ハリソン君の素晴らしいBLOG

素晴らしい日本人=波里尊(はりそん)君が、新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『セーラー服と機関銃』

2017-03-15 21:52:07 | 素晴らしい日本映画







1981年にオリジナル版が公開された、相米慎二 監督による日本映画。今回CSで観たのは翌年公開の『完璧版』。

角川映画の代表作の1本と位置づけされてますが、企画の発信は相米監督であり、製作母体は『翔んだカップル』で相米さんと組んだキティ・フィルム。角川春樹事務所は出資の半分と宣伝を担当しただけなんだとか。

だからこそ相米監督の作家性が存分に発揮され、日本映画史に残る傑作になり得たんでしょう。

とは言いつつ、当時高校生だった私には、正直この映画の良さが全然解りませんでした。

内容は皆さんご存知かと思いますが、弱小ヤクザ「目高組」の親分が事故で急死し、一人娘の女子高生=星 泉(薬師丸ひろ子)がやむなく新組長に就任、麻薬を巡る抗争の中で組員たちと絆を育んでいく物語です。

あまりに現実味の無いストーリーだし、そもそも私はヤクザという人種に全く感情移入出来ないもんだから、テレビ放映で初めて観た時も途中で寝ちゃった記憶があります。

今回あらためて観ても、ストーリーそのものは「退屈」という印象に変わりは無かったです。

けれど今なら、ヤクザ世界がオトナ社会のメタファーである事と、否応なくそれと直面させられた無垢な少女が、オトナへの一歩を踏み出す姿を描いた青春映画である事がよく解ります。

撮影当時17歳の薬師丸ひろ子さんの魅力が爆発しており、それだけで最後まで引っ張っちゃう吸引力の凄さも再認識させられました。

それを引き出したのは明らかに、キャストをとことん追い込む相米監督のスパルタ演出であり、独特な長回し演出に対応した仙元誠三さんの映像マジックでしょう。

ひろ子さんがアイドルから本物の演技者へと目覚めていく姿が、見事にヒロインの成長とリンクしてるワケで、その説得力こそが、この映画を傑作と呼ばせる最大の要因なんだろうと思います。

マンガ原作の甘ったるい恋愛映画ばかり量産されてる現在、1人のアイドルが女優として脱皮する姿をじっくり見せるような作品って、ほとんど無いように思います。

人材を育てる余裕の無い映像業界と、タレントを過剰に守り過ぎる芸能界。ほんと困ったもんです。
 
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2 コメント

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Unknown (marrella)
2017-03-16 21:18:00
『セーラー服と機関銃』、いいですねー。

薬師丸ひろ子さんは私の原点です。最初は『翔んだカップル』でした。「私、綺麗?」ってセリフにイカれちまいました。音楽の小林泉美さんも好きだった。

そして『セーラー服と機関銃』です。薬師丸ひろ子さんに夢中だった。例の「カ・イ・カ・ン」のフレーズ、角川のプロモーションも秀逸だった。薬師丸ひろ子さん自身が歌う主題歌も良かった。当時の私は、彼女がショートカットにしたのが不満でした。(笑)

そして、何と言っても相米慎二氏の素晴らしさ。
後年、『台風クラブ』と工藤夕貴さん、『東京上空いらっしゃいませ』と牧瀬里穂さん、といった具合に若い女優さん達を爆発させて見せてくれました。

若し、現在まで生きておられたらどんな映画を観せてくれるでしょうか?


>marrellaさん (ハリソン君)
2017-03-17 01:10:00
'80年代に青春を過ごした世代には、忘れられない女優さんの1人ですよね。特に『セーラー服と機関銃』の頃は本当に輝いてました。

『台風クラブ』『東京上空いらっしゃいませ』どちらも好きな作品です。やっぱり工藤夕貴さんも牧瀬里穂さんも輝いてました。

主演女優は皆さん例外なく、相米監督に対して強い愛情と憎しみを感じておられたみたいですねw 憎まれるレベルまで役者と向き合える監督をリスペクトしてやみません。

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