私家版 野遊び雑記帳

野遊びだけが愉しみで生きている男の野遊び雑記帳。ワンコ連れての野遊びや愛すべき道具たちのことをほそぼそと綴っていこう。

テントの流行は変わっても変わらないのが

2016-07-31 08:50:01 | Weblog
■ キャンプの流行の裏側
 これまでもキャンプブームは繰り返しやってきては鎮まっていた。たとえば、いつだって8月15日の旧盆のころは人々がいっせいにキャンプ場へと押しかけてきた。かつて、キャンプはいま以上に海水浴とならんで夏休みのレジャーのひとつだった。

 キャンプのスタイルはそれぞれに時代を反映している。飯盒と毛布、重いテント などを背負い、電車や バスを乗り継いで行く苦行のようなキャンプの時代から、クルマを使った「カーキャンプ」と称する時代を経て、現在の「オートキャンプ」という名称もスタイルも日本独特のキャンプができあがった。

 いつの時代も、キャンプにかぎらず遊びの流行をリードしていくのは初心者たちである。それをうながすのがメーカーの商魂であり、それに乗せられたマスコミだ。
 キャンプをはじめると、まず、量販店などでテントをはじめ無難な値段とモデルの道具類をそろえる。だが、すぐに他人とは変わった、いわば個性的なスタイルに変えていこうとする。最近はそういう小道具にも事欠かないから、たちまちメーカーの商魂の餌食になる。

 雑誌などもファッションまで指南するからキャンプ場は同じような装いのお父さんたちやお母さんたちがあふれる。個性的なつもりが完全な没個性となり、それがアウトドアにうまくフィットしていればまだしも、キャンプをよく知らないメーカーやら編集者たちの指南だからお気の毒としか言いようがない。
 ファッションばかりか、個性的に演出したつもりの画一的なスタイルが横行する。サイトまわりを旗やLDの豆電球などで飾り立てるのもそのひとつだろう。そうした虚飾の非日常に家族揃って興奮し、夜中まで騒いで周囲に迷惑をかけている。いいじゃないか、アウトドアなんだから、とばかり……。


■ テント設計者の能力がわかる
 3年ばかり前に流行ったのがネイティブアメリカンのティーピーを模したデザインの三角型のテントだった。ドーム型が主流のキャンプ場では形が珍しいからたしかに目立つ。いかにも楽しげだから、子連れキャンプには最適だ。
 だが、大きさがないと頭が天井につかえるだろし、素材も厚手らしいから、収納でたたんでもかさばるのはしかたない。設営時のペグの数も多いようだから設営作業も簡単とはいかないに違いない。でも、たしかにみるからに楽しげだ。
 
 そんな厄介だが楽しげなティーピー型の三角テントが今年はどれだけ広まっているのかと楽しみにしながら臨んだ5月の大型連休だったが、増えているようには見えなかった。ただ、ティーピー型が旗や風車で飾り立てているのは変わらない。
 7月のキャンプではティーピー型をひと張りも見なかった。むろん、たまたまの現象ではあろうがやっぱり意外だった。そのかわり、かまぼこ型のテントが目立っていて驚いた。ぼくも25年ばかり前にダンロップのダルセパクト(写真下)というかまぼこ型を使っていたからこの形状には愛着がある。
 
 7月にお目にかかったかまぼこ型のテントたちだが、20年前のダルセパクトたちよりもはるかに薄い生地だというのがひと目でわかる。布地も進化しているから当然といえば当然だろうが、今回目にしたかまぼこ型テントの張り綱の数には目を剥いた。設計者が自信をもっていないのではないかと疑ってしまったほどだ。


■ キャンプを宴会と勘違い
 ブランド幻想を振りまくのがコンセプトで人気のスノーピークのテント類もまた張り綱は多い。こんなところにまでとあきれるほどだ。スノーピークのテントやタープ、シェルターは、素材は高級だし、縫製もしっかりしているから悪くない。しかし、当然、収納時の容量と重量は増す。
 ぼくひとりじゃ持ち上げるのもままならないようなスノーピークの最近のモデルは知らないが、10年前のテントの張り綱の多さは、やっぱり設計者が自信を持っていないのではないかと思えてならないほどだ。
 
 今回出逢ったかまぼこ型テントのオーナーたちもやっぱりすっと興奮したままだった。
 初日は慣れない設営で疲れ果てたのか、子供たちが暗くなっても興奮して大声をあげて走りまわっていたが、午後10時前には就寝していた。だが、2日目の夜は午前1時の半ば過ぎてもキャンプ場中に響き渡る騒ぎがおさまる気配がない。
 
 注意しにいくと、総勢30人あまりの男女が酒盛りの真っ最中である。男たちは一様に詫びて声をひそめたものの、酔っぱらった女たちは大声をあげての傍若無人ぶりは変わらず、まもなく管理人の警告があってようやく宴会はお開きとなった。
 集団心理というヤツだろうが、ほかのキャンパーたちのだらしなさにはいつも呆れてしまう。女房や子供が一緒だから集団を怖がるのは理解できる。だが、すぐ隣で大騒ぎされているのだから、せめて管理人を動かすくらいの知恵と勇気を働かせてほしい。