愛国的フィギュアスケート

羽生結弦とロシア女子を中心に

FP:「SEIMEI」比較、前季との基礎点の比較

2017年08月09日 | 羽生結弦
2015年GPF(バルセロナ [2回目]) http://www.isuresults.com/results/season1516/gpf1516/
FP:プロトコル http://www.isuresults.com/results/season1516/gpf1516/gpf1516_Men_FS_Scores.pdf

17/08/09 スポーツ報知 羽生結弦、五輪連覇へ2季ぶり「SEIMEI」…「何より自分でいられるプログラム」 http://www.hochi.co.jp/sports/winter/20170809-OHT1T50091.html


[]内は前季よりどれだけ向上したか

羽生結弦    4S  4T  3F FCCoSp3p StSq  /  4T+3T  3A+2T  3A+1Lo+3S  3Lo 3Lz FCSSp ChSq CCoSp3p   前半3後半5   4回転2種を3回(前2:後1) Spin
2015-16   10.5 10.3 5.3   3.5    3.9     16.06   10.78    14.74    5.61 6.6  3.0   2.0    3.5    79.89 [+ 5.17] / 95.79           10.0

 ↓

羽生結弦   4Lo  4S  FCCoSp StSq  3F   / 4S+3T   4T   3A+2T  3A+1Lo+3S FCSSp ChSq  3Lz CCoSp     前半3後半5。4回転3種を4回(前2:後2)  Spin
2016-17   12.0 10.5   3.5   3.9  5.3    16.28  11.33   10.78    14.74     3.0    2.0  6.6   3.5       87.53 [+7.64] / 103.43            10.0   

 ↓

羽生結弦   4Lo  4S        3Lz?       /  4S+3T  4T+1Lo+3S  4T    3A+2T  3A                    前半3 後半5 4回転3種を5回(前2:後3)  Spin
2017-18   12.0 10.5       6.0          16.28     16.72   11.33   10.78  9.35                  92.96 [+5.43] / 108.86?         10.0?
  
デイリー    4Lo  4S    3F  Spin  StSq    / 4S+3T     4T+1Lo+3S   4T      3A+2T     3Lz        前半3 後半5 4回転3種を5回(前2:後3)  Spin
        12.0 10.5   5.3                16.28        16.72    11.33    10.78       6.6       89.51 [+1.98]  / 105.41?         10.0?


 昨季(2016-17)との違い  
当初の勘違い :前半:3F → 3Lz [+0.7]、 後半:3A+1Lo+3S → 4T+1Lo+3S [+1.98]、   3Lz → 3A [+2.75] の 合計 +5.43
デイリー     :                後半:3A+1Lo+3S → 4T+1Lo+3S [+1.98]のみ

日本テレビ 「news every.」 170809 トロント公開練習NEWS ⑤ 世界最高得点で五輪連覇へ  http://www.dailymotion.com/video/x5weia8  [6分24秒~]
TBS     「Nスタ」     170809 トロント公開練習NEWS ⑧ 超高難度プログラム       http://www.dailymotion.com/video/x5wewv7 [1分35秒~]
 この2つの動画の今季の基礎点 [89.51] は間違いではないでしょうか。 (まぁ、TVはどうでもいいですけどね!)

(修正)
17/08/09 デイリー フィギュア 羽生 得意のトリプルアクセルは“万一の備え"に https://www.daily.co.jp/general/2017/08/09/0010447571.shtml
「いまのイメージは最初に(4回転)ループ(4回転)サルコーを跳んで、その後トリプルフリップを前半に。
 スピン、ステップをして、後半1発目に4回転サルコー-3回転トーループのコンビネーション。
 その後4回転トーループ・シングルループ・3回転サルコーのコンビネーションと、ちょっとしたステップから4回転トーループを跳ぶつもりでいます。
 後半最後の構成は、(3回転)アクセルのコンビネーションをイーグルから跳んでイーグルで締めて、最後はリカバリーでアクセル跳んでもいいし、普通であればトリプルルッツを」。

 
 羽生結弦選手は、2シーズンで、Jumpのみの基礎点で+13.07 + 9.62、向上させています。
Jump構成を見れば、お気づきになるかと思いますが、4月のWTTのFP構成(4Sが抜け4Tに+3Sを付け、四回転5本構成)とほぼ同じですね。
3Lzの位置が前半なのか後半[+0.6]なのか分かりませんが、この2シーズンを見ても、それぞれ、前季より着実に基礎点を積み上げており、計画的な進化だと言えます。

 デイリー記事に基づく構成だと、昨季から[+1.98]しか上がっていません。(三連続Jumpの冒頭の3Aを4Tに変更したのみ)
これだと正直、胸を張って構成を上げたとは言えないですね。特に鉄板の3Aが一つ減るのは問題です。(本来減らすべき、3F or 3Lz が残ってしまっている)
ただ、シーズンが始まり、他の選手のJump構成を見て、自分が情報を見ずに先に書いた上記の構成 [+5.43]に変更する事は可能でしょう。
 *ザヤックルールにより不可能

また、「ChSq」の位置をどうするかなど細部は不明ですが、通常、4回転を跳ぶ選手は、前半と後半の境目に配置し、身体を休ませるわけですが、日本人選手はそういうことをしませんね。

 このオフは、五輪シーズンにも関わらず、5月末~6月下旬までアイスショーに参加し、8月中旬にも日本テレビの番組にも出演するので、本来、練習に費やす時間を失っていると思われます。
その為、4Lzは成功率が向上していないのであれば、入れる必要性は全くないですね。今季は昨季と違い、実施率(予定基礎点の取得率)が重要になってきます。
4Lzは、身体的に健康で負荷に耐えられ、成功率が実用段階か、あるいは、この構成をクリーンに滑っても、勝つことが出来なかった場合に、切り札として入れればいいでしょう。


 (追記)

 どうして羽生結弦選手が、成功率が高く「3A」GOEも稼げる(Max +3.0)を1本削り、本来、置き換えるべきはずの「3F」「3Lz」 GOE(Max +2.1)を2つとも残したのか?
合理的に考えると、これは「ブラフ」(情報戦)の類ではないでしょうか。 *ザヤックルールを回避する為
現状、男子シングルのリーダーは羽生結弦であり、彼がバーを設定し、他の選手が彼に勝つ為のJump構成を決定しているわけです。
(開幕まで70日ほども前の)8月9日に本来のJump構成を公表してしまうと、残りの選手はその基礎点を元に、自分の基礎点を設定し、練習に励むのは自明の理 (リンクメイトのJavi以外)。
 特に、羽生選手は自分の強み、特徴で、「3Aを後半に二本、連続Jumpとして跳ぶこと」と挙げていたと思います。
彼の3Aは極めて成功率が高く、コンディション把握のバロメーターであり、着氷すればGOEも高く稼げます。
「3F」「3Lz」のどちらかを削れば、置き換えによる基礎点だけでなく、GOEの上限分+0.9も開放されます。


 現況、男子シニアで4Lo以上の高難易度Jumpを構成に入れ、複数回跳んでいるのは、世界でBoyang Jin、羽生結弦、宇野昌磨、Nathan Chen、Vincent Zhouの5人だけです。
この中でGPS初戦で当たるのが、Nathan Chenです。おそらく、9月20日~23日のAutumn Classic International 2017では、下記のJump構成。
そこから10月20日~22日のGPSロシアまでの約1ヶ月で、上記のJump構成になるのではないでしょうか。前半は 3Lz [6.0]ではなく、短い助走でも跳び慣れている 3F [5.3]かもしれません。


 また、17 WCで記録したFPの世界記録の更新ですが、下記の +1.98の基礎点の増加だけでは、正直、心もとない状況です。(ただ、上記の構成の +4.73~5.43 あれば十分でしょう)
17 WCで不当に貶められたPCS分で最低 +1.48~2点弱ほど、そして全体的に低かったGOEの分も上乗せ可能ですが、
五輪シーズンです、何が起こるか分かりません (他国に独走を警戒されて、得点が思ったより伸びない場合も)。
Jump構成に関しては、自分の推測が当たっていればいいのですが。皆さん、どうでしょうか。


 (追記2)

ザヤックルール
> 同一フリープログラム内で3回転、及び4回転のジャンプを、2回跳ぶことが出来るのは2種類までの制限があり、少なくとも1つはコンビネーションまたはシークエンスにしなければならない。

 上記のJump構成は、ザヤックルールに抵触して、不可能ですね。[4S*2、4T*2、3A*2] 
昨季は4回転3種で4回跳んでいた[4S*2、3A*2]が、今季、3種のままでは3Aを1つ減らすことでしか、4回転を5回跳べない、と。
 従って、3F[5.3/5.83]、3Lz[6.0/6.6]の置き換えは、4Lz [13.6] か、4F [12.3] などの単独Jumpを跳ばない限り、無理ですね。
仮に4Lzを導入し、従来通り3Aを2回跳ぶ、4回転4種5回(前3:後2)[4S*2、3A*2]の場合だと、Jumpだけの基礎点が 【95.83】 になります。(4Lzの置き換え効果 +6.32 は大きいですね)
また、この場合は4Lzを跳ぶ、Nathan ChenやBoyang Jinの昨季のJump基礎点におけるアドバンテージがほぼ無くなります。(この場合、GOE重視でPCSが高い羽生が有利。
SP/FPで4Lzを各1回跳ぶ選手は、4Fの各1回の選手に対して基礎点で[1.3*2]=2.6点のアドバンテージ、4Loの選手に対して[1.6*2]=3.2点のアドバンテージ。)
記事全体として、デイリーの記事の未読、ザヤックルールの失念など、お騒がせして申し訳ありませんでした。


 (追記3)

 [Jump構成]

17/08/10 09:14 日刊スポーツ 羽生結弦頂点へ日本の風景取り込む「SEIMEI」 https://www.nikkansports.com/sports/news/1869804.html
 2季前の「SEIMEI」とのジャンプ比較 https://www.nikkansports.com/sports/photonews/photonews_nsInc_1869804-0.html


 [4Lz] に関する羽生選手の言及

17/08/09 18:44 サンスポ 羽生、“異例"の戦略は「余計なことを考えないで済む」  http://www.sanspo.com/sports/amp/20170809/fgr17080918440002-a.html
> --4回転ルッツを演目に入れることは

 「跳べるし、練習はそこそこしているが、今は考えていない。この構成できれいにまとめる」


17/08/10 05:30 スポニチ 羽生4回転ルッツ見送り 練習で成功率上がるも「考えてない」 http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2017/08/10/kiji/20170809s00079000379000c.html
> 羽生は今季投入が期待された4つ目の4回転ジャンプ「ルッツ」について、「今は考えていない」と当面は見送る方針を明かした。

 「跳べますし、練習もしてます」と練習での成功率は上がっているようで、ライバルたちの動向や今後の習熟度によっては平昌五輪の秘策となるかもしれない。


       05:30 スポーツ報知 羽生「ソチの時はいっぱいいっぱいだったけど、今は自分の道はっきり」 http://www.hochi.co.jp/sports/winter/20170810-OHT1T50059.html
> ―4回転ルッツは。

 「跳べるし、練習でもそこそこ跳べるけど、プログラムに入れることは考えていない。今はこの構成でまとめること。一つの攻めをしっかり完成させたい」


           河北新報 <羽生結弦>平昌五輪へ「連覇したい。歴代最高点は超えられる」 http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201708/20170810_74026.html
> -4回転ルッツへの挑戦は。

 「練習はしているが、今は考えていない。フリーは昨季より構成は確実に上がっている。今はこの構成をまとめることが大事だ」


17/08/17 中日新聞 [フィギュア] 羽生が感謝の舞い 震災時、救ってくれた横浜のリンクで http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/sports/news/CK2017081702000154.html

> 都築章一郎コーチ (79) 「羽生は『4回転ルッツができるようになったから、どこに入れるか自分なりに考えている』と言っていた」と今季の新技投入も示唆されたそうだ。


 羽生選手が、4Lz入れていないのは、Jumpに対するアプローチが他の選手と異なるからだと思います。
彼がプログラムで新たなJumpを取り入れるのは、GOEで+3 獲得するほど、質の高いJumpを跳びたいわけです(少なくとも2点台)。
また、GOEだけではなく、プログラムに自然に溶け込んだJump、Jumpにばかり焦点を当てない、プログラム全体を提示する魅せ方をしています。
昨季4Loを跳んだ際も、もっと早い時期に導入可能だったでしょう。(Medvedevaが「どうして(跳べるのに)プログラムに取り入れないの」と言っていた)

 その羽生選手と最も対極に位置しているのが、Nathan Chenです。
ChenのアプローチはJumpをとりあえず着氷すればいい、基礎点を積み上げれば良い、というアプローチです。(現状では、着氷姿勢さえ良ければ、GOEが高く出てしまう)
4Lzと4F(!)Jumpを跳ぶステータスとプロパガンダで、ライバルにJumpエレメンツの難易度の向上を強要し、自滅を誘う戦略です。
また、結果として、自分よりも実績が上位の選手を“喰う”ことで、最終的にPCSの向上を図るやり方です。
 一方、同じ高難易度Jumpを跳ぶ、Boyang Jin選手は、エレメンツの配置を見ても、3Aに対する取り組みを見ても、アプローチと指向が羽生選手を目標としているのが分かります。
(彼はSr.デビューシーズンWC銅、翌年もWC銅という類まれな成績を残しましたが、それまではどちらかというと、過小評価され、時には無視されてきました)

 今季、羽生結弦が4Lzを入れるかどうかは大した問題ではありません。(含みを持たせたのは、良いやり方ですけども)
重要なことは、シーズンを通して健康であること、怪我なく過ごすことです。そして実際に、予定したプログラムの基礎点を出来るだけ取得していくことです。
実力を改めて証明する必要性はないし、世界記録を更新する必要性もない、やることはただ一つ 『重要な大会で勝つ』 ことだけです。(これは今季のMedvedevaの課題と同じですね)
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