Fis-dur日記帳

博士課程院生Fis-durの日常

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死後のペースメーカー

2010年04月11日 | Weblog
ペースメーカーを装着した患者さんが当直中に亡くなられ、
そのペースメーカーを火葬前に外さなくてはいけなくなりました。
10年以上前につけたので、どう固定されているのかも不明です。

ネットで調べてみたら、ペースメーカーは密封が良すぎて
電池や本体が火葬中に爆発するそうです。
斎場職員にも危険だし、爆発音が斎場に響き渡るし、
お骨を損傷する可能性もあるとか。

医師以外にペースメーカーを外せる職種はほぼなさそうですし
家族と葬儀屋からも依頼されたので仕方ありません。
依頼があれば死体損壊にはあたらないそうです。
おそらく手術同様、違法性が阻却されているということでしょう。

私は循環器専門の医師ではないので、
研修医のころペースメーカー装着術に立ち会った程度です。
私同様に困る人が今後あるかもしれないので、参考までに方法を書きます。

【亡くなられた患者さんからのペースメーカー抜去手順】
まずペースメーカーの真ん中に、一直線に切開を置きます。
ペースメーカーの直径より両端を数mm余計に切開したほうが
後の操作がやりやすいです。
真皮~皮下組織を切離してペースメーカー本体が見える深さまで切開します。
本体やリード周囲には癒着組織と思われるものが貼りついていますが
有鈎ピンセットで皮膚と本体前面の癒着組織を一緒に把持して切開線を開くと
かなり簡単に本体が外せます。
縫合された2ヶ所程度だけは取れないので、剪刀で切って外します。
続いて、丸められたリードが癒着組織に埋まっているので、
それを丁寧にメスで切離して外していきます。ここまで出血はありませんでした。
本体とリードがかなり取れたところで軽く引っ張ると、
血管内で癒着がなければこれでペースメーカーを抜去できるはずですが
今回は外れなかったので、無理をせずリードを適当な場所で切ります。
お骨上げの前に金属を取り除いてもらえばよいことですので、
爆発物さえ取れたら、無理に深追いして出血させないほうがよいと思います。
最後にナートして終了です。その上からガーゼつきのシールを貼ったほうが
御親族からも見た目が良いかと思います。
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