日々・戯言の叫び

感じた事とか色々、表に出せない事を吐き出す独り善がりで嘘つきな日記

昨日からずっと雨!

2017-10-15 18:44:13 | 小ネタ
洗濯物が乾かないよ!!
朝からずっと雨が降っていて。治まる気配が一向にない。
クリーニング受け取りに行く予定だったんですが、気力がうせた。
寒いのは別に平気なんですけどねー。
いつもの二次創作。お気をつけてねー。

試練はちょっとだけクリア。
最強レシピとエッチな本はもらいました。
……英雄王様の私物ってどうよ?
剣を作るために必要なハンマー入手のためにウマレースやんきゃいけないんですが。
私これが苦手で。
ゴールド杯何回もやり直し!
なのにプラチナ杯はあっさり一発勝利ってどうしてだろう?
まぁハンマーもらえたので結果オーらいですが。
国宝を賞品にするんじゃないよ、王様。



6つ子。
飽きていた次男と見誤った長男の話。
多分弟たちは巻き込まれ。だが、流されて見誤ったのは結局同じ。


ギニョールは終わりを告げる


「別に怒ってないぞ。そもそも何に怒るんだ? 自分に不都合な態度を取られたからって怒ってると判断するのは短絡的だぞ。
じゃあなんでそんな態度なのかって? お前に関係があるのか? ないだろう。何でわざわざお前のご機嫌をとってやらなきゃいけないんだ。
末っ子? だから? 同い年だぞ? ・・・・・・そもそもとっくに成人しているのにいつまでも自分は可愛い末っ子だからと甘ったれた態度を取るのはどうかと思うぞ。女の子と上手くいかないのもお前の甘えが透けて見えるからじゃないのか。
なんで泣くんだ? 本当のことだろう。ああ、別に誘ってくれなくていいぞ。俺は買い物は一人でゆっくりしたい派なんだ。お前の荷物持ちとか面倒だからな」


「十四松、五月蝿い。何でお前はそんなに五月蝿いんだ? そんな大きな声を出さなくても聞こえている。大声を出したいんなら外でやってくれ。耳が痛いんだ。それにお前の言葉は意味がわからない。何なんだ、ヒジリサワショウノスケって?
野球? いやだ、面倒臭い。そもそもお前のは野球じゃないだろう。バットとボールで好き放題暴れてるって感じだ。それに巻き込まれるこっちはたまったもんじゃない。
・・・ん? 楽しいわけ無いだろう。お前の気が済むまで付き合わされて連れまわされて乗り物にされて、こっちはうんざりだ。
野球がしたいのは構わないが、付き合わされる相手のことを何一つ考えない。悪気がなければ何してもいいわけじゃないし、それを許されるのは小さな子供だけだ。迷惑だからやめてくれないか? 頼むなら他を当たれ」


「・・・うん、だから? どうした? いや、聞こえてるぞ。謝罪はちゃんと聞こえたぞ。で? だからどうした? そもそも何に謝って・・・これまでのこと? 胸倉掴んだり罵倒したり暴力振るったり私物を壊したり? で?
まさかそんなたった一言でこれまでやってきたことが全部チャラになると・・・思ってたんだなその顔は。それだけで口先だけの薄っぺらい謝罪だとよくわかる。
許すか許さないかは俺が決めることだ。ああ、俺はどうでもいいんだ。どうせお前のことだから謝罪を受け入れたら謝ってやったんだから、受け入れなかったら謝ってやったのに!って同じことを繰り返すだろうし。お前はそういう人間だろう。
皆はお前を優しいと言うが俺には相手によって態度を変え、都合が悪くなれば奇行に走って誤魔化す。ただの卑怯者にしか見えないんだが。・・・お前、俺に信じてもらえる人間だと本気で思ってたのか? 図太いなぁ」


「だから怒ってないぞ。トド松にも言われたがどうしてそう思うんだ。そもそも意味が無いんだし。そのままの意味だが? お前たちには何を言っても無駄なんだから怒ったりするわけ無いだろう。
前から思ってたんだが、お前の片割れとか半身とかどういう意味だ? 俺はただの一度もそんな風に思ったことは無いんだが。俺たちは六つ子だし、双子になった憶えは・・・・・・。
ああほら、それだ。自分の意見に反することを言われるとすぐ切れて喚き散らす。だから今まで言わなかったんだ。相手をするのが面倒だからな。本当に面倒だ。
気に入らないことを言われたからって暴言を吐くのはどうかと思うぞ。元暴君だから悪童だから、とか。そんなの世間では通用しないぞ。常識人を名乗りたかったら我が身を振り返ったらどうだ?」


これはいけない。
おそ松は内心頭を抱えた。
これは、いけない。
よくない。とてもよくない。
家の中はどんよりと重い空気が漂っている。余りにも重過ぎて、そのうち厚い雨雲になってしまいそうだ。
原因はカラ松。
一番目の弟。
ころりと百八十度どころか一周回ってもう一周態度を変えたカラ松を何とかしようとして、結果どうにも出来なかった弟たちが打ちひしがれて転がっている。
――まずったな。
額を押さえる。
大丈夫だと思っていた。油断した。
ちょっと放っておきすぎた。
視線の先にはそ知らぬ顔で何かのパンフレットを読む次男。
舌打ちしたいのをこらえる。
彼の眼中にはすでに兄弟は入っていないのだろう。
おそ松は知っていた。
ちゃんと知っていたのだ。
おそらく中学生頃からだろう。カラ松の目に熱が灯らなくなった。兄弟に対するナニかが薄れてきたことを。
それは愛情だとか、執着だとか。
そんな風に呼ばれるもので。
相棒を名乗るトド松も。勘の鋭い十四松も。兄弟をよく見ている一松も。半身を名乗るチョロ松も。
誰も気付いていなかったけれど。知らなかったけれど。
おそ松は、おそ松だけはちゃんと気付いていた。
なぜなら彼はその頃既に自分たちは、自分は六人一緒じゃないと生きていけないと正しく自覚していたから。
だから考えて、考えた。
言い聞かせればいい。縛り付ければいい。
松野カラ松は何より兄弟が好きだ。愛している、と。
優しい兄、頼れる兄、受け入れる兄、許す兄、寛大な兄。愛情深い兄。お前は兄弟が大好きだ。弟には決して手を上げない。兄弟のすることなら何でも肯定する。他の何よりも兄弟を優先する。兄弟以上に大切なものなんて無い。
何度も何度も囁き、時には脅しつけ殴りつけて憶えこませる。
それを見た一松が真似するようになったのは誤算だったが、言い聞かせた『兄』の顔で接するカラ松を見て胸を撫で下ろした。
からっぽの頭に染み込ませた『兄弟を愛するカラ松』はちゃんと仕事をしているようだ。
何をされても何を言われても何に利用されても兄弟を愛するカラ松。その仕上がりにおそ松は満足気に笑う。
所属していた演劇部の経験が混ざってあんなおかしな風になったけれど、許容範囲内である。
むしろそうやって空回って馬鹿をやってくれた方が都合がいいから、そのままにしておいた。
カラ松がそうなったおかげで、可愛い大事な弟たちも友達よりも兄弟を選ぶようになってくれた。
底抜けに甘やかして肯定して許してくれる存在がいるのだ。
『外』では許されない、受け入れられないことも家でならば許される。
口でどうこう言うが結局は兄弟の元に帰ってくる。
兄弟という都合のいい巣に依存する。
面倒なことはカラ松に押し付けて、美味しい所はおそ松が掻っ攫う。そうすることで六つ子の頂点に君臨した。
甘やかすだけ甘やかして自身はカースト最底辺に甘んじる次男と、頼れば最終的に何とかしてくれる長男。
この組み合わせで完成した理想の箱庭。狭い分温かくて誰も手出し出来ない、入り込めない素敵な箱庭。
これを失うわけにはいかない。
大丈夫だ、カラ松は俺の言うことは聞く。俺だけはカラ松に言うことを聞かせられる。
だって俺は長男様だから!
その揺ぎ無い自信を胸に、ついにおそ松は一番目の弟と向き合った。

「おい、カラ松」

「・・・・・・」

「おい! 呼んでんだろこっち向け!」

「・・・ああ、何か用かおそ松」

強い口調で二度呼びかけて、ようやく弟は己を振り向いた。
自分を見る目に相変わらず熱が無いことに苦く思う。
不機嫌を押し殺すことなくおそ松は低い声をカラ松に差し向ける。

「カラ松、お前何調子に乗ってんの? 駄目だろ弟泣かしたら。兄弟大好き、兄弟のためなら何でもできるセラヴィー野郎。それがお前だろ? いい加減ちゃんとお前の役目に戻れよ」

威嚇するような鋭い目で睨まれて、けれどもカラ松は瞬き一つ。

「役目? 何のことだ」

「松野カラ松は兄弟を何よりも愛する。兄弟を甘やかして受け入れる。それがお前の役目だよ。俺は言ったよな、ずぅ~っと言い聞かせたよな。忘れたんならもう一回ちゃんと教え込んでやるから、そのからっぽな脳みそに刻みつけろ。いいな!」

これ、長男命令な!と指を突きつる。
きっとこれで思い出すだろう。そうでなくてもゼロに戻った脳みそにちゃんと情報をインストールしてやればいい。カラ松も元に戻って弟たちも元気になる。これでハッピーエンド。
そう、おそ松は信じた。疑っていなかった。

「お前は何を言ってるんだ」

呆れたカラ松の視線にぶち壊されるまで。

「そんなものは役目でもなんでもないだろう。いや、確かに昔お前にそう言われたし俺もそう演じてきたけど、もう飽きた。だからやらない」

「飽きたって・・・」

弟の言葉に唇を噛む。
飽きっぽい性格はわかっているがおそ松もこれ以上のわがままを許す気は無い。

「いいからお前は兄弟大好き次男をしてりゃいいいんだよ! 飽きたってんなら俺がもうちょっと考えてやるから。なぁ、カラ松ぅ?」

猫撫で声で肩を抱く。
その手を払うことも無く、やはり冷めた目でカラ松は言うのだ。

「何でおそ松の言うことを聞かないといけないんだ。理由が無いだろう。『何よりも兄弟を愛する松野カラ松』はお前がしつこく言うから演ったんだ。俺も演劇の勉強になるかなと思ったし。でも飽きた」

きっぱりと言い放つ弟にかっとなって言い返すよりも早く、カラ松は言葉を続ける。

「演ったのは丁度よかったのもあったからだ。とっくに兄弟に飽きてたからなぁ。流石にそれはまずいと思って乗っただけだ」

凪いだ瞳のカラ松に、おそ松は苦い唾を飲み込んだ。
熱が無いのは知っていた。冷めた心も知っていた。
でもそれは執着の無さゆえだと思っていた。おそ松や他の弟ほど兄弟を必要としていないだけだと。
なのに。

「お前、俺らに飽きてたの?」

「ああ、まさか俺も兄弟に飽きるとは思わなかった」

びっくりだ、と。
やはり冷めた目で呟く。

「ふざ、ふざけんな・・・ふざけんなよ! カラ松の癖に!! いいからお前は俺の言うことを聞いてりゃいいんだよ!! どうせお前はからっぽ何だから俺が全部決めてやるって言ってんだよ、殴ってでも言うこと聞かせるからな!!」

激昂したおそ松は弟の肩を掴んで激しく揺さぶる。
弟を支配する立場である長男としてのプライドが、カースト最下層の次男に傷付けられた。
愛する箱庭の崩壊もカラ松の反逆も彼にとっては許せるものではない。
荒ぶる心のままに振りかぶった拳は、しかし――。
がっ!

「ぐあっ!?」

「・・・はぁ。本当にお前は、お前らは面倒臭いな」

顎を殴られ無様に倒れこむ。
畳の上で呻くおそ松を一瞥し、カラ松は部屋を出てゆく。
その背中に手を伸ばしてもけして届かず。
おそ松はこれから訪れる大事な大事なやさしい世界の崩壊の兆しに、ただただ悔しくて泣いた。

「ちくしょう・・・」

カラ松はちゃんと言うことを聞くと、この箱庭は永遠だと。信じていたのに。

「裏切り者」

震える呟きは、どこにも辿り着けずに死んでいった。



人形なんていないのさ。肩をすくめて笑うといいよ。ピノキオだって逃げ出すさ!!

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