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ロバート・ワイズ監督の「オードリー・ローズ」

2017-10-11 10:12:47 | 映画
ロバート・ワイズ監督といえば、「サウンド・オブ・ミュージック」や「ウエスト・サイド物語」などのミュージカルでも有名だが、それ以外も結構何でも撮っていて、恐怖映画なども得意だった。この作品は1977年の作品なので、もう晩年の作品だが、一流というよりも、ちょっと三流っぽいムードがある面白い作品だ。

物語は輪廻転生というか、リーインカーネーションを扱っている。交通事故で事故死した少女オードリー・ローズが、地上に思いを残していたため無事に昇天できず、ほかの女の子として生まれ変わったために、毎年、その事故の当日近くになると、何ものかに取りつかれたようになってしまう。

なんとかその少女を救おうとするのが、オードリー・ローズの父親で、霊媒師の指摘で生まれ変わりの少女をつきとめて、守らしてくれとその両親に話をするが、両親からはストーカー扱いされてしまう。

結局、オードリー・ローズの父親の言い分が正しいかどうかが裁判で争われて、催眠術を使った少女の潜在意識の調査が医師によって行われるが、その施術によって少女はなくなってしまう。

何とも不思議な映画だが、観ると結構面白い。アメリカでは1960年代から、こうした輪廻転生や精神世界で生きることへの関心が高まり、それを題材にした映画が作られたり、本も多く出た。女優のシャーリー・マクレーンも、こうした精神世界に関する本を何冊か書いている。

映画で一番ヒットしたのは恐らく「エクソシスト」で、悪魔祓いで少女に取りついた悪霊を追い払うという映画だった。この「エクソシスト」が1973年の映画で、続編も作られたくらいだから、この「オードリー・ローズ」もそうしたブームを狙った作品だろう。

「エクソシスト」はオカルト、ホラー路線だが、明るい調子で輪廻転生を描いたのは、バーブラ・ストライザンドが主演した「晴れた日に永遠が見える」で、1971年の作品。この映画の原作はブロードウェイのミュージカルで1965年の作品。

オカルト路線では1968年の「ローズマリーの赤ちゃん」で、1967年に出た小説の映画化。ミア・ファーローが印象に残る作品だった。