21世紀航海図;歴史は何も教えてくれない。ただ学ばない者を罰するだけ。

個人の時代だからこそ、個人を活かす「組織」が栄え、個人を伸ばす「組織」が潤う。人を活かす「組織」の時代。

人権と「公共福祉」

2007年02月11日 07時55分46秒 | Weblog
 団体生活に於いて、相互補助、人を立てるためにある程度、個人の人権が制限されるのは仕方がない。公共福祉のためだ。助け合い、平和な世界を築いて行くためには、我侭も言ってられない。戦争になって死んでしまうのに比べれば、人権が制限されるほうがましだ。第一次・二次世界大戦/冷戦だけでなく、歴史に出てくる戦争中の事を考えれば、当たり前に繰り返されてきた事だと分かるだろう。国民が民主主義の権利を諦めていたこともある。イラク侵攻中、アメリカ人は大統領を替えようとはしなかった。
 イラク内戦を終結させるためには、イラク人がある程度に権利を諦める必要があるのではないのだろうか。「今のイラクには国をまとめられる強いリーダーが必要だ」と言われ始めた。まず、「強いリーダー」が必要なんだ。その選定過程は重要ではない。民主主義選挙によるものだろうと、腐敗選挙によるものだろうと、戦闘/虐殺によるものだろうと、できるだけ犠牲が少ないうちに、強いリーダーが生まれる必要がある。イラク人は一度手にした平和的民主主義を言われるものを一度諦めなければならないのかもしれない。
 その一方で、「公共の福祉」と言う言葉は、強者が弱者の権利を不当に抑圧するために使われる心配がある。人が自分の権利を諦めるかどうかの決断は、あくまで個人で下されるべきであって、他人から強制されるべきではない。
 って、「独裁者」への恐怖の記憶が根深いイラクでは、国民は一度でも手にした権利を簡単に諦めようとしないのかもしれない。内戦はもうしばらく続くだろう。

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