ハリソン君の素晴らしいBLOG

素晴らしい日本人=波里尊(はりそん)君が、新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『大激闘/マッドポリス'80』#01

2017-08-10 15:46:38 | 素晴らしい刑事ドラマ






☆第1話『マフィアからの挑戦』

(1980.4.8.OA/脚本=永原秀一/監督=関本郁夫)

1980年代、日本の暴力団は幾多の内部抗争と政治との黒い癒着の末、全国統一を成し遂げ、更に海外のマフィアと手を結び、日本全土を制覇する巨大な犯罪組織を形成した。ジャパンマフィアの誕生である。

警察庁はこの巨大組織の壊滅を目的とし、選りすぐりの精鋭部隊を編成し、ジャパンマフィアに戦いを挑んだ。この部隊の唯一の目的は、ジャパンマフィアの壊滅である。

恐れを知らぬ彼らの行動を、組織は「MP」すなわち「マッドポリス」、命知らずの警官と呼んで恐れおののいた!

↑ 毎回オープニングで語られるナレーションですが、これが本作の全てですw 描かれるのはマッドポリスvsジャパンマフィアの果てなき殺し合いのみ。謎解きはおろか捜査シーンも無く、ひたすら暴力!射殺!暴力!破壊!暴力!乳首!暴力!足の裏!の繰り返し。

マッドポリスは警察手帳も手錠も持ってません。必要無いからですw 逮捕などせず射殺するだけなもんで、銃さえあれば万事オッケー。

そして彼らには、銃よりも恐ろしい「顔」という究極の武器がありますから、警察手帳なんか無くても簡単に情報を聞き出せちゃう。

「おい、質問にだけ答えい。答えへんかったらワレ、殺すぞ」

いちおう肩書きは刑事だけど、台詞は普段やられてる凶悪犯の役とちっとも変わらないw

そんなマッドポリスのメンバーは、当時「狂犬俳優」と呼ばれた渡瀬恒彦(氷室キャップ)、「不良番長」こと梅宮辰夫(松村刑事)、「ピラニア軍団」の志賀 勝(芹沢刑事)と片桐竜次(新田刑事)、「ミスタースリムカンパニー」の中西良太(原田刑事)、4代目「クラリオンガール」の堀川まゆみ(緑川刑事)。

そしてジャパンマフィアの首領に島田正吾、幹部に仲谷 昇。第1話ゲストに土屋嘉男、中尾 彬、原 良子、辻 萬長と、とにかく怖い顔しか画面に映りませんw 意図的に悪役俳優だけを揃えたワケです。

放映枠の日本テレビ系列・火曜夜9時は当時、石原プロの『大都会』シリーズを筆頭に東宝の『大追跡』、セントラルアーツの『探偵物語』と続くアクションドラマの固定枠で、もう刑事アクションに関しては「やり尽くした」感があり、創り手たちはとにかく新しいこと、既成の枠から外れたことをやりたかった。

そこでメインライターの永原秀一さんが持ち出したのがドン・ペンドルトンのシリーズ小説『マフィアへの挑戦』で、第1話のサブタイトルにそれが反映されてます。

家族をマフィアに殺されたベトナム帰還兵が、たった1人で全米各地のマフィアを壊滅させて行くというハードな小説の世界観と、今回製作にあたった東映東京撮影所の不良性感度を融合させ、さらに当時大ヒットしたオーストラリア映画『マッドマックス』の「近未来」というモチーフを取り入れたスタイリッシュなハードアクションTV映画が『大激闘/マッドポリス'80』という企画。

ところが、この第1話の仕上がりを観たら、マッドポリスがその辺のドブ川とか採石場とか廃車処理場でドンパチやってたり、ジャパンマフィアが商工会議所みたいな部屋で集会やってたりして、あまりに泥臭くて近未来感ゼロなもんでw、永原さんは激怒されたそうです。

要するに監督の関本郁夫さんにそういったセンスが無く、企画の意図する世界観がほとんど表現出来てなかった。まぁ、ちゃんと表現出来てても結果は同じだったかも知れないけどw、とにかく視聴者は戸惑い、現場のスタッフ&キャストたちも混乱しちゃったそうです。

私は当時観てなくて、ちゃんと観たのは近年になってからだけど、確かにこれじゃ単に『西部警察』のバッタもんにしか見えず、創り手の目指す「新しさ」には程遠いと感じました。

で、視聴率も低迷し、このままじゃマズイってことで、長谷部安春さんや村川 透さんら東映外部の監督さん達が参入し、軌道修正が図られていく事になります。

それで徐々に面白くなり、熱烈なファンもつくようになるんだけど、その反面、ひたすら暴力しか描かれない内容に対する批判やクレームも増えて行ったそうです。

それでも創り手たちは「この番組には銃撃戦と人殺ししかテーマが無いって? その通りだ!」「単なる暴力番組? 何が悪い!?」ってw、意に介さず我が道を突き進んだ。そこが素晴らしいですよね。現場のスタッフ&キャストはみんな燃えてたそうです。

ところが! 2クールの折り返し地点を過ぎた第16話で、唐突にナレーターが「ジャパンマフィアは壊滅した」と宣言、翌週からタイトルが『特命刑事』に変更され、桜木健一&山岡 健という顔がちっとも怖くないレギュラーキャストが加わっちゃう。

つまりソフト路線への変更&テコ入れが敢行されたワケだけど、その回の台本が届くまでプロデューサーすらそれを知らされてなかったというw

つまりテレビ局の上層部やスポンサー達=会議室の連中が、現場の意向をいっさい無視して路線変更を強行したワケで、それはそれでメチャクチャ面白い話ですよねw

その件も含めて、これから『大激闘』『特命刑事』という番組、その魅力と変遷の歴史を、あらためて見直してみたいと思ってます。
 

 
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2 コメント

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Unknown (キアヌ)
2017-08-10 19:54:58
マツドポリスはテーマ曲がカッコ良すぎですよね!たまにテンションを上げる時に聴きます!

企画段階のお話は知らなかったので興味深いですね!

ただ企画会議で思いを熱弁して、納品された映像があれだとびっくりしますよね笑

私はこの作品はハリソンさんのブログではじめて知って情報を集めましたが、民放で放映されていたことが信じられないくらいすべてにおいてぶっ飛んでますよね。

特命刑事とのつながりも知りませんでした!

ブログの続きが楽しみです!
>キアヌさん (ハリソン君)
2017-08-10 23:34:08
マッドポリスのテーマは大野雄二さんのベストワークじゃないかと思うくらい格好良いですよね。番組の泥臭さに合ってない位にw

レビューと呼べる程の記事は書けないと思いますが、いま一度この作品と向き合ってみるつもりでいます。現在では絶対に創られないドラマですもんね!

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