今、半分空の上にいるから

『硬式野球部を造ってみたら』からタイトル変更しました。
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降下する死体 その5 〜ミステリー記念館で休憩中です。〜

2016-10-01 02:50:29 | ミステリー記念館で休憩中です。(完結)
続きです。
(^o^)/

「うーん、ヘリコプターかぁ。」
何やら悩みながら、柱が捜査資料を作成していました。

「柱先輩なんですか?ヘリコプターって。」
それを聞いた茶臼山が質問しました。

「いや、白羽海岸の付近の住民に聞き込みをしたんだけど、遺体発見の日の早朝、ヘリコプターが飛んでたって言う人が多くて。」

「皆がうるさいと感じる程、真上を旋回したんですかね?」

「朝6時頃だから余計うるさく感じたんだろうけど。時間も遺体発見前だし、もっと詳しく調査した方がいいのかな?」

「そうですねー。
今、バスの整理券の調べが終わったんで少し手伝いましょうか?」
茶臼山はバスの整理券が入った袋を見せた。

「おー、これ全部調べたのか?」

「本数の少ない路線なんで整理券も少ないですよ。
出発から乗った分の整理券に、被害者の指紋が上手く出ればいいんですが。
紙だからなー。」

残りの整理券を棚にしまうと、茶臼山は手帳を持ってソファーに座った。

「柱先輩、本宮さんと回ってるんですよね?
今、本宮さんは?」

「石巻警部と捜査状況の報告に言ってる。
じゃあ、俺達も少しまとめようか。」
柱も手帳を持ってソファーに座った。

「ヘリコプターな、一応本宮さんと調べたら、同じ時間、小牧市の名古屋ヘリコプターって会社が飛行ルートの申請をしていた。NXテレビの契約パイロットらしい。」

「取材ですか?」

「白羽海岸と防砂林の取材。
取材の場所、海亀の産卵保護で、車両制限されている区間なので、ヘリコプターで機材を運搬したようだ。上空からの撮影も。撮影日は金曜日。」

「じゃあ土日は?」

「土曜日が撮影の予備日で日曜日はパイロットの休業日。
でも金曜日に順調に撮影が済んで、テレビクルーは金曜日には引き上げた。土曜日は天候も悪かったし。
で、休み明けの月曜日の早朝に小牧に戻った。」

「じゃあ、白羽海岸を旋回したのは、豐原営業所からの帰りなんですね。
何故旋回したんですかね?」

「パイロットが言うには気流の関係だって。」

「そうなんですか?」

「さあ?」

茶臼山は被害者の足取りについて話した。

「結局被害者は蔵山で消息を絶っているんだな。」
説明を聞いて、柱は言った。

「石巻警部は蔵山の大掛かりな捜索をするって。」

「やっぱり蔵山周辺で、なんか事件に巻き込まれたのかな?」

「被害者は帰りのバスには乗らなかったようですしね。」

ふいに、ソファーの前のテーブルに挙母がコーヒーを2つ置いた。
「なんか面白そうな事してるな。」

「ああ、挙母さん、ありがとうございます。」

「挙母先輩、ありがとうございます。
捜査会議ですよ。」

自分の分のコーヒーと手帳を持って挙母も加わった。
「ヘリコプターかぁ。
時間も時間だし、気にはなるな。」
今までの説明を聞いて、挙母が言った。
そして続けた。
「そうそう、後で説明があると思うけど、詳しい検死の結果が出たぞ。
鑑識課から聞いた。」

「何か分かりましたか?」柱が聞いた。

「胃の内容物から、被害者の死亡推定時刻はおよそ午後3時前後。
死因は自動車との接触、衝突じゃないかって。
ほぼ即死状態。
遺体に植物片や土が付着していて、今鑑識で種類や地域を特定している。
死後、移動された形跡あり。
俺達がクレーンで吊り上げたのとは違う位置に、何かに包まれてベルトで吊り上げられたような跡がある。」

「て事はー、死亡時間からすると、やはり蔵山で被害者は事故、もしくは故意の自動車に接触、死後犯人に車で運ばれ、屋根の上に遺棄されたと。
被害者は蔵山からの車道の横を歩いて、下山していたんですかね?」
茶臼山が言った。

「車でもなく、バスにも乗らないって事は、そうなんだろうな。」
と挙母。

「犯人は蔵山に何しに行ったんでしょう?
観光?」

「さあね。」

柱がふと机の上に折り畳まれたプリントを見た。
「これは?」

茶臼山が広げて見せた。
「あー、これ?
手帳に挟んで置いたやつです。
蔵山ハングライダークラブのホームページ。」

「ちょっと見せて…えっ?」

そう言うと柱の顔色が変わった。

「やれやれやっと済んだ。」
その時、報告の終わった本宮が部屋に入って来た。

「本宮さん!!大変です!!」柱が叫んだ。

「おぅ!?驚いた。なんだ、柱?」

「このプリントのここの写真見て下さい。」

「えっ?どれどれ」
プリントを見た本宮も驚いた。
「これ!ヘリコプターの会社の…。」

「ヘリコプター?」
挙母と茶臼山は事情が分からず困惑していた。

続く。☆彡
次回解決編です。
ジャンル:
小説
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