フィッシャーテクニックのブロックキット

知育玩具・技術教育教材として優れたフィッシャーテクニックのブロックキット、キットの組立方法・新製品情報などを紹介します。

1970年代日本に紹介された当時のフィッシャーテクニック

2011年03月25日 | ブロック
<はじめに>
フィッシャーテクニックのブロックキットはドイツの発明王(カメラのフラッシュライトに始まりアンカーボルトに数多くの特許を持ちその保有特許数は1080個以上でエジソンの特許数を凌駕)といわれるアルター・フォン・フィッシャー氏が開発し1965年に発売したブロックです。


このブロックキットは1970年にフランス国際玩具ショーで大賞を受賞しています。アンカーボルトの強固な構造を取り入れて製作されているのでピンは簡単には外れないのと全6面が接続可能なので立体構造物を作るのに適している世界最強のブロックです。
 
 
■日本への輸入
正式に何年に輸入され始めたかは分かりませんが恐らく昭和45年か46年(1970~1971年)ではないかと思われます。写真は73年・74年のカタログです。
 

■当時の商品構成
カタログを見ると幼児用セット(1550円~4000円)・基本セット(2700円~10500円)・拡大セット(2700円~9000円)・ホビーセット(9400円~32700円)がありそれ以外にオプションとしてモーターギアセット・電子部品セットがありました。価格を見てもそれなりに高額な商品です。部品そのものは現在発売されているものとほとんど変わりませんがグレー色と赤色が当時を知る方にとっては懐かしいのではないでしょうか。(当時の大卒初任給は5~6万円位)
ft catalog 1973


■鉄腕アトムのキャラクター
もうひとつ驚くことは当時のカタログには鉄腕アトムやお茶の水博士のキャラクターが堂々と掲載されていることです。聞くところによると手塚治虫先生がフィッシャーテクニックを高く評価され科学学習に大変役立つ玩具だからということで無償でその使用を認められたと聞いております。


■当時の販売ルート
当時の輸入代理店であった「STジョンソン商会」様から聞いた話では関西地区では大丸・阪急・高島屋・そごう百貨店各店の玩具売り場とキディランドで販売されていたそうです。関東地区でも同じく百貨店玩具売り場を中心に販売されていたようです。

■なぜ販売が数年で終わってしまったのか?
今日でもそうですがブロックといえば知育玩具というイメージが強いために小学生向けの知育玩具としてターゲットを幼児小学生に置いたために実際に買ってみるとその組み立て方が大変難解であることと組み立てるのに大きな力が要るのでかなり親の協力がないと完成しないし子供一人で楽しむには難しすぎたことや価格的にもかなり高額であったっことなどが販売の伸びなかった原因ではないかと思われます。当時のマニュアルをみても組立図は写真の拡大図が多用されていますがこれだけを判断材料にして組み立てるにはかなり難しかっただろうと思われます。ドイツではホビーキットを中心に15歳以上を対象に販売していたことが多くのファンを作り上げたのとは対称的に日本では幼児・小学生を対称にしたことがフィッシャーテクニックのよさを訴求しえなかった原因になったものと思われます。実際数年後には残念ながら日本の市場から姿を消してしまいました。その後もフィッシャーの愛好家や玩具企業が数社少し輸入されたことがあるようですがフィッシャーの営業担当のワールハース氏に聞いても自分が入社する95年以前の話で資料が残っていないと言っておりました。

■大人のレゴ
ヨーロッパではフィッシャーテクニックは幼児から大人まで幅広い方々に愛用される玩具になりましたがその技術的なレベルの高さから「大人のレゴ」といわれ多くの大人の愛好者が現在もフィッシャーテクニックを楽しんでおられます。

■「ホビーセット」のマニュアル
「ホビーセット」のマニュアルこそフィッシャーテクニックの真骨頂と言える内容です。当時多くの学者や技術者の知恵を借りて編纂したといわれるこのマニュアルは当時の最先端技術を取り入れて、ブロックの創作可能性を無限に追求したような内容になっていてその説明は大学の構造力学や電気工学の教科書のようです。このマニュアルが日本語化されたのかどうかはわかりませんがもし日本語化されて販売されていたらメカトロニクスの教科書としても高く評価されたのではなかったでしょうか。このホビーセットを使ってドイツでは多くの中高生がフィッシャーテクニックにのめりこみその後優秀な技術者科学者にお育っていったといわれています。因みにホビーセットのマニュアル(ドイツ語版)は今日でもこちらからダウンロード可能です。40年前のマニュアルとは思えないほどレベルの高いテキストです。



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