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the days turn into months and years

矢島慎也

2016-02-25 | football

リオ五輪の出場を決めたU-23日本代表。TVの前で応援していた人も多いのではないかと思う。谷間世代と言われてきたけど、いやいやどうして、強くなったなあと思う。久保や南野といった海外のクラブでプレーする選手もいるし、今シーズン浦和が獲得したキャプテンの遠藤などは、A代表でも十分通用する力を持っている。そんな中、個人的に注目していたのは、背番号21の矢島慎也である。浦和からのレンタル移籍で、現在J2のファジアーノ岡山に所属している。

この世代では代表の常連であるが、常にスタメンに名を連ねるというわけではない。最終予選でもターンオーバーでの先発が多かった。あとはゲームの流れによって、途中出場するという役割だ。圧倒的な存在感があるわけではない。派手なプレーとも無縁だけど、地味に上手い。サイドもボランチも器用にこなし、プレスキッカーも務める。特にボールがないところでの働きが絶妙で、スペースへの入り方は本当に唸ってしまう。大事なところで必ずアシストやゴールを決める。いわゆる通好みの選手だと思う。

浦和でレギュラーを獲れず、岡山へ放出された矢島が五輪代表に選ばれて、浦和でレギュラーを獲った関根は五輪代表に選ばれなかった。このあたり、監督の好みというか、チーム作りの妙を垣間見ることができて面白い。確かに、今の浦和に彼のポジションを探すのは難しい。ミシャ監督はそういうチームを作ったということだ。一方の岡山は、今シーズンもレンタル延長を申し入れて、彼に背番号10を託した。期待は大きい。こういう時の選手の気持ちというのは、どんな感じなんだろう?本当に必要とされているのは、浦和ではなく岡山なのではないか?そんな風に考えるかも知れない。そして、本当に必要とされているクラブでプレーするのがプロの選手ではないか?と。

浦和か?岡山か?そう遠くはない日、決断の時はやって来る。地元さいたま市出身で、浦和ユースから昇格した生え抜きの選手である。サポーターとしては、やはりこういう選手に浦和で活躍してほしい。しかし、その決断を下すことができるのは矢島本人しかいない。それは、彼の努力と才能に与えられた特権なのだ。どんな決断をしようとも、それは尊重されるべきだし、自分はやはり彼を応援するだろうなあと思う。まずは今シーズン、岡山での活躍に期待したい。もちろん、リオ五輪での活躍にも。そして、いつかまた赤いユニフォームで戦う姿を見たい。

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