さる7月15日、超大型の台風4号が接近する中、敢行されたIAC-ASO飛行会の報告。画像と動画は例によってとしちゃんの研究所ブログより。
これまでスカイ・フィッシュの生態については謎が多かったが、今回の飛行会において、彼等の生活史の頂点である繁殖行動の様子が詳しく観察された。それは我々が想像もできなかった特異なものであったが、これによってスカイ・フィッシュ研究は大きく前進したといえる。
まずは動画から→
スカイ・フィッシュ-M、-Fそれぞれの単独飛行、およびスカイ・フィッシュ-Mと-Fのペア飛行
動画の中盤、雌雄別々の状態と、結合した状態では空力バランスが大きく変化するため、調整に苦労している様子がうかがえる。ピッチング方向の機体姿勢の制御は、おもに機体最後段の翼面の迎え角を変えることによって行われる。
スカイ・フィッシュ-M
予想に反して、自力で飛行が可能であるというだけでなく、すばらしい上昇力をもっていることが確認された。これは、繁殖期に、それまで生活していた地上から、メスが待ち受ける上空まで一気にダッシュするための機能と思われる。
スカイ・フィッシュ-Mと-Fのペア飛行
オスは上空に達して適当なメスを見つけると、その背中をめざして着地する。メスの背中に生えた突起にしっかり固定されると、オスの背中からスラスタ・ユニットが脱落し、もはや自力での飛行はできなくなる。
スカイ・フィッシュ-Mと-Fのペア飛行(続き)
結合した状態でしばらく安定した飛行を続けるが、最終段階では、オスの身体は前後に分断され、繁殖行動の完遂に必要な後半部を残して前半部は脱落してしまう。合掌。
今回観察されたのはここまで。この後、もっとも興味深いステップである産卵もしくは出産が行われると考えられるが、その詳細の解明は次回の飛行会までおあずけ。