先日質問を受けたのですが、アメリカ海軍が採用を決定したレールガン、これの特徴を聞かれた際、他の方がリニア技術と混同されていたので、案外知られていないのでしょう。掲示板等でも時々間違っている書き込みが見られます。
無論物理学や科学の講義の場ではないので、極力単純に違いだけを書き留めておく事にします。（専門家ではないのでそこまで詳細に知っているわけではありませんし）
レールガンは一言で言えば電磁誘導を利用して物体の投射に使用するものである。フレミングの左手の法則に従いローレンツ力を利用して物体を射出、兵器に応用した物がレールガンである。最新鋭空母などに搭載される電磁カタパルトも理論としては同じで、従来のスキージャンプ式空母が戦闘機の加速と艦船の推進力で飛び立つのに対して、圧倒的に速く短距離で加速して、飛び立つというよりは打ち出されるためメリットは大きい。この場合の戦闘機はいわば銃弾だと思えばいい。ミサイルが取り付けられたエンジンで飛行するのに対し、銃弾を撃ち出す物なので、誘導は出来ない。そのためどれだけ加速しても地球の表面が円である以上、命中させる距離には限界がある。現代の艦砲だと思えばいいだろう。
リニアは同じく超電磁と呼ばれるが、ローレンツ力で射出するレールガンと違い、こちらはモーターである。文字で説明するのは複雑で正直説明できるか自信がないのですが、一言で言えば電磁石の磁界を発生させ、Ｓ極とＮ極の反発力と引き合う力を推進力に使用して加速させる物です。リニアモーターカーが有名ですが、これは車体を磁力で浮かせて車輪の摩擦を防ぎ、地上側（線路でいいか）のガイドウェイコイルが推進力を発生させます。
決定的な違いはリニアは推進コイルで物体（車体）を引っ張るのに対し、レールガンは物体を射出するわけです。リニアモーターと言うのは推進方法がモーターを平らに伸ばした構造であるためそう呼ばれます。通常モーターは円形の容器にＳ極Ｎ極の電極を配置する事で、中心部のコイルを回転させ推進力を取り出すのに対し、リニアモーターカーでは平らに電極を配置する事で前方への推進力とするわけです。
