(青崎稔・北野淳史「バーゼル委「包括的な規制改革案」に関する見直しの内容」『金融財政事情』2010年8月23日号, pp.10-15より抜粋)
(大槻さんは、緩和の背景として、2009年秋のドバイショックと、2010年春先の欧州ソブリンリスクの高まりを指摘している。大槻奈那「利益の積み上げと資本増強で邦銀も最低基準の達成に一応のメド」前掲誌, pp.16-20.)

 9月の首脳会議で自己資本比率の水準や経過措置を最終決定  

2010年9月12日 バーゼル委員会首脳会議 バーゼル掘仝表
 規制導入を段階的に進める形でさらに当初案を緩和。2010年11月 ソウルのG20首脳会議での最終合意目指す。

 2-1 資本保全バッファーについて2.5%(段階的実施 2016年開始 2019年完全実施)
 2-1 カウンターシクリカルな資本バッファーについて0-2.5%のレンジで設定 
 
最終案(段階的規制案 2010年9月で提示 2010年12月テキストで詳細確定)の内容
 調整が続いていたコア自己資本の数値、規制の導入から完成までの段階的な進め方が明示された(2010年9月に明示 2010年12月テキストで詳細確定)。
 狭義の中核的自己資本(普通株等Tier 1+資本保全バッファー)の仕上がりは7%とされた。2013年1月から段階的に適用を始め2019年1月に新規制に全面移行する。
 普通株等Tier 1の最低水準の仕上がりは4.5%。これに固定的上乗せ(資本保全バッファー)2.5%がある。
 普通株等Tier 1最低水準規制の開始は2013年1月からで2015年には完成(4.5%)。上乗せ(資本保全バッファー)規制は2016年から開始。徐徐に引き上げ2019年1月には2.5%。両者を合せた水準は2019年には7%となる。
このほか景気動向に応じて0-2.5%:国内総生産に比べ貸出の伸びが高い場合 景気過熱時に各国当局で最大2.5%をさらに上乗せられるものとする。
 優先株等も含めた場合の広義の中核的自己資本(普通株等Tier 1 + その他Tier 1 =Tier 1)6% 上乗せ(資本保全バッファー)2.5%と合わせて2019年の仕上がりは8.5%とされた。
劣後債などのTier 2も含む時(総資本最低水準)は8%。上乗せ2.5%と合わせた2019年の仕上がりは10.5%とされた。
 繰延税金資産、金融機関への出資など普通株等Tier 1からの新たな控除は2014年以降毎年20%ずつ控除額を拡大2018年から100%完全実施とする。
 優先出資証券は中核的自己資本から取り除くが、すでに発行済のものについては13年から10年間既存の扱いを容認する(なおこのように既得権を一定期間認める条項をgrandfather clauseといい、そうした扱いをすることをgrandfathering猶予期間という)。ただし2013年1月時点の名目残高をベースに毎年10%ずつ減少するものとする(2013年から10年間)。
 資料:池田賢志「バーゼル委 より高い国際的な最低自己資本基準 に関する発表内容について」『金融財政事情』2010年10月11日, pp.10-14.
    池田賢志「バーゼル委員会によるバーゼル轡謄ストの公表について」『金融財政事情』2011年2月7日, pp.10-16    
 
 以下の背景がある。
アメリカ、中国 中核的自己資本比率高い
 欧州、日本  中核的自己資本比率低い

2008年以降の日本の金融機関の対応
2008年末以降 3メガは普通株増資を実施の改善を急いできたが、現在の中核的自己資本比率は(シティグループ証券の野崎浩成氏の試算 日経2010年9月8日による)
  三菱UFJFG 8.6%
三井住友FG 7.9%
みずほFG 6.1%
であり、みずほはバーゼル3規制を達成できていない。実はSIFI(システミックに重要な金融機関)に3メガは認定されており、バーゼル3よりさらに厳しい規制が予想される。みずほは極めて厳しい局面に立たされている。
(日経2010年9月4日は11年3月末で7.4%、6.3%、 4.7%と報道した。また銀行システムなど無形固定資産や他の金融機関への出資分を控除したもっとも厳しい基準では、6.5%程度、三井住友が5%程度、みずほは2%程度とされた。日経2010年5月21日。<みずほ>は2010年7月の増資後も、中核的自己資本が不足しており、自己資本を積み上げるか業務を縮小する必要がある。)

2012年にも予想される段階的規制強化に備える
2008年初め  みずほコーポ銀が米メリルリンチに1300億円出資
2008年7月   三井住友が英バークレイズに1000億円出資  
2008年9月   三菱UFKFG 米モルガンスンタレーに90億ドル(9000億円)の資本支援打ち出す  
2008年9月   リーマン破たん後、株安で含み益縮小 実体経済悪化 企業倒産急増へ
2008年10月末 三菱UFJFG 優先株で3900億円(優先株は国内の生保数社に割り当てる方針) 普通株で6000億円の資本増強計画
2008年11月13日 みずほFGが優先出資証券を最大3000億円発行方針表明
2008年11月18日 三菱UFJFG 年内実施 普通株公募増資 親密保険会社への優先株
        三井住友は希薄化につながらない優先出資証券を国内機関投資家向けに4000億円規模2008年内発行を検討
2008年11月   三菱UFJFG 優先株 3,900億円 実施 配当率年4.6% 普通株への転換権ない社債型(希薄化生じないとの触れ込み)第3者割当方式 11月17日発行 日本生命 明治安田生命 T&DHDなど親密大手生損保が引き受け
2008年12月   三菱UFJFG 普通株式     2,799億円 実施
(12月8日時点では発行価格を417円 調達額は約4000億円。新株発行と自己株式処分とを合わせ約10億株売り出す。国内・海外半分ずつ。11月分と合わせて約1兆円調達の予定が7900億円にとどまったと報道された)
2009年3月期    三井住友FG 最終損益3734億円の赤字(2008年3月期の4615億円の黒字から転落) 減配
         みずほFGは5800億円程度の赤字(2008年3月期の3112億円の黒字から転落 赤字は2003年3月期以来6年ぶり 株価下落のための減損処理支出拡大 貸し倒れに備えた引当金積み増しなどが影響)
2009年6月    三井住友  8610億円の普通株増資を実施 名目 日興コ―ディアル証券買収資金 大型公募増資 
2009年7月    みずほFG 5,292億円 普通株式 実施
2009年11月13日 三菱UFJFG 年内に1兆円規模の普通株公募増資実施で最終調整 最大で25億株程度(資本規制に対応 コア積み増しが目的)
2009年11月18日 三菱UFJFG 1兆円規模の普通株増資を表明
2009年12月   三菱UFJFG  10,313億円 普通株式 実施(国内企業で過去最大級の普通株公募増資 最大25億株発行 国内・海外半分ずつ) 
2010年1月    三井住友FG 9,730億円  普通株式 実施 大型公募増資
2010年4月28日  三井住友FG 10年3月期配当2期ぶりに増配 従来予想90円を100円に 金融危機以降 3メガで増配決定は三井住友だけ 連結純利益予想2200億円が2800億円程度ンに改善(5月18日発表では2715億円) 2度の大型増資で1株当たり利益は7割程度に希薄化、上振れ利益の一部100数十億円を株主に還元    
2010年5月中旬  みずほFG(国際的に中核的自己資本比率で見劣り) 内外で8000億円目標の普通株増資実施を発表
2010年6月25日  みずほFG 7月中に60億株をめど8000億円規模の普通株公募増資を実施する
2010年7月    みずほFG 内外で7516億円 普通株式 実施
大槻奈那「利益の積み上げと資本増強で邦銀も最低基準の達成に一応のメド」前掲誌, p.17.

参考 大手証券の普通株増資
2009年3月 野村 2800億円
2009年7月 大和 2000億円
2009年10月 野村 4300億円

増資の背景
国内 2008年―2009年
 大企業 債券CPから借入・借入枠設定へ
 中小企業融資減る結果に 2008年の資本調達には積極的側面もあった
 2009年4月以降 再び先行き不安か
ら企業の資金調達は低調になる
 したがって国内的に考えると資本規制対応だけが目的にみえる。しかし
国際業務への再展開が進んでいる
 国内が低調な中 メガは海外融資を伸ばしている
 3メガは海外の協調融資案件から声がかかる状態
 海外融資残高 邦銀海外支店貸出残高
 オフショア勘定(外銀+国内市場)→海外投融資 
 国内に比べ利ざや確保しやすい

なぜ普通株でなく優先株、優先出資証券に頼ったかについては、自己資本比率規制の扱いで自己資本に算入できた 円建てで高利回り証券で投資家がいた 法的な規制上都合がよかった 株式市場への直接の影響避けたなどの解釈がある。
 しかし優先株などについては、メガ銀行の配当負担に耐える利益を得ているかという批判がある。普通株での自己資本強化については、海外の銀行資本から出資を受け入れることも考えるべき、という議論も出ている。

Written by Hiroshi Fukumitsu. You may not copy, reproduce or post without obtaining the prior consent of the author.
originally appeared in Sept.15, 2010
corrected and reposted in Feb.7, 2011 and Nov.15, 2011

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