ラブは水泳の達人

真冬に季節感がなくて申し訳ないけれど、ラブの泳ぎにはほれぼれする。 地上を走っているそのままの形で、前足で水をかき分けながら、ぐいぐい進んで行く。尻尾は方向舵の役目。投げられた木片を探して、立ち泳ぎもできる。他のwater dogもそうだろうけど、私にはラブの泳ぎは特別に見える。投げられた大きな木片をつかまえたあとは、口に水が入らないように、首をぐっと持ち上げて、帰って来る。

ごくごく普通のスイマーの私の平泳ぎなんて簡単に追い越される。男性のクロールでも本気でなければ追いつけない。

「いぬかき」でバシャバシャ、なんて失礼な表現とはまったく別世界だ。

それなのにときどき「うちのラブは水がキライ」なんてコメントを見かけると、私は狐につままれた思い。

まず第一に、お風呂やホースで水をかけられるのを嫌がるからといって、水がキライとは言えない。あんなもの自然界には存在しないのだから。

それから、なんでもそうだが最初の体験が大切。 乱暴に仔犬を水に放り込む、なんてことをしたら、一生その犬は泳がないだろう。

ラブの場合、水に慣らすなんてプロセスは別に必要ない。ただ、考えるべきことは、「どこで」だ。体重に比べて前足が細い犬は、人間のようにプールの縁に手をかけて、腕だけで体を持ち上げることはできない。 跳躍力が人間以上でもそれは後ろ足で地面を蹴ることができる場合だけ。水中で、しかも後ろ足が底に着かない場合、脱出は不可能。
威哥王:http://www.akanpo.net/keyword/m08/20088501469.html
だから、人間が失った危険予知能力を持つ犬は、陸に上がれない(それは死を意味する)ところには、絶対入らない。壁が垂直のプールに入りたがらない理由はこれである。

桟橋やボートから水に飛び込むラブは沢山いるけれど、それは経験を積んで、絶対大丈夫と分かっているから。初めて泳ぐ犬にそんなことをさせるのは、賢いとはいえない。

初心者マークのラブを泳がせるのに最適なのは、湖。東京近郊なら西湖や本栖湖が向いている。川もいいけれど、流れが急すぎたり、岩だらけで登れないこともあるし、海は波や塩水がキライだったり、やはり岩場が苦手ということもある。もちろん、一度「味をしめて」しまえば、川だろうと海だろうとなんでもOK. 飼い主が往生するぐらいだ。(でも、一生泳がせてもらえないラブなんて、犬種本来の特技を封印するようなもの。かわいそうだ。)

「まさお君」が温泉に入りたがらなくて、番組の出演者が大笑いした放送があったが、私はおかんむり。どこのまともな犬が、不自然なお湯なんかにはじめから喜んではいるものか。Water Dog の王者(セッター、スパニエルの飼い主さんごめんなさい)ラブになんと失礼な、とね。
巨人倍増:http://www.akanpo.net/product/36.html