バリボーママのひとりごと♫

福岡発東京経由シカゴ行!ご主人様よっちゃんの仕事の関係でシカゴへ。約7年の駐妻生活を経て帰国、今に至ります☆

トンネル week2 戦い

2017年02月13日 | シカゴ中学校

週が明けて月曜日、行きたくないといい始めてから2週間目。

親友Rの力を借り、毎朝スカイプの約束をして
朝は何とか起きて、着替え、朝ごはんは食べるも、
学校に行く時間が近づくと
ソファに寝転び、トイレに隠れ、部屋にこもり始める王子。

体全体で拒否してるのがわかる。

まずは落ち着いて話すこと、と思い
せかさず、話を聞き、アタシの思ってることを伝え、
遅刻しながらも学校までは向かう。

学校に着くと、
それまでは車の中ではちょこっとでもアタシと話をしていた王子がまったく声を発さなくなる。


センセに何を聞かれても、
固まったまま、眼はうつろ、涙がぽろぽろ…


ミーティングで
どこを改善すれば王子が学校にまた通うようになれるか、という
前向きな話し合いをしてもらったにもかかわらず、
王子もがんばる意思を見せるにもかかわらず、
心と体がついて行っていない様子。

学校側もちょっとお手上げ、となりかけているのがわかる。


このままでは心が壊れてしまうのではないかと思うほど、
学校での王子は元気なく、人形のように動かず下を向いたまま。


だけど、
ほんとの戦いはこれからだった。


朝、部屋に閉じこもり、ドアの前に座り込み、
全力で学校に行くのを拒否し始めた。

無理やり連れて行くことはしたくないアタシと
(もう体も大きくて、力では及ばないのもあるけど)
このまま家に置いておくことが必ずしも彼を守ることではないと思うアタシは
日々心の中で戦っていた。


時によっちゃんが抱えて車に乗せたり、
アタシと肩を組み、ほぼ無理やりに学校内まで連れて行ったり。


家にいても、学校に行っても、

主だった解決策も見つけられないまま、
どうしたらいいのか、どこから取り掛かればいいのかもわからないまま、
毎日、拒否と説得、時に叱咤、の繰り返し。


不思議だったのは、
下校時間に迎えに行くと、王子は案外普通に戻っていること。
笑顔で手を振りながら車にいるアタシのところへ帰ってくることもあった。

もう一つ不思議だったのは、
週に3回の野球の練習、アメリカ人テューターとのレッスン、下校後から夜までの時間、
そこは全く持って普通の生活をしていたこと。


ある朝は靴までは履く、ある朝はベッドから出ない。
ある朝は笑って話す、ある朝は抜け殻のように動かない。

「明日の朝は元気な王子を見れますように」と祈りながら
毎日違う対応に翻弄され、途方に暮れていた。


きっと本人も
行きたい(理想)と行けない(現実)の板挟みだったのかもしれない。
だって、ほんとに絶対行きたくないなら、
部屋のカギをかければ済むことだったのだから。

カギは外からは絶対に開かないタイプ。
彼はそれを知ってた。
でも彼はカギはかけなかった。
きっとそこが境界線だったのだと思う。

そこでアタシも気付いた。
本人もどうしたらいいか、とても困っているのだな、と。
どうにかしてあげたい、という母心がメラメラし、
学校の対応ももう少し変えてもらえたら…と思い始めた。




もう一つの戦いが、アタシと学校の戦い。


一番最初に行った王子の担任、ELのセンセとのミーティングそれ自体は
王子の要望・思っていることを聞き、再確認
それを同席してくれたテューターのKセンセが誤解のないように訳し、伝え
ELのセンセ、Ms Bが各先生がたに発信する。

そういう形式的なプロセスで行われた。

まるで、壊れた機械をどうやって直すか、
壊れたものの状態を見て、問題点を浮き彫りにし、
ひとつひとつチェックしていくかのように。


そのビジネスライクで合理的な
通訳を挟んだミーティングが
ズドンと沈んだアタシには

伝える努力をしなくていいことがありがたくもあり、
人を介してしか言いたいことが伝えられず苦しくもあり。

「あ~ここは日本ではなかったんだ。」と
当たり前のことを再確認した。


一方話した王子は少しすっきりした様子。
彼がすっきりするなら、と
このミーティングの機会を持てたことに少しホッとした。




無理にでも連れてきて、という学校と
このままでは王子が壊れてしまうかもしれないと不安なアタシ。

お互いになかなか折り合い点が見つからず、
毎日のようにオフィスで話し合った。

言いたいことがなかなか伝えられず、
アタシも何度もオフィスで泣いた。
悔しかった、王子を守ってあげられない自分が。



最新の画像もっと見る

post a comment