神社の世紀

 神社空間のブログ

光線と洞窟(1/2)【黒崎神社(岩手県陸前高田市広田町)】

2011年07月25日 23時00分00秒 | 陸前の神がみ

 三陸沿岸は大気の感じが意外とウェットではない。別に乾いているというのでもないのだが、湿度があまり感じられない。このため光線に余計な負荷がかからず、空や植物や水や岩の色にはどくとくの艶があり、油彩のような透明感がある。またそのいっぽうで緯度が高いので、海に出ても太陽がギラギラ照りつけてくるような感じにならない。陸海空のいずれも一定のキーに収まっている。あたかも色調や光量が人工的に設計されたハリウッド映画の画面を天然にやっているようなものだ。郷里の詩人、水上不二が気仙沼大島のことを「緑の真珠」と讃えたのも、たんに景色が美しいばかりではなく、こうした光線の効果を真珠に譬えたためだとおもう。いずれにせよ、もともと景勝地に恵まれた地域だが、こうした天恵によって三陸沿岸にはとくべつ鮮やかな印象を残す神社がいくつか鎮座している。黒崎神社もその一つだ。

黒崎神社

黒崎神社拝殿

本殿は覆屋の中

古い参道と鳥居

 黒崎神社は陸前高田市の南東部で海に突き出た広田半島に鎮座している。ふきんはリアス式海岸が発達し、このタイプの海岸とくゆうの奇岩が多く、黒崎仙峡と呼ばれる景勝地となっている。その印象は「清浄」の一言に尽きる。

黒崎仙峡

 現在の黒崎神社はやや内陸に入った場所にあるが、創祀の頃は黒崎の先端部に鎮座していた。現在でもそこには本宮と呼ばれる小祠が祀られている。

黒崎神社本宮

本宮まで行く途中の松林

 私が訪れた日には社地の傍らにロープで丸太を組んで、大きな梯子をカタパルトのように傾けて固定したものが設置されていた。4年に一回、行われる当社の例大祭で根岬梯子虎舞(ねさきはしごとらまい)を行うためのものだが、人がいないと何だか奇妙なオブジェのように見え、その異化作用のせいか社地全体が模型で作られたジオラマのように見えた。

カタパルトのような梯子

 

光線と洞窟(2/2)」につづく

 

 

 

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