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ヤン・リシエツキのピアノ・コンサート

2017-12-12 16:47:13 | 音楽
紀尾井ホールで12月11日に開催された、ヤン・リシエツキのピアノ・リサイタルを聴く。1階はほぼ埋まっていたが、2階はあまり入っていなかったので、全体としては8割程度の入りか。

ヤン・リシエツキは、ちょっと変わった名前なので、どこの出身かと思ったら、ポーランド系のカナダ人とのこと。1995年生まれだから22歳ぐらいで、大学を卒業する年代というか、会社だと新入社員みたいな感じだが、もうCDを数枚出している。

プログラムの構成は、「夜」をテーマにしたもので、ポーランド系らしく、ショパンのノクターンに始まり、シューマンの夜曲、ラヴェルの夜のガスパール、休憩を挟んで、ラフマニノフの小品集があり、最後はショパンのノクターンとスケルツォという、オーソドックスな構成。

何しろ若くて元気が良いのでよく指が動き、技巧を要する曲も速い速度でバリバリと弾きまくる。音楽性を感じるというよりも、その技巧に感心する方が先に立つ感じだ。ラヴェルの曲はこれまで聞いたことのない作品だったが、よく情感も出ていて感心した。ピアノ曲には詳しくないのだが、ペダルを多用している感じがして、ラヴェルの曲などを聴くと音が多く残りすぎてちょっとうるさいぐらいに聞こえる。こっれが普通なのだろうか。

若さあふれる様子を見ていると、フィギュア・スケートで4回転などをガンガン跳んでしまう若い世代みたいな感じがした。スケートの表現力は歳と共に増してくるが、ジャンプは若い時のように跳べなくなる。どちらが良いかは採点基準によって変わるが、ピアノ曲は競技ではないので、どちらが好きかという問題だ。

ワインだって、その時の気分で選ぶのだから、こうした音楽もいろいろと楽しめるのが良いなと思った。

会場から出ると寒い風が吹いてきたので、近くのワイン・バーで軽い食事。いわしの酢漬けや生ハムなどを食べながら、赤ワインを飲んだ。

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