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国連特別報告者を恫喝する安倍政権、「説明が反映されていない」- 放送免許認可への批判には沈黙

2016-05-09 | いとすぎから見るこの社会-全般
国連のデビッド・ケイ特別報告者の来日と記者会見、
「国境なき記者団」の発表した「報道の自由度ランキング」を巡る騒動が実に興味深い。

安倍政権が独善的でメディアを統制しようとする意向が極めて強いことが、
安倍政権や与党自身の言動によって完璧に証明されたからだ。

岸田外相は国連の特別報告者に対して
「丁寧に説明したが十分に反映されておらず遺憾だ」」
「報告書が客観的かつ事実に基づくものになるよう申し入れたい」と
実質的な恫喝に等しい言辞を吐いている。

これは、「丁寧に説明してやったのだから相手はそれを反映させるのが当然」
「相手は主観的で事実を無視しているのでこちらの言う通りに修正させるべき」

という慇懃無礼そのものの態度である。

外相は自分が何を喋っているか分かっていないか、
余りにも意識が歪んでいて自分が正しく相手が間違っていると思い込んでいるかのいずれかだ。

しかも、政府や官庁の裁量に左右される許認可や放送行政ではなく、
独立行政機関が監督すべき」であるとの批判に対しては
何一つ反論できないという恥さらしな体たらくである。

国連の特別報告者が全て正しいことなどあり得ないが、
国際社会において見解が異なるのは当然である。

特別報告者が誤っていると言うのなら、具体的に論点を明確にして
見解の違いや事実認識のずれを明らかにすべきである。

どちらが正しいかを判断するのは安倍政権でも外相でもない。
有権者に雇われた政治家が思い上がって高慢な発言をすればする程、
日本の政治家がいかに独善的で他人を思い通りに操ろうとしているかがバレてしまう。

▽ 自民党の「報道統制」体質は、結党時から変わらない党のDNA

『安倍官邸とテレビ』(砂川浩慶,集英社)


当ウェブログの警告の正しさは、国連特別報告者や「報道の自由度ランキング」も裏付けている。

「御用新聞や御用テレビが事実上買収されているというのは、
 様々な状況証拠から考えて恐らく正しいだろう。
 報道内容を見ていればすぐ分かる」

「官邸と自民の「接待攻勢」は当初、最初は政策をPRして貰う意図だったと推測するが、
 カネで相手を支配してゆく中で段々勘違いしてきて、毒が自分に回ってくる」

「アベノミクスの「次元の低さ」が発覚した安倍政権は
 しくじりがバレて今度の選挙に勝つ自信に乏しいらしく、
 マスメディアに姑息な圧力をかけてきた」

「追い込まれて「今でないと不利になる」党利党略解散で
 しかもメディアへの圧力で少しでも有利になろうという政党に対し、
 選挙で鉄槌を下すのが良識ある有権者というものである」

「しかし、直近の世論調査によれば、安倍政権に不満があり
 アベノミクスによる恩恵を受けられていない者が圧倒的多数であるにも関わらず、
 安倍内閣に警告を与える意思のある有権者は過半数に達していない」

「そうした数値を見て、「ああ、日本国民は変わっていない」と実感する。
 ただの雰囲気に流されて大挙して民主党に投票し、
 民主党アマチュア内閣を生み出したのがこうした大衆である」

「彼らは安倍内閣と自民党に有権者が侮られており、
 今回の衆院選で過半数の議席が得られたら
 アベノミクスで既に失敗している落第生に
 あと数年のフリーハンドを渡すことが分かっていないのだ」

「「自民党は没落への長い下り坂を転がり落ち始めた」との見方を維持する。
 衆院選に勝っても負けても同じである。
 有権者の鉄槌を受けて敗北した方がまだましかもしれない」

「放送法に違反しているのは、安倍政権である。
 何しろ、「自分が出るのは問題なく、批判されるのは不公平だ」と考えているのだから」

「自民党が「公平」を語れると認識していること自体が根本的な誤りだ。
 支持率が落ちたら、メディアのせいだと考えるような連中だから、
 メディアに圧力をかけて選挙を有利にしようと考えるのも不思議でない」

「日本の凡庸な保守が権力を握るとまずメディアを「支配」しようとする。
 国益を騙って大きく国策を誤りながら、真の敵に向かうのではなく
 言説における国内の「敵」を必死に攻撃するのである。
 (日本の「真の敵」とは、そうした連中自身だったことは史実が証明している)」

「『少年H』の時代と同じく、転換点は必ずやってくる。
 安倍政権に尻尾を振っていたメディアはいきなり掌を返し、
 安倍政権の失政に全ての原因があるような殲滅的な報道を行うだろう。
 (実際、その通りなのではあるから仕方がないのだが)」

「先見性のない有権者が自民党ごときに大量票をくれてやったのが
 そもそもの元凶である。およそ80年前に酷似している忌まわしい現象だ。
 (日本を泥沼に突き落とした満州事変の際に、歓呼の声をあげて関東軍を支持したのは当時の国民だった)」

「ここ暫く、自民党政権からメディアへの不満が余り漏れてこないのは、
 大手メディアの「調教」にかなり成功して思い通りの報道をさせているからである」

「安倍政権が成立してから、大手メディアの報道は
 週刊誌やネットメディアへの大敗が続いている」

「所詮は彼らはサラリーマンである。
 菅官房長官がメディアに強く圧力をかけているのは明白なのに、
 保身のため誰も口を開こうとしない。みっともない限りだ」

転換点は近い。官邸に圧力をかけられ接待攻勢に負けて
惨めな思いをしているメディアは逆襲して政権を叩きのめす時が来る。
それまで剣を磨いて準備しておくことだ。

▽ 国内メディア攻撃に熱心だった連中こそ、日本を亡国に追い込んだというのが史実

『太平洋戦争と新聞』(前坂俊之,講談社)


御用メディアの醜悪な生態は今回も相変わらずだった。
一部の御用メディアは国連特別報告者の個人攻撃まで始めて
肝心の許認可権の問題には一言も触れられない始末である。

「メディアにイデオロギーがあるのは自然なことであるが、
 イデオロギーに隷属し薄汚い政治的理由によって情報操作を行い、
 権力に媚びて愚民大衆を騙そうとする「御用メディア」は断じて許してはならない」

「安倍政権が成立して以来、そうした「御用メディア」の媚態は目に余るものがある。
 政権の鼻息を窺い、官邸のカネで飯を食っている連中である。
 本質的には中南海の広報機関である人民日報と何ら変わりない」

「いかに官房長官が陰湿な圧力をかけてきても、
 いかに自民党のはね返り議員が恫喝を行っても、
 報道すべきことは報道すべきである」

「実質賃金を伸ばす北欧型の正しい雇用政策すら理解できず、
 優勝劣敗の企業淘汰も進めずに、円安による人件費切り下げで企業収益を水増しした
 安倍政権の次元の低さこそ経済停滞の元凶であるが、正しく批判するメディアが殆どない」

「また、直近では民進党の山尾議員のガソリン代問題について、
 安倍首相のガソリン代が倍以上で「地球13周分」もあるのに
 こうした事実を報じず、政権の鼻息を窺っているメディアは「人民日報」と同類だ」

「自民党政権があらゆる政党の中で最もメディアコントロールに熱心で、
 体質的に言えば独善的な中南海と最も似ている政党なのである」

「自民党に票をやり過ぎると、メディア統制による愚民政治が行われるようになる」

舛添都知事は既に醜聞で被弾炎上している。
安倍政権もアベノミクスの失敗が明白になっている以上、滅亡の時が近い。
一日でも早く滅んだ方が国益のためである。

 ↓ 参考

御用メディアは安倍首相の「地球13周分のガソリン代」いつ報じるのか - 山尾民進党議員より遥かに悪質
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/9049093bb7806ca6a7f700177b2fb703

安倍内閣は明白な放送法違反、御用メディアを利用して一方的に露出 - 自民党に「公平」を語る資格なし
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/063d85401bc62aed2dd8e9bc4c214425

また始まった自民党の実質的なメディア「買収」- 国民の税金を使いテレビ・新聞関係者を豪華接待
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/c6ea38e668d685302ed8d3694b022c75

「日本人は勉強しろ」「(支持率低下は)報道のせい」- 尊大・独善・民意無視の「自民病」は永遠に不滅
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/961a4da25984afbecb414bc15d340599

▽ 保守政権の長期化は、独善・愚民化・利己主義といった弊害をもたらす

『なぜ、アメリカ経済は崩壊に向かうのか―信用バブルという怪物』(チャールズ・モリス,日本経済新聞出版社)


国連報告者:「報道の自由に脅威」…放送法改正勧告へ(毎日新聞)
http://mainichi.jp/articles/20160420/k00/00m/040/088000c.html
”国連人権理事会が任命した特別報告者(表現の自由担当)のデビッド・ケイ米カリフォルニア大アーバイン校教授が19日、訪日調査を終え「日本の報道機関の独立性が深刻な脅威にさらされていることを憂慮する」として、放送法や特定秘密保護法の改正を求める声明を発表した。
 表現の自由を担当する特別報告者の訪日調査は初めて。日本政府への正式な勧告を来年発表する予定という。
〔中略〕
 放送事業者に「政治的公平」を求めた放送法4条の規定を根拠に、高市早苗総務相が放送局の電波停止に繰り返し言及した問題について「大いに懸念を抱いている。4条を廃止すべきだ」と述べた。
 日本は政府が放送免許を認可し、放送行政を監督していることに関し、政府ではなく独立行政機関が監督すべきだとの考えを示した。
 特定秘密保護法を巡っては、特定秘密の定義があいまいで範囲が広がること、報道機関が萎縮する恐れがあることを挙げ「法を根本的に変えるべきだ」と語った。ヘイトスピーチ対策にも触れ、まずは雇用や住居に関する人種差別を禁止する法制定を急ぐべきで、ヘイトスピーチの定義があいまいなまま規制すれば表現の自由に悪影響を及ぼす可能性があると指摘した。【青島顕】”

こちらが話題になった国連特別報告者の声明。
日本の大手メディアが首根っこを総務省に掴まれていること、
安倍政権がメディアに陰湿な圧力をかけているのは明白である。
香港で邪魔な論者を失踪させ圧力をかけている中国共産党と本質的に変わらない。


岸田外相:「遺憾」…国連の特別報告 報道規制への懸念(毎日新聞)
http://mainichi.jp/articles/20160421/k00/00m/010/105000c.html
”岸田文雄外相は20日の衆院外務委員会で、国連人権理事会が任命した特別報告者が、メディア規制への懸念から日本の放送法や特定秘密保護法の改正を求める声明を発表したことに対し「丁寧に説明したが(声明に)十分に反映されておらず遺憾だ」と不満を示した
〔中略〕
 国連のデビッド・ケイ特別報告者(表現の自由担当)は日本での表現の自由を調べるため今月来日し、12日から外務省や法務省などの関係省庁幹部らと面会。19日の記者会見で「日本の報道機関の独立性が深刻な脅威にさらされている」と懸念を表明した。
 正式な報告書は来年に提出されるため、岸田氏は「報告書が客観的かつ事実に基づくものになるよう申し入れたい」と述べた。また、川村泰久外務報道官は20日の記者会見で「報道機関や報道関係者に日本政府が圧力をかけた事実は一切ない」と反論した。【小田中大】”

外相は、この一連の発言が国際社会にどのように伝わるか理解していない。
言わば国連や国際社会という大勢の観客が取り巻いている衆人環視のもとで
特別報告者を使い走り同然に扱う傲慢さは日本政府にとって不利に働く。

特別報告者のミスや重要な事実の欠落を列挙して信用度を下げ、
日本政府の主張への信頼性を上げるという高等戦術もあったのに、
その程度の発想もないのだからまるで話にならない。


自民、海外メディアに反論 党公式ネット番組(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASJ485GQSJ48UTFK00P.html
”自民党総裁ネット戦略アドバイザーの山本一太・元科学技術担当相が党の公式ネット番組で、日本に関する報道をした海外メディアの記者にツイッターなどのソーシャルメディアで反論するコーナーを始めた。
〔中略〕
 山本氏は自らが司会を務める「山本一太の直滑降ストリーム@カフェスタ」内で、2月17日から「必殺直解人(ちょっかいにん)」として番組中の反論を始めた。海外メディアの筆者のツイッターやフェイスブックに、山本氏の個人のアカウントで反論を書き込んだ、と報告することも多い。
 これまで米国の新聞や経済誌などの記事18本に反論。例えば、2月10日付のウォールストリート・ジャーナル電子版の「アベノミクスは袋小路」と題した記事を書いた記者には「この記事には賛同しかねる。評価を下すには時期尚早」とのメッセージを送った。”

そして自民党も、「日本の報道機関の独立性が深刻な脅威にさらされている」ことを
自ら証明するような愚行を重ねている始末である。

「必殺直解人」という与党政治家として致命的なネーミングもひどいが、
(これでは、自分が正義の味方だと勘違いしている攻撃的な人間だと思われる)
結局は自己弁護や不都合な報道への攻撃としか見えない実態が情けない限りだ。
こうしたことを行えば行うほど日本の恥になり、自民党の「体質」への嫌悪が強まるだけだ。


報道の自由度、日本は72位 国際NGO「問題がある」(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASJ4N0SHDJ4MUHBI02M.html
”国際NGO「国境なき記者団」(本部・パリ)は20日、2016年の「報道の自由度ランキング」を発表した。日本は、対象の180カ国・地域のうち、前年より順位が11下がって72位だった。特定秘密保護法の施行から1年余りを経て、「多くのメディアが自主規制し、独立性を欠いている」と指摘した。世界的にも報道の自由は損なわれつつあるという。
 日本は10年には11位だったが、年々順位を下げ、14年59位、15年は61位だった。「国境なき記者団」はかねて、取材の方法しだいで記者も処罰されかねない特定秘密法に疑問を呈してきた。14年12月に同法が施行された後、メディアが自主規制に動くのは、「とりわけ(安倍晋三)首相に対してだ」とした。
 「良い状況」「どちらかと言えば良い」「問題がある」「厳しい」「とても深刻」の5段階では、日本は「問題がある」に位置づけられた。
 ランキングは、インターネットへのアクセスなども含めた「インフラ」や「メディア環境と自主規制」といった独自の指数に基づいてつくる。世界全体で、テロの脅威とナショナリズムの台頭、政治の強権化、政治的な影響力もあるような富豪らによるメディアの買収などを背景に、「報道の自由と独立性に対する影響が強まっている」という。
 国・地域別の自由度では、最上位にフィンランドなどの北欧諸国が目立ち、北朝鮮、シリア、中国などが最下位グループに並ぶ傾向に変わりはなかった。(パリ=青田秀樹)

■報道の自由度ランキング(カッコ内は前年順位)
1 フィンランド(1)
2 オランダ(4)
3 ノルウェー(2)
4 デンマーク(3)
5 ニュージーランド(6)
16 ドイツ(12)
18 カナダ(8)
38 英国(34)
41 米国(49)
45 フランス(38)
72 日本(61)
77 イタリア(73)
148 ロシア(152)
176 中国(176)
〔中略〕
179 北朝鮮(179)
180 エリトリア(180)”

このNGOの考える「報道の自由」の内容が正しいかどうかはさておき、
安倍政権になってから刻々と順位が下がっていることが重要だ。

腐敗と醜聞が多いことで知られるイタリアと同水準なのから、
本来なら日本のメディアは要因を探り、その当否を具体的に論じるべきである。
不当な順位と考えるなら個別に反論しなければならない。
どちらも行わないメディアはまさに「役立たず」である。
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