中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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ペルー周遊記(40):第11日目(4):チャビンデワンタル遺跡(2)

2008年09月19日 07時56分21秒 | ペルー:ブランカ山脈ピスコ山登頂

                 <チャビンデワンタルの古神殿>

    ペルー周遊記(40):第11日目(4):チャビンデワンタル遺跡(2)
         2008年7月11日(土)(つづき)


               <チャビンデワンタル遺跡の鳥瞰写真>
           (出所) Burger,R.,L.,発行年不詳,p.172から引用

<素晴らしい石造建造物>

■研究員のカルメラさんの案内

 私達は素晴らしい研究員,カルメラさんの案内で,チャビンデワンタル遺跡を見学している.カルメラさんの説明を聞きながら,古神殿の大きな石壁に沿って進む.この石壁は97度の傾斜になるように積み上げられているというから,角度はほぼ垂直に近い.

                <研究員カルメラさんのサイン>

■ファルコニダスの門
 やがて,大きな円筒形の柱石が二つ並ぶ門の前に到着する.ファルコニダスの門というらしい(ミゲル,2005,p.88).ファルコニダスはハヤブサ科の鳥である.左側の柱石は女性,右側の柱石は男性を表している.これらの柱石は何れも花崗岩だが,両袖の壁は凝灰岩(Limestone)だという.
 石柱には細かな文様が刻まれている.この文様を見ると,それらが男性か,女性か分かるそうである.デジカメで,文様の写真を撮るが,ハッキリとは写っていない.また,時間がないので,スケッチする間もないのが残念である.

                     <ファルコニダスの門>
       ※下部にネコ科の動物が掘られている(?)というが,余りよく分からない.

■14個の孔の音色
 ついで,広場の片隅に掘られている14個の孔を見学する.縦横20~30センチメートルほどの孔が,14個彫ってある.これらの孔の下には水を流す3層の暗渠が作られている.これらの暗渠を流れる水の水量によって,異なる音色が,これらの孔から響いてきたという.
 カルメラさんの話によると,この暗渠は,現在,土砂で埋まっているが,近々,土砂を取り除いて,実際に水を流して,音色を確かめることになっている.是非,この音色を聞いてみたいものである.
 
                              <14の孔:水の音を愛でる>

<神殿の内部>

■神殿の構造
 石垣を回り込むように進むと,古神殿の内部への出入り口がある.先導役のカルメラさんの後について,神殿内部の狭い廊下を進む.曲がりくねった廊下の両側には,小さな部屋が沢山ある.巡礼者の祈りの場や,巫女の控え室など,さまざまな用途の空間が用意されていたらしい.
 四方八方が石造りの壁に囲まれているので,気分的に息苦しさを感じる.

                   <神殿の内部構造>
            (出所) Burger,R.,L.,発行年不詳,p.178から引用


                    <内部構造の説明文>

■神殿の内部
 次いで,新神殿の内部に入る.急な階段の狭い通路を通って中に入る.古神殿に比較すると,一段と素晴らしい通路が広がっている.通気用の横穴が何本も通っている.
 天井の部分に,飾りの石柱が出ている素晴らしい通路が続く.

           <古神殿の内部>                <古神殿の中から外へ出る>

 
          <ランソン碑>             <新神殿の内部:立派な回廊が続く>
   ※この碑にはデザイン化された人間と
    動物のモチーフが彫刻されている.

     
                     <立派な回廊>

<装飾の顔>

■テーヨのオベリスク

 神殿の外に出る.
 城壁を回り込んで,エクスタシーの表情を浮かべる彫刻の顔(sculpture head)が残っている壁の下に到着する.この顔のことをテーヨのオベリスクという.壁を見上げると,地面から3~4メートルほどの高さの所に,顔の彫刻が飛び出るように付いている.このオベリスクが,唯一,元々の位置に置かれたままになっている貴重なものだという.テーヨのオベリスクは頭の形をした石釘でのことである.
 顔の下で,暫くの間,立ち止まって,カルメラさんの説明を伺う.
 
         <エクスタシーを表すオベリスク>            <壁の上の突起が顔>

■様々な姿のオベリスク
 バーガー(Burager, 発行年不詳, p.158)によると,彫刻の顔には,実に様々な種類があるようである.この文献から,顔の写真を引用する.
  
                    <様々な彫刻の顔>
            (出所)Burger,R.,L.,発行年不詳,p.159より引用

<素晴らしい彫刻>

 時間がなくて,十分見学できなかったが,実に沢山の彫刻が残されている.これらの彫刻は高度に抽象化されていて,それぞれの模様が深い意味を持っているようである.一介の旅人である私の理解を越えるものである.
 とはいえ,意味が分からないにしても,素晴らしい模様には心が惹かれる.バーガー(前出,p.149,151,152)の著書から,目を惹く模様の幾つかを引用する.ただし,私には,到底,説明はできない.ただ,美しいな,凄いなと思うだけである.



 
                          (つづく)
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このシリーズの最初の記事
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参考文献
BUrger,R.,L.,発行年不詳,"Chavin and the Origins of Andean Civilization,"発行所不詳
ホセミゲル(著);川又(訳),2005,『ペルー発見』イポカンポ出版



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