Zooey's Diary

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明るすぎるメルクの修道院

2011年08月23日 | 中欧旅行2011
バッハウ渓谷にあるメルクの修道院に立ち寄りました。
ガイドブックによれば、11世紀に健立されたというベネディクト派、世界遺産の修道院。
10万冊の蔵書と手書きの本1888冊を収めた図書館も有名だと。



中世の修道院、図書館と聞いて思い浮かぶのは、ウンベルト・エーコの「薔薇の名前」。
”中世イタリアの修道院で起きた連続殺人事件。事件の秘密は知の宝庫ともいうべき迷宮の
図書館にあるらしい。記号論学者エーコがその博学で肉づけした長編歴史ミステリ。”(amazonより)
世界的な名作といわれるこの本はしかし非常に読みにくく、
若い頃、殆ど意地になって読んだ覚えがあります。
今になってamazonの書評を読んでみたら
”キリスト教における清貧論争や異端などについてのペダンティックな議論や記述が延々と繰り返され、
全てを十分に理解するには、かなりの教養が必要とされる”
という記述が。
やっぱり…


87年にショーン・コネリー主演で映画化され、こちらは分かりやすかったが
非常に陰惨で暗かった。
北イタリアの寒々しい山奥、薄暗い石の建物、重苦しい毛織物の衣をまとった修道士たち、
その間での隠微な同性愛、嫉妬、いじめ、そして殺人。
巨大な樽の中に浮かんだ修道士の灰色に膨れ上がった死体。
と、ろくな印象がないのですが(20年以上前に観たのにいまだに覚えている)
メルクの修道院のなんと豪華絢爛で明るいこと!
黄色と白の派手な外壁といい、豪華な天井のフレスコ画といい、金ピカの図書館といい、
まるでお城のようです。
こんなのってある?


私が長年抱いていたイメージは音を立てて崩れ落ちたのですが…
しかしそんな筈がある訳ないと、ヘソ曲がりの私は未だに思ってしまう。
暗さの全否定なんて、その方が怪しいのじゃないの?
宗教や人間にまつわることに、ほの暗さが微塵もないなんて
ある訳ないと…

(ドナウ川クルーズからの眺め)
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2 コメント

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Unknown (慕辺未行)
2011-08-24 22:54:27
ザルツブルグの記事も含めて、ヨーロッパのお城や宮殿、教会の装飾の美しさが目に止まります。
まるで博物館か美術館並みの装飾や絵画に、目を見張らされます。
夜のレストランでの食事、高級レストランですと、いろいろ気にしなければならないものなのでしょうか?
ドイツやスイスでも、ちょっとしたレストランへ入ったことはありますが、全く気にしたことはありませんでした (^_^;;!
慕辺未行さま (zooey)
2011-08-25 00:23:23
本当に綺麗だったのですけど
修業の場としてはきれいすぎて…
修道院自体が領地を持ったり「市支配権」を持ったりして利権を握り、それを誇示するためにも立派な建物を作っていたのだそうです。

あのホテルは五ッ星なのです。
コンサート帰りのお客たちも正装してましたし…
そういうところでは日本人としても、やはり気にしますね。

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