ショートストーリーズ

趣味のカメラで撮影した写真から紡ぎだすショートストーリー
*アプリからの更新が中心です。

分岐点

2016-10-19 17:20:41 | 日記

右に進むべきだったのか?
左に進むべきだったのか?

道を歩いていてこうした場所を見つけるとその度にそんなことばかり考えていた時期があった。道行く人達も同じことを考えている人は……1人ぐらいはいて欲しいと思うけれど、それはまあなかなかいないだろう。

そんなことを奥さんに話したことがある。結婚する前のことだったろうか。かなり真面目な感じで話して笑いながら…

「はあっ?ばっかじゃないの」

彼女から呆れ顔でそんなことを言われて意気消沈しそうになりそうだった私に彼女は真顔になって言葉を続けた。

「道が分かれていてどちらかに進んだとしても、必ずどこかで合流する箇所があるもの。それが遠いか近いかの違い。早いか遅いかの違い。少し考えればわかることでしょ。あなたもわかっているんじゃないの?」

「…あ……ああっ………」

言葉が出ないとはこういうことなんだろうか。いや、わかってはいたことだと思う。自分の口から出てきた言葉はそれだけで終わりではなく、発言内容に対する答えも出ているものだろう。

「あっああっ…じゃないの。しっかりして」

背中を思いっ切り叩かれた。周囲の人が振り返るくらい思いっ切り…

「ちなみに、今、目の前にある分岐点はすぐに合流してますから。私達の目的地は逆方向だけど。行くよ、もう…」

たまたま立ち止まった場所が分岐点に差し掛かる場所だったらしい。無意識のうちに…普段、考えていることを話してしまったようだ。

「いつもいつもすみません…目的地が逆方向なのはわかってるよ。地図が読めない人が指図しないで」

勇気を出した反論。

「わかってるよ、もおっ」

怒りながらもニコニコしている顔。他人からすれば大したことではないだろうが、この時だったのかもしれない。

目の前の彼女と人生を共にしたいと思ったのは。
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