うさこさんと映画

観た映画についてのかんたんなノートです。
やっと440本を通過しました。
あらすじや結末を記していることがあります。

0446. トスカーナの贋作 (2010)

2016年10月16日 | 2000s

トスカーナの贋作 / アッバス・キアロスタミ

Copie conforme (2010)
1h 46min

Directed by Abbas Kiarostami. Written by Caroline Eliacheff and Abbas Kiarostami. Cinematography by Luca Bigazzi. Film Editing by Bahman Kiarostami Performed by Juliette Binoche (Elle), William Shimell (James Miller), Jean-Claude Carriere (L'homme de la place). Budget: €7,000,000 (estimated)


ferdyonfilms.com/2010/ciff-2010-certified-copy-copie-conforme-2010/6410


微妙な着想、微妙な脚本。ジュリエット・ビノシュなどうまい俳優が演じて、よく仕上げたと思うけれど、うーん、成立するかしないか、ぎりぎりで勝負という脚本でもある。お嬢様、ものを創るということはそのぎりぎりを強靭な信念でやり抜くことでございます、とサディスティックな執事に言われたような気のする作品でした(違う)。この主題のどこがおもしろいんです? と全員につき放されても、どうしてもやりたかったら、ひとりずつ説得していって実現するしかないわけでしょう。キアロスタミの実績があればこそとはいえ、何億円も資金を采配してこれを撮り切る大執事たちがいるうちは文化の館もまだ大丈夫かもしれません。

二人芝居です。贋作が真作にひとしい価値をもつことがあるという論点で美術を論じるイギリス人男性が、トスカーナのちいさな街に講演に呼ばれる。シングルマザーのフランス人女性が彼に惹かれて誘い出す。だがどうもかみ合わないまま街を散策していくうちに、二人はだんだん倦怠期のカップルのような奇妙な空気をまとい始める。そのうち本気で「夫婦げんか」を始めたりする。贋の夫婦が真の夫婦にひとしくなる可能性、という唯一のアイデアが全体を支える。そう、とても難しい。コメディーらしく仕上げているかというとそうでもなくて、笑いも軽さもとくにない。すわりの悪いビノシュの衣装に象徴される他人同士のちぐはぐな欲求不満が、中年夫婦のそれはそれでなじんだ欲求不満に変わっていくプロセスを、みなさまじっくりご覧あれという大執事さまの決意は堅い。あっぱれです。ドキュメンタリーのような自然な間合いはみごとに出ていて、ああ疲れたわ(笑)。



メモリータグ■敏感な年頃の息子が携帯電話で母親をじゃましつづける。彼がとても重要で、とてもよかった。

 

 

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