
昨夜、NHKーBSで久しぶりに「いつか晴れた日に」を観ました。
1995年アメリカ・イギリス合作映画。
製作シドニー・ポラック、脚本エマ・トンプソン、監督アン・リー。
アカデミー賞脚色賞を受賞。
ジェーン・オースティンの「分別と多感」”Sense and Sensibility”が原作。
前に観たのは、もう15年以上も前になるのか…
感動して、原作本も読んだ覚えがあります。
19世紀初頭の英国の緑豊かな田園地帯。
その頃の英国では、女性には相続権がなかったのですね。
上流階級では女が働くことも認められず、つまり結婚しか生きる道はない。
女のみならず、金持ち貴族の家に生まれた男であっても、
貧乏人の娘と結婚しようとすると、親に相続権を剥奪されたりする。
だから男も女も、金持ちで人品卑しからぬ相手を見つけるのに必死なのです。
この話は、その時代の婚活物語なのです。

立派な邸宅で何不自由のない生活をしていたのに
父親が亡くなって先妻の息子に家を相続されてしまった未亡人と3人の娘。
金持ちの親戚が貸してくれたコテージに引っ越しするが生活は苦しく、
上の二人の娘の結婚に期待するしかない。
長女エリノア(エマ・トンプソン)は分別があり、感情を外に出さないタイプ。
次女マリアンヌ(ケイト・ウィンスレット)は多感で自由奔放。
そうなると大概損をするのは長女の役廻りと決まっているのですが
しかしどちらにしても、金持ち男を必死で探しているようなところはオクビにも出さず、
表面的には取りすましている。
そこに控え目な紳士エドワード、寡黙なブランドン大佐、“白馬の騎士”ウィロビーが現れ、
恋の駆け引きが始まるのですが…

オースティン原作の映画にはよく出てくるシーンですが
例えば外から客人が家にやってくることを見てとると(末娘などが窓から見張っている)
それまで汚いエプロンをつけて家事などしていた女たち、
さっとエプロンを取り、髪を整え、そこらのものを片付けて
綺麗な居間のソファで姿勢を正して座り、素知らぬ顔をして客人を迎え入れるのです。
貧乏貴族の矜持がよく出ていて面白い。
金持ち貴族だからといって容姿がよいとばかりは限らず、
親切な親戚のジェニングズ夫人はカバのように太っているし、
その娘はサルのような顔をしている。(財産目当てで結婚したであろう
彼女の夫が醒めていて中々面白い)
しかし二人とも良縁に恵まれ、ヒマとお金を持て余して
世話役に徹しているようなところがあります。
思慮深い長女も、奔放な次女も、思うようにいかない恋に傷つき悩むのですが
その苦しみが真摯であるだけに、生きる様が必死であることがわかるだけに
観ている側も応援したくなります。
普段冷静なエリノアが最後に泣き崩れるところでは、思わず貰い泣きしてしまいました。

「高慢と偏見」でもそうでしたが、オースティン原作の作品では
必死に相手を探す娘たち、娘に期待する優しい(あるいは無知な)母親、
計算高い(あるいは寛容な)独身紳士、ゴシップ好きな親戚たちと色々出てくるのですが
結局のところ根底に暖かな人間愛、人生賛歌が流れている気がします。
英国を旅した時にあちこちで見た、古く立派な石造りの貴族の邸宅。
その中では何百年に渡る華やかな生活だけでなく、
そうした悩みや苦しみといった人間の生き様が隠されているのだろうなあと思ったのでした。











(今回は諸事情あって、あきらめましたが)
劇場公開の折、ドレスやインテリアはもとより、
ティカップなどの小道具に至るまでむさぼるように眺めた記憶があります♪
で、ロンドン暮らしが長かった友人に絶賛したら、
すぐに鑑賞した彼女に「あなたのような人があの映画を褒める気がしれない」とぼろくそに叱られました(笑)
そう、今でいう婚活映画ですもの……ね♪
「Nステーション」に脚本も手がけたエマが出演し、オースチンの文体を研究したエピソードを明かしてくれましたっけ……
ケイト・ウィンスレッドも神々し異様な美しさでしたね〜。
あ、そうそう、ヒュー・グラント大好きの私は、別の友人からも「男を見る目がない」とけちょんけちょんに……(笑)
あ〜、止まらない。本当に大好きな映画でした。
zooeyさんももらい泣きなさったなんて、嬉しい限りです。(私も泣いた)
もちろん、オースチンも大好き、よく読みました。
今回の本の大処分でもまっさきに残した作家さんの一人です。
興奮して脈絡もなく、長くなりました。ごめんなさい。
「プライドと偏見」に始まり、「ジェーン・オースティンの読書会」「ジェーン・オースティン秘められた恋」など。
「プライドと偏見」について自分が何を書いたか綺麗に忘れてしまって、探したら出てきました。
オースティン好きな釉さん、よかったらご覧くださいませ。
もう6年前になるのですね…
http://diary.fc2.com/cgi-sys/ed.cgi/ako_0330/?Y=2006&M=1
ケイト・ウインスレッドはみずみずしくて本当に綺麗でした。
「タイタニック」の時よりよほどよかったですよねえ。
ヒュー・グラントはここでも見事に「優柔不断なナサケナイ男」を好演していました。
あの、普段は沈着でこらえにこらえていたエリノアがむせび泣くシーンでは、泣かずにはいられませんよ…
なんだかんだ言ってもオースティンの映画は
後味がいいから大好き!なのです。
重要な問題ですね。
娘を嫁がせる頃の複雑な気持ちを
思いだしてしまいました。
「いつか晴れた日に」はオースティン
原作だったのですね。
オースティンは若い頃「高慢と偏見」
を読んだことがありますが、この映画
にも通ずるところがあるようですね。
小説ではなかなか想像しえなかった、
古くて立派な貴族の邸宅や調度品、
美しい自然なども、映画なら一目で
わかりますね。BSでは見逃してしまった
ので、DVDを借りて見てみようと思います。
これからレンタルしてきた
エリザベスゴールデンエイジを見ますが、
こちらの方が大分古いお話ですね。
只の婚活物語に枝をつけ葉をつけて
文芸作品にしあげてしまうところです。
なんかいかにも奥深いことを言ってるようで
でも突き詰めれば只の恋愛物語なんですよねえ。
緑したたる田園風景、古い館の調度品などは
本当に綺麗です。
アン・リー監督は台湾人なのに、英国の19世紀の貴族社会を
よくここまで描けたものだと感服しました。
エリザベス・シリーズも一通り観ました…
2度目なのですが、オースティンの他の作品と混同したりしています。
貧乏貴族、お金がないために好きな人と結婚できない。まあ、この物語ではうまくハッピエンドになりましたが。
長女の抑えた感情、溢れ出た涙にこちらまで涙でした。
きれいな服を着ていても、調度品が素晴らしくても、「牛肉をやめる」とか「砂糖」もない生活なのですね。同じことは若草物語でも(貴族と言う設定は違うけれど)そうなんですね。
他の国と違ったイギリス独特の風景が好きです。
「武士は食わねど高楊枝」はさぞつらいことでしょうね。
「若草物語」も子どもの頃、大好きでした。
貧しくても矜持を保つという点では
共通していますよね。
緑したたる英国の田園地帯に、また行きたいと思います。