ファチマの聖母の会・プロライフ

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シスター・ルシアの手記の日本語訳  Ⅰ. ジャシンタの性格(続き)10 家族の反対

2017年06月20日 | ファチマ シスタールシアの手記
シスター・ルシアの手記の日本語訳(続き)

ポルトガル語原文は次で読めます。
MEMÓRIAS DA IRMÃ LÚCIA I
Compilação do P.e Luís Kondor, SVD, 13ª edição, Outubro de 2007


英語訳は次にあります。
FATIMA in Lucia's own words (Sister Lucia's Memoirs)
Edited by FR. LOUIS KONDOR, SVD., 16th edition, July 2007

フランス語訳は次にあります。
MEMOIRES DE SŒUR LUCIE
Textes édités par le Père Louis Kondor, SVD, Septième édition, septembre 2008


第一の手記

I. ジャシンタの性格



10. 家族の反対

その間、何が起こったかというニュースが広がっていました。母は心配し始めました。そこで私が言ったことを、私が否定するように、何が何でもそうさせようとしました。

ある日、羊と出かける前に、母は私が嘘を言っていると告白させようと決意していました。この目的のために、母は宥めたり脅したり、ホウキで叩いたり、全てをしました。これらを全てしても、母は私の沈黙しか受け取りませんでした。或いは、私がすでに行ったこと全てが本当だということしか聞きませんでした。母は私に羊を連れて行きなさいと言い、母が決してどんな子供にもどんな小さな嘘さえも許したことがない、しかもこの種の嘘は決して許さない、ということを一日中よく考えなさいと言いました。

母は、これから毎晩、私を連れて私がだました人々のところに、全て嘘だったと告白し謝りに行かせると警告しました。私は羊を連れて家を出ると、その日は私の小さな仲間はもう既に私を待っていました。私が泣いているのを見ると、彼らは走ってきて私に何が起こったのかを尋ねました。私は起こったことを全て言い、こう付け加えました。
「ねえ、私は何をしたら良いの?お母さんは、何でもかんでも、私が嘘ついてるって言わせたいの。私、どうしたら良い?」

するとフランシコはジャシンタに言いました。
「ほうらね!みんなおまえのせいだよ。なんでこの話をいっちゃったんたんだよ。」

かわいそうなこの子は涙を流して跪いて両手を合わせて私たちの赦しを乞い願いました。
「私が悪かったの」と涙を流して言いました。
「でも、もう決して誰にも言わないわ。」

司教様は、一体だれがジャシンタにこのような謙遜な態度を教えたのかと不思議に思われるかもしれません。私も分かりません。きっとジャシンタは、自分の兄たちや姉たちが聖体拝領に行く前に両親に赦しを乞うのを見たのでしょう。或いは、私の思うには、ジャシンタは聖母から聖寵のより大きな溢れをうけ、天主と聖徳のより良い知識を受けていたのでしょう。

小教区の主任司祭が後に私たちのところに質問するために送られてきましたが[注11]、ジャシンタは頭を下げていたので、ジャシンタから一言二言を言わせるのがやっとでした。外に出た後、私はジャシンタに聞きました。

[注11]1917年5月の終わりに主任司祭がした最初の尋問のこと。

「ねぇ、なんで神父様にお返事しなかったの?」
「だって、私、もう誰にも何もしゃべらないってあなたに約束したんだもん。」

ある日、ジャシンタは質問しました。
「罪人たちのために犠牲を捧げなければならないってあの貴婦人が私たちにおっしゃったって、なんで私たちは言っちゃだめなの?」
「そうしたら、人々はどんな犠牲を私たちがしているのかって尋ねないようになるから。」

私の母は、出来事が大きくなるにつれてますます怒ってきました。このために私が嘘をついたと告白させようと別の試みをしました。ある朝早く、母は私を呼んで、主任司祭のところに私を連れて行くと言いました。
「ルシアちゃん、着いたら跪いて神父様に嘘をつきました、って言って謝るのよ。」

私たちが叔母の家を過ぎ去ろうとすると、母は数分の間叔母の家の中に入りました。このチャンスにジャシンタに何が起ころうとしているのかを説明しました。すると私がカンカンに怒っているのを見て、涙を流してこう言いました。
「フランシスコを起こしに行ってくるわ。ルシアちゃんのために井戸のところで二人でお祈りするから。戻ってきたら、そこに来てね。私たちそこにいるから。」

私は戻るときに走って井戸のところまで行きました。二人が跪いて祈っていました。二人が私を見るやいなや、ジャシンタは私のところに走り寄って抱きついてこう言いました。

「ほぅらね!私たちは何も怖がってはダメよ!あの貴婦人が私たちをいつも助けて下さるから。あの方は私たちのとってもよいお友達なのだから!」
聖母が、私たちにイエズス様に私たちの犠牲を捧げることを教えてくれたあの日以来、苦しまなければならない何か、或いは犠牲をすると同意した何かがある時はいつでも、ジャシンタは尋ねました。
「ねぇ、イエズス様にこれはあなたへの愛のためですってもう言った?」

もしも私がまだ言ってないというと、ジャシンタはこう答えました。
「じゃあ、私がイエズス様に言うわ。」
両手を合わせて、ジャシンタは目を天にあげて言うのです。
「イエズス様!これは御身への愛のためです、そして罪人たちの回心のためです!」と。


(続く)