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看護職員を苦境に陥れる原因 - 短時間勤務は実施されず、潜在看護師50万も活用されず

2010-05-12 | いとすぎから見るこの社会-雇用と労働
最近不思議で仕方ないのは、
慢性的な医療現場の多忙が報道されているのに
メディアは押し並べて何一つ解決策を示さず、
医療関係者や組合は苦境を訴えるだけ、
(若しくは政策批判)という構図です。

医療予算を増額するのが難しいのは歳出を見れば明らかであり、
四次元ポケットのような無い物ねだりは無意味だ。

簡単に予算を増やせないのであれば、
労働環境の改善はワークシェアリングしかない。
短時間勤務にインセンティブを付けるのが当然ではないのか。

また、どうしても予算を増やしたければ
政治的抵抗の強い間接税は避けた方が賢明だ。

金融資産数百兆円を保有する日本の富裕高齢層の医療費を
現役並み負担とすれば造作もなく予算が出てくるし、
社会正義にもかなう。

日本経済の問題のひとつは過剰貯蓄なのだから、
過剰貯蓄を雇用改善の原資ともできて一石二鳥であろう。


看護職員:過酷な労働環境 薬の常用6割、切迫流産3割--医労連調査(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/science/news/20100427ddm041040139000c.html

”病院や診療所などで働く看護職員の約7割が慢性疲労を訴え、鎮痛剤や睡眠剤など何
 らかの薬を常用している割合は約6割に上り、妊娠者のうち3人に1人は流産の前兆
 である切迫流産を経験していたことが日本医療労働組合連合会(医労連)の調査で分
 かった。医労連は「慢性的な人手不足による過重労働が原因とみられる。不当なサー
 ビス残業も横行しており、法令順守を関係機関に徹底させたい」としている。
 09年11月~10年1月に看護師、准看護師、保健師、助産師の4職種を対象にア
 ンケートを実施、約2万7000人から回答を得た。「疲れが翌日に残る」など慢性
 疲労の症状を訴える人は73.5%に達し、20年前の調査から7ポイント増加した。
 疲れやストレスなどから薬を常用する割合は、多い順に鎮痛剤(29%)、ビタミン
 剤(19%)、胃腸薬(17.6%)など。睡眠剤(6.9%)や安定剤(4.3%)
 の常用者もいた。「常用してない」は40.5%にとどまった。また、06年4月以
 降に妊娠した約3500人のうち34.3%が切迫流産を経験しており、20年前よ
 り10ポイント増。07年に全国労働組合総連合が一般事務職員を対象に行った調査
 時の17.1%を大きく上回った。逆に「順調」との回答は8ポイント減って22.4
 %だった。【佐々木洋】”

 → ずうっと指摘されてきたことですが、
   全く改善されていません。


短時間正職員制度、看護職の認知度4割弱(Careerbrain)
http://www.excite.co.jp/News/society/20100316/Cabrain_26796.html

”職員数101人以上の医療機関などの事業主に対し、子育て中の短時間勤務制度の導入
 を義務付ける改正育児・介護休業法の6月の施行に向け、各病院の労働環境の整備が
 進む中、看護職員の「短時間正職員制度」への認知度が全体の38.7%にすぎないこと
 が、日本看護協会(日看協)が昨年秋に行った実態調査で明らかになった。このうち
 20-24歳は17.3%、25-29歳29.3%で、子育てや出産を控える若年層の認知度が
 低い現状が浮き彫りとなった
。日看協では、「今後、若年層が制度を活用して看護職
 として働き続けられる環境整備を目指して、制度の整備促進と周知に取り組んでいく」
 としている。
 調査は昨年10月、日看協会員の看護職員(保健師、助産師、看護師、准看護師など)
 のうち、層化無作為抽出した1万2311人を対象に実施。調査票を個人に郵送・配布し
 た結果、4815人から有効回答を得た。回答者の9割以上が女性で、年齢は20-30歳
 代が過半数を占めた。また、職業別では看護師が8割以上で、勤務場所の大半が病院
 だった。
 全体から離職中などを除いた4725人に対し、短時間正職員制度を知っているか聞い
 たところ、「知らなかった」が44.3%と最多で、「知っていた」は38.7%、その他
 は「無回答」だった。これを年齢別に見ると、「知らなかった」の割合が最も高かっ
 たのは20-24歳(69.7%)で、以下は25-29歳(58.3%)、30-34歳(47.2%)
 などの順となり、年齢層が低くなるほど割合が高くなった。
 一方、現職場での短時間正職員制度の現状については、制度が「導入されていない」
 が40.3%だったのに対し、「導入されている」と回答したのは15.4%
。その他は
 「分からない」「無回答」だった。”

こちらも問題です。
人件費総額を抑えつつ医療現場の労働環境を改善するには
短時間勤務シフトを増やす以外にない。

潜在看護師は50万人に達すると言われており、
なぜその活用を考えないのか理解できない。

まず数値で問題の概要を理解しないと始まらない。
早急に実態調査を行うべきだと考える。





『数字でみるニッポンの医療』(読売新聞医療情報部,講談社)

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