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オペラ、バレエ、歌舞伎、文楽などの鑑賞日記です

ヴァローナ野外オペラで「リゴレット」を観る

2017-07-11 10:48:49 | オペラ
7月1日にミラノからヴェローナに移動して、ヴェローナのアレーナで野外オペラを観る。演目はヴェルディの「リゴレット」。開演は夜の9時。終わると12時を過ぎるので、夕方に軽く食事した。前菜に牛肉のカルパッチョと、この地方の名物のサラミを使ったパスタ、それとピノ・グリージを使った土地の白ワイン。

夜の9時から始まるのだが、日の長い季節なので、9時30分ごろまで明るい。そこからは本格的な照明が入る。土曜日とあって、恐らくは1万人ぐらいは入りそうなアレーナが満席状態。入り口は、席によってそれぞれ指定されているので、入場もそれほど混雑はしていなかった。

大きく区分すると席は3種類。アレーナの平土間的な席が一番高く、座席もクッション付きの席で、一応フォーマルなドレス・コードとなっているが、前の方は結構着飾っているものの、後ろの方はカジュアルの人も多い。座席は緩やかに傾斜を作った床の上に作られていて、千鳥の配置となっているので、案外見やすそう。この日は前の方に日本人団体客が10人ほど添乗員に案内されて来ていた。中には着物姿のご婦人も。

2番目の区分は階段状になった観客席の下半分で、オリジナルの石の階段の上に、金属製の椅子が据え付けられている。クッションはついていない。平土間席も、この金属製の椅子席も、指定席となっており、場所により価格は異なる。僕は、階段状になった下の方で前から四列目で、舞台のほぼ正面をとったが、傾斜が大きいので前の人が全く気にならずに見やすかった。

階段状の上半分は、昔使われていた階段状の石の座席そのままで、自由席となる。価格は安いが、クッションがないと尻が痛くなりそう。指定席は開演の1時間前から、自由席は開演の2時間前から開場となるので、良い席をとるためにはかなり早くから並ぶ覚悟が必要。

オーケストラは100人ぐらいのフル編成で、歌手たちも普通に歌うが、思いのほかよく聞こえてびっくりする。音楽が始まったときにはまだ会場がざわついているので、どうかなと思ったが、歌が始まるころには会場も静まり、音も良く聞こえるようになる。この間合いは歌舞伎の始まりとよく似たムードだと思った。舞台がとんでもなく大きいので、コーラスなどの人数はかなり多く、それ以外の登場人物もいたりして賑やかな舞台だ。

セットはかなり本格的なもので、二幕のリゴレットの家や、侯爵邸、三幕の河畔にある殺し屋の家などはうまく造ってあり、感心した。野外オペラで遠くから見るので、顔の表情こそ見えないが、演技は遠くからでもわかるように大きな身振りを伴い、誰が歌っているか分かるようにスポットライトや衣装で分かりやすく演出されていた。

リゴレット役にはアマルツブシン・エンクバットというモンゴル系のバリトン、ジルダ役にはエレーナ・モスクというルーマニア系のソプラノだったが、二人とも広い会場の隅々まで良く聞こえるような歌いっぷりで、なかなか良い。2幕の最後は二人の二重唱で「お泣き娘よ」の盛り上がる場面だが、会場は大いに盛り上がり、もう一回二人でこの二重唱を歌い大サービスした。

マントバ公爵はジャンルッカ・テラノヴァといういかにもイタリア系のテノールで、のびやかに歌っていた。アレーナの会場ではよく音は通るが、反響があるわけではなく、音は抜けてしまうが、やはりこれも聞きやすいと感じた。

イタリアでは夏の夜に野外オペラが各地で上演されるが、ヴェローナのオペラはさすがに有名なだけあって水準も高いようだ。

僕は金属製の席だったので、会場でクッションを借りた。1枚3ユーロで、終わったら返さずに座席に残しておいてといわれた。そのほか入場時に蝋燭が配られるので、オペラが始まるころになると、皆がそれに火をともす。これがだんだんと暗くなる中でなかなか美しい光景となる。二幕ぐらいからだんだんと冷えてきて、風が吹くと寒いくらいになった。そうすると、すかさず休憩時間に毛布を売りに来た。運営は確立している。

舞台両脇の最上層に大きな電光パネルが設置されていて、オペラが始まるまではコマーシャルが流れていたが、始まるとイタリア語と英語の字幕が表示されるようになっていた。イタリア語を聞きながら英語を読むと、両方とも頭に入らないので、結局はあまり見なかった。

宿に戻ると、1時近かったが、小腹がすいたので、昼に買っておいた簡単な総菜をつまみにして、よく冷えた白ワインを飲んで寝た。
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