夏の怪談
2010年のこと。
仕事からから帰って最寄の駅に到着。
いつもよりも早い時間帯で時刻はまだ8時ちょっと前だった。
さすがにこう毎日暑いと皆さんは冷たいビールでも飲んでいるのか、いつもに較べると、人が少ない。
まるで11時過ぎのような人数しかいない。
あっしはといえば、電車から降りた瞬間のあまりの暑さで普通の速さで
歩く気にもならず、のろのろと改札に向かう間に、駅でおりたあらかたの皆さん
は先に出てしまったようだ。
歩道を相変わらずのたのたと歩いていると、後ろからコツコツコツとヒールの
音が近づいて来た。
どんどん近づいてくる、ハイヒールの音。
どうやらあっしの真後ろを歩いているらしい。歩道は比較的広いし、他に
人もいないのに、なんでまた好き好んで真後ろを・・・。
まあ、ハイヒールの音からすると美人さんなのかもしれないけれど、
真後ろを歩かれるというのも、あまり気持ちのいいものじゃないので、
いつも歩く速度に変更。 普通の速度で歩けば、人様よりも歩く速度は
速いほうなので、女性では追いつけないはず。
しかし・・・、何故か音は離れない。
振り返って見るのも面倒くさいし、ちょっとムキになって、さらに速度を上げる。
速度をあげたその瞬間!
いままでそこいらじゅうに鳴り響いていたそのハイヒールの音が忽然と聞こえなくなってしまった。
「あれっ?」
そのときに初めて振り返って後ろの歩道を見たのだが、だーれもいない・・・。
「あれー・・・、確かについてきてたよな。」
その地点までのところにはわき道もないし、車道側に出る切れ目もない。
確かに近づいてきて、速度を上げても同じ速度でついてきたハイヒールの音。
いったいこれは・・・・。
久々の奇妙な体験。
もし、あの時振り返って見ていたら、何が見えたんだろうか・・・・?
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心配しております。
しばらく右手が使えなかったものですから。
たーさんの書かれる中国には素朴な人たち(日本人の思い込みでしょうか)が生き生きと描かれていていつも楽しみにしております。
来週からまた懲りもせず中国です。
日本の治療よりも現地の盲人のほうが効きそうです。
相も変わらず、よくもまあこれだけいろいろ起こるものだと・・・・