Feel So ぶるー

ツッコミ屋にしてはつっこまれすぎ、
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原発に関して思う事

2011-05-08 11:40:13 | 社会
皆さんご存じの通り、3月11日の震災以降、福島第一原発の事故は現在も予断を許さない状況が続いています。今回の原発事故を巡り、今後の日本のエネルギー政策が問われていますが、当然ながら、簡単に結論が出るものではありません。ここで私なりの考えを書き留めておこうと思います。

1.二元論はやめよう

原発問題を語る時「原発推進」「反原発」の二元論に陥ることが多いようです。しかし、推進といっても積極的/消極的に考え方が分かれますし、今すぐ全ての原発を止めるべきという人もいれば、そこまで考えていない人もいます。二元論でレッテルを貼ることによって、その立場を固定化してしまい、異なる立場の意見を聞かない、あるいはバイアスを掛けてしまう傾向もあるように思えます。まずは、~派というレッテルをやめ、フラットな状態での議論をすべきでしょう。

2.正しい現状認識をしよう

今の福島第一原発は、人間の手では制御不能の状況に陥っています。何とか制御を取り戻そうという努力は続けられていて、その努力が功を奏すと信じたいですが、まだまだ安全性が取り戻せる見通しが立ったとは言えない状況です。この状況下に於いて、「原発は安全」というには余りに無理があります。今後も原発は残すべき、原発は必要と考える方には、この現状に対してまず正確な認識を持っていただきたいと思います。


3.政治イデオロギーと結びつけるのはやめよう

一方、原発を止めるべきと考えている方の中には、この原発の問題と政治体制の問題を混同してアジテーションに使おうとする向きもあるようです。先日行われた高円寺での「原発やめろ」デモでは、原発とは全く関係の無い、天皇制廃止を謳っていた人もいたようです。冷静な議論をするためにはむしろ逆効果であり、本来の主張を歪めてしまう結果になるでしょう。イデオロギーの問題とエネルギー政策は別に語った方が、論点がぼやけずに済むと思います。

4.私の考え

私としては、将来に向けて段階的に原発を廃止していくべきだと考えています。正直言って、3月11日まで原発のことを真剣に考えてきたことはありませんでした。今、原発事故で避難を余儀なくされている方々からすれば、信じがたいことかもしれませんが、自分が使っている電気がどこの発電所から送られてきているのかさえ、考えたことがありませんでした。震災直後、「被災地のための節電」という言葉が広まりましたが、実際の所、福島で作られた電気は地元で使われることがないと言うことも知りませんでした。本当に電気/エネルギーに関して知らないことが多すぎました。

そして、今回の事故後各所で言われているとおり、世の中に「絶対安全」などというものが無い以上、ひとたび事故が起きた時に、人間が制御できるのかどうかが問題になってくると思います。例えば仮に、火力発電所が何らかの原因で大爆発を起こしたとしましょう。この時、消化さえすれば、その後この発電所が周りに与える影響は充分想定できるでしょう。しかし、原発の場合はそうはいかない。事故現場に立ち入ることさえままならず、遠隔での対処に頼らざるを得ないという状況下に陥るわけです。事故が起こらないよう最善を尽くし、安全対策を厳重にしても、ひとたび起きてしまえばその後の処置は相当限られた物になってしまうということが今回の事故でよく分かりました。

では、今現在、日本全国の原発を一斉に止めるべきか?可能か不可能かで言えば可能でしょうが、現実的にはかなりの問題が生じるでしょう。経済の停滞・混乱、安全・治安の低下、計画停電下の首都圏において起きた問題が全国に一斉に伝播すれば、それこそ立ち直れないほどのダメージを受けてしまうかもしれません。いかに損失を少なく、他の発電方法にシフトするか?そこをきちんと考えた上でソフトランディングを目指さなければならないと思います。風力や水力などの自然エネルギーの活用はコストの面で難しいなどと言われていますが、原発の安全確保コストや放射性廃棄物の処理コストを鑑みた上で本当にコスト面でデメリットしかないのか、きちんと考える必要があると思います。
私個人としては、地熱、天然ガスによる発電、NAS電池などの蓄電技術の向上を発展させることで見えてくる道筋がある気がしています。まあ、ド素人の考えなのでどこまで出来るのかは不透明ですが。

先日の浜岡原発停止要請について、名古屋市民にインタビューをしていましたが、(編集された物でしょうが)どこか他人事のような受け答えをしている方を見受けました。もはやエネルギー政策は東日本だけの問題ではありません。日本全国の問題として、国民一人一人が冷静に考え、しっかりと議論し、知恵を出し合い、良い方向に持っていかなければいけない課題だと思います。