flagburner's blog(仮)
マイナーな話題を扱うことが多いかもしれません。
 



日本が南極海で行っている「調査捕鯨」で、捕鯨の対象となっているミンククジラ(minke whale)。
この南極海に棲むミンククジラの個体数増加については、競合する大型鯨類が減少したためエサのオキアミが余ったので増加に転じたとか何とか、という説(余剰オキアミモデル:Krill Surplus Hypothesis)なんてのが根拠になってるという。
IWC でも、この説を議論の対象にしているけど・・・。
この辺については以下を参照(手抜き)
・Report of the Intersessional Workshop to Review Data and Results from Special Permit Research on Minke Whales in the Antarctic, Tokyo 4-8 December 2006(2006年12月8日? iwcoffice.org;.pdfファイル)
・SC/59/REP1:南極ミンククジラに関する特別許可調査の結果とデータを検討する中間会合ワークショップ報告* 2006 年12 月4~8 日 東京(2006年12月8日? yonemoto.rcast.u-tokyo.ac.jp;.pdfファイル)

これに対し、どこかの研究者(笑)が、南極海におけるミンククジラの個体数について意味深な調査結果を公表していたのだが・・・。
・The Krill Surplus Hypothesis and the Power of Data(2010年1月14日 Southern Fried Science)
・Are Antarctic minke whales unusually abundant because of 20th century whaling?(2009年12月17日 interScience)

元は、Molecular Ecology という論文誌(査読つき)Vol.19 Issue 2 に掲載された論文。
実は、去年の IWC 総会で公表されていたのだが・・・。
元ネタは↓
・Have Antarctic minke whales increased in abundance because of 20th
century whaling?
(2009年6月?日 iwcoffice.org;.pdfファイル)


この調査には、米国に拠点を置く Lenfest Ocean Program と Marsden Fund(ニュージーランド科学協会:Royal Society of New Zealand の傘下)という団体の資金援助が行われてるらしいが・・・。
・"Are Antarctic minke whales unusually abundant because of 20th century whaling?", Molecular Ecology, Kristen Ruegg, Eric Anderson, C. Scott Baker, Murdoch Vant, Jennifer Jackson and Stephen R. Palumbi, 2010. (lenfestocean.org)
・Maseden Fund(marsden.rsnz.org)

とにかく、2009年12月17日分 interScience『Are~』からこの調査の概要について引用する。

---- 以下引用 ----

We use coalescent simulations to explore the potential influence of population substructure and find that even though our samples are drawn from a limited geographic area, our estimate reflects ocean-wide genetic diversity.
Using Bayesian estimates of the mutation rate and coalescent-based analyses of genetic diversity across loci, we calculate the long-term population size of the Antarctic minke whale to be 670 000 individuals (95% confidence interval: 374,000 - 1,150,000).
Our estimate of long-term abundance is similar to, or greater than, contemporary abundance estimates, suggesting that managing Antarctic ecosystems under the assumption that Antarctic minke whales are unusually abundant is not warranted.
---- 引用以上 ----

日本で売られてる(ミンククジラの)肉を使って、南極海に棲むミンククジラが持つ遺伝子の多様性調査→生息数推定ときたか。
これだと、日本近海で捕獲したミンククジラも混入してる気がしないでもないが・・・。
(だからといって、俺は致死的調査が必要だと言ってるわけでないので悪しからず)

また、この調査結果に関連して、科学研究についてなるべくデータを公表する必要性を唱える人も・・・。
以下、2010年1月14日分 Southern Fried Science からその部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
But beyond simply rejecting the null hypothesis, they rejected it with the most conservative possibly parameters.
They made every effort to confirm the Krill Surplus Hypothesis but could not.
It would have been simple to use a different mutation model, to calculate a harmonic population size that would have put the estimate higher, increasing the likelihood that their results would confirm their bias (I can only assume that Palumbi et al are opposed to Japanese whaling).
But by collecting and analyzing the data in the most rigorous way, they’ve provided the strongest possible rejection of the Krill Surplus Hypothesis.

This is what I was talking about in “The Data Speak” good data don’t need spin, they needs to be publicly available and presented to stakeholders.
Steve Palumbi is an advocate, a strong passionate advocate, but his data stand on their own, independent of the scientist’s ideals
(以下略)
---- 引用以上 ----

ま、この引用部分は Southern Fried Science の中の人による推測なのだが・・・。
研究結果の検証の正確さを保証するだけでなく、研究結果が本来の目的と違った形で政治的に利用される危険を考えればデータの公表は必要かな・・・。
って、簡単に公表できるとは限らないか(色んな理由で)。


それにしても。
この調査結果について、当の「調査捕鯨」団はどのような反応をするのだろうか?


おまけ:↓この論文の紹介をしている動画(笑)

Are Antarctic Minke Whales Unusually Abundant?




2010年1月26日追記:
コメント欄の指摘に従い、一部表記を修正・・・。


2010年1月31日追記:
以下の記事に trackback を送信。
・反反捕鯨論者のための復習帳・2冊目(2010年1月30日 クジラ・クリッピング)

コメント ( 5 ) | Trackback ( 1 )


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コメント
 
 
 
Unknown (赤いハンカチ)
2010-01-25 21:01:12
この論文が最初に出たのは去年の科学委員会です。

http://messages.yahoo.co.jp/bbs?action=m&board=1834578&tid=a45a4a2a1aabdt7afa1aaja7dfldbja4c0a1aa&sid=1834578&mid=34665

ここで注意することは「捕鯨時代以前のナンキョクミンククジラが長期的に保っていた個体群サイズ」の“捕鯨時代以前”という部分です。
つまり“捕鯨時代以前”のその間において67万頭(95%信頼区間374,000ー1,150,000頭)で「安定」していたと。
そしてそれは(いわゆる)推定初期資源量は67万頭であるってことも意味しています。
で現在の推定資源量を76万頭とすると・・ほぼ「安定」しているなという印象を受けます。
(もちろん資源量の値の求め方が違うので本来ならば比べることはできないのですが)

一方、鯨研は推定初期資源量8万頭を主張しています。
そして8万頭から76万頭に「急増」と主張するわけです。
(もちろんこの場合も資源量の値の求め方が違うので本来ならば比べることはできないのですが)

南極海ミンククジラを捕る根拠の一つとされている
大隈仮説「シロナガスが増えないのはミンクが急増したがため」(間引き論)は
この「急増」説の上に成り立っています。

でもし「安定」説が科学的に合意されるようなことになれば
当然「急増」説は葬り去られます。
と同時にそれは大隈仮説が葬り去られるということを意味しています。
 
 
 
赤いハンカチ さんへ (flagburner)
2010-01-26 20:33:17
コメント&情報ありがとうございます。
早速、記事を修正しました・・・。

しかし、未だにミンククジラの推定生息数について統一見解がないというのは色んな意味で不思議ですね・・・。
裏を返せば、過去の IWC(というより他の国際機関も)大型鯨類の推定生息数に関してあまり調査していない、ことを端的に示しているのですが。
(いわんや小型クジラ類は・・・)

いずれにしろ、南極海での「調査捕鯨」が必要かどうか問われるべきだと思います。
 
 
 
Unknown (kkneko)
2010-01-30 02:07:29
こういう情報が"Whale Wars"にまぎれちゃわないようにしたいですよね。
クロミンク(南極)とミンク(北)はチェックできてると思います。
 
 
 
kkneko さんへ (flagburner)
2010-01-31 20:32:44
コメントありがとうございます。

>こういう情報が"Whale Wars"にまぎれちゃわないようにしたいですよね。
本当にそうですね。
とはいえ、「調査捕鯨」団の動向も追わないと色々マズイ面があるので、ついそっちに目がいきがちになるのですが・・・。

難しいところです。
 
 
 
kkneko氏に関連する続報です。 (toripan1111)
2010-02-13 16:52:28
以前もkkneko氏の件でお邪魔しましたtoripanです。

この度、kkneko氏が私toripanを告訴されるんだそうで↓

http://kkneko.sblo.jp/article/35211430.html



http://messages.yahoo.co.jp/bbs?action=m&board=1834578&tid=a45a4a2a1aabdt7afa1aaja7dfldbja4c0a1aa&sid=1834578&mid=41937

私がkkneko氏関連でやった事といえば、

・カメクジラネコ氏が嘘・出鱈目で事実を歪め、誤魔化して捕鯨・鯨肉の悪宣伝をしている、という事を「客観的証拠に基いて否定した」・「一般のネットユーザー・第三者に向けた氏の嘘を覆し、事実を伝えた」

というネットユーザー・市民として極アタリマエの行為だけ、ですので告訴事由が全く不明なんですけれど・・・w

とりあえず反訴の為の準備としてkkneko氏が如何に嘘出鱈目と誤魔化しで捕鯨の悪宣伝をしてるのか、という証拠固めを済ませましたのでココにまとめて御知らせしておきます♪



先ずはkkneko氏自身から事実無根の信用毀損/業務妨害罪に抵触する発言があった事↓

http://messages.yahoo.co.jp/bbs?action=m&board=1834578&tid=a45a4a2a1aabdt7afa1aaja7dfldbja4c0a1aa&sid=1834578&mid=41754

そしてこれは単なる一例に過ぎませんが、氏が一ブロガーの書いた短い記事に癇癪を起こし、攻撃的な口調で非常に悪辣なコメントを残した事↓
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?action=m&board=1834578&tid=a45a4a2a1aabdt7afa1aaja7dfldbja4c0a1aa&sid=1834578&mid=41169
実はココからが本題なんですが、kkneko氏が鯨肉生産の環境負荷だけを不当に高く見積もり、逆に比較対照である牛肉LCAを小さく見せかけるような嘘と誤魔化しをネット中に撒き散らしておりましたので、氏のまやかし㌧でもブログ記事・嘘で固めた捕鯨悪宣伝を各論逐一全て覆してあります↓。
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=552019607&tid=ja7dfa4ha5afa58a5ijdd8n&sid=552019607&mid=62970

↑の投稿から全18投稿分で氏の「鯨肉はエコじゃない」を事細かに潰しましてみました♪
↓はその概略です。

http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=1834578&tid=a45a4a2a1aabdt7afa1aaja7dfldbja4c0a1aa&sid=1834578&mid=41948
(↑とその次の投稿まで)

私側からの反訴の材料として、



・カメクジラネコ氏が嘘・出鱈目で事実を歪め、誤魔化して捕鯨・鯨肉の悪宣伝をしている、という事を「客観的証拠に基いて否定した」・「一般のネットユーザー・第三者に向けた氏の嘘を覆し、事実を伝えた」



という事を証明する証拠はこれで一通り揃ったかと思いますが、嘘を告発し、正しい事実を第三者に伝えようとした私を、嘘を撒き散らした張本人、kkneko氏が告訴する、というのは非常に面白い構図かと思います・・・w



捕鯨問題に関しては愛護反捕鯨さん達による嘘出鱈目が罷り通ってる現状がありますので、今回の裁判沙汰の背景にあるその様な『膿』の存在を広く知らしめ、健全な方向へ導く一助にしたいと思っております。

この「告発の行方」に御期待下さいw
 
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反反捕鯨論者のための復習帳・2冊目 (クジラ・クリッピング)
◇捕鯨批判ブログ紹介他 先にlivedoorにも配信している市民メディアPJニュースの記事。記者は環境ジャーナリストの方です。最少字数で要点がきっちりまとめられた、まさにお手本になる記事。筆者のとは対照的(スミマセン。。。m(_ _)m) 調査捕鯨問題、TVで映った南極...