劇場と映画、ときどき音楽と本

オペラ、バレエ、歌舞伎、文楽などの鑑賞日記です

「ハーロー」にがっかり

2017-03-20 21:03:22 | 映画
昔見逃していた映画を見る。「ハーロー」という1965年の作品。当時は映画を見始めてはいたが、タイミングが合わずに見逃していた作品。ジーン・ハーローという女優の伝記で、MGMのトーキー初期の女優。僕などはごひいきなのだが、最近はほとんど衛星放送でもやらないので、若い方はご存じないかも知れない。

プラチナ・ブロンドのきれいな髪を持ち、マリリン・モンローのずっと前の1930年代に、セックス・シンボルとして、映画界では有名だった。残念なことに26歳で亡くなったために作品は多くないが、彼女のスキャンダラスな物語を書いた小説を映画化したもの。映画でも出てくるが、清潔感がありながらも性的な魅力に富み、演技はうまいとは言えないがスポンタニティとでもいうのか、天然の魅力を持った女優だった。

極細の「柳眉」をかなり上まで持ち上げて描くのがトレード・マークで、19360年代前半にはこうしたメイクが流行した。彼女を演じるのはブロンド美人のキャロル・ベイカーだが、ベイカーは画面で見るとハーローとあまり似ていない。トレード・マークの柳眉は雰囲気を出そうとしているのだが、うまくいっていないし、ジーン・ハーローの独特のほんわかとした魅力が出ていない。

そこの魅力が出ていないので、がっかりだが、映画としても平板で、ゴードン・ダグラスの演出も全く面白くない。役者は、母親役にアンジェラ・ランズベリー、継父役にラフ・バローネ、エージェントにレッド・バトンズを配しているので、それなりに充実しているのだが、何としても陳腐な作品となった。

唯一の救いは豪華で美しい衣装の数々。これはイーディス・ヘッドだから安心できる。ジーン・ハーローは、最初はハワード・ヒューズに拾われたが、本当の大スターとなったのはMGMでのこと.MGMが「オズの魔法使」を作るときに、フォックス社からシャーリー・テムプルを借りるため、バーターでジーン・ハーローを貸し出そうとしたが、ハーローが亡くなってしまい、テムプルを借りる話は流れて、ジュディ・ガーランドが主演することとなったという話があるくらいだから、当時の大スターだったということがわかる。

当時の映画スタジオの雰囲気が良く出ていて面白いが、ハワード・ヒューズもMGMも実名では出てこない。どうしてだろうと思ってみていたら、パラマウント社の映画だった。どうせならばMGMに作ってほしかった。
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