LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

第29回ミーティングを行いました。

2009年12月17日 | ミーティング
ご報告、遅くなりました。(ちょっとずつ書き溜めているのでこんなに遅くなってしまってすみません・・汗)11月29日(日)、第29回ミーティングを行いました。参加者は26名。親が7名、友人が5名、家族が1名、当事者の方13名。そのうち初参加の方は8名でした。

昨年5月、「ハートをつなごう」の放映を見てはるばる九州から神戸まで会いに来てくださったお母さまが、1年半ぶりに二人のご友人と共に参加してくださいました。GID(性同一性障害)のお子さんからカミングアウトを受けて以来、自ら性についていろいろと勉強され、地元でもただ一人の親として当事者のグループに参加されているそうです。その一方で、小学校で読み聞かせのボランティアもされているのですが、そこであったうれしいご報告を聞かせてくださいました。学校で人権週間に読み聞かせる本を選ぶに当たってボランティア全員で推薦する本を紹介しあう機会があったとか。そのお母さまはすかさず「タンタンタンゴはパパふたり」を推薦したとのこと。みなさんはこの絵本、ご存知でしょうか?仲良しの二匹のオスのペンギンが飼育係の温かい気配りによって与えられた卵を交互にあたためて孵し、今ではパパ二匹と赤ちゃんペンギンのタンゴの3匹の家族になって仲良く暮らしている・・というアメリカのセントラルパークの動物園であった本当のお話。「いろいろな家族のかたちがあるということを自然に知るにはとてもいい本・・」「人権週間に読み聞かせるのにぴったりの本・・」「ここに出てくる飼育係に私たちがならなくてはね・・」と、なんと全員の賛成によってこの本が選ばれたそうです。すでに10冊の注文が入っていると!(笑)うれしいお話ですね。

また神戸のお母さまからもうれしいお話がありました。学校でのいじめがきっかけで入学以来引きこもっていた中学生のGIDのお子さん。お母さまの必死の働きかけでやっと学校が動き、今は別室登校して勉強できるようになっていて、来年は高校進学なのですが、お子さんが心か体かどちらの性で受験するか迷っていると、先生が「これからの子どもたちのためにも君の望む性で受験したらどうか・・」と助言してくれたということです。以前は何につけ「前例がないので・・」という冷ややかな対応だったのが、少しづつ理解を深めてくださっているご様子。うれしいご報告でした。

兵庫県内にお住まいのあるレズビアンの方。久しぶりのご参加でしたが、あるご報告がありました。じつは以前、ある市の広報に載っているレズビアンの方の手記を見つけ、ブログでご紹介したことがありました。なんとそれは彼女の手記だったのです。2年前、彼女は「市長への質問箱」という記事を読み、LGBTへの対応を聞いてみたら「していません」との正直な答え(笑)。それから何回も市とやりとりを重ね、初めて市に出向いたときには「室長、セクシュアル・マイノリティの方が来られました」と。(笑)その後の人権週間の時に、市から「手記を書いてほしい」との依頼があったそうです。市の広報誌の2ページを割いて、<「自分らしく」生きる―セクシュアル・マイノリティを考える―>という特集。その2ページ目に大きく「レズビアンとして生きる私」という彼女の手記が載せられました。以下は市が書いた紹介文です。
『・・・今号のこの紙面では「その他」の人権課題の中の「同性愛者に対する偏見や差別」について取り上げました。そのきっかけは少数派の中の少数派と自認する同性愛者の当事者からの手紙が寄せられたからです。・・・私たちはよほどのことがない限り、また自分自身に利害が及ばない限り、少数の人々の人権問題には無知であったり無関心であったりすることが多いのです。そこで、市民の皆さまとともに当事者の声を聴き、その思いに心を寄せてみてはどうかということで、一人の女性の手記を紹介することになりました。立場や考え方の違う人たちが地域社会の中で一緒に暮らしていくためには、それぞれがお互いのことを知り、理解し、意見が違っても対話を継続していく事が大切です。今までの世の中のしくみや習慣によってつくられたイメージを取り除き、女として、男としてではなく、人間として自分らしく自然に生きられるよう、考えていきたいものです』
今では市の人権学習会に協力しておられるそうです。すばらしいお話でした。声を届けるということ、必要ですね!!

もうお一人、ある大学で研究課題としてLGBTを取り上げている学生さんのお話が興味深かったです。関西パレードのボランティアをしながら当事者の人たちと話しているときのこと、家族へのカミングアウトが話題になり、していないという人たちがたくさんいた。そうした人たちの多くは「親には理解されない、認めてもらえない」と考えているのに対し、「つなぐ会」に参加すると、実際には親は「理解しよう、受け入れよう」と、当事者の方々が思っているのとは大分違った様子であると思った。そしてカミングアウトを受ける側が何を感じ、考えるのか、その情報が得られないことがカミングアウトをしづらくさせる理由の一つなのではないかとも思った。カミングアウトしなければならないとは思わないが、一生関わっていく最も身近な存在である家族にカミングアウトできずにいるというのは、生活の上でも気持ちの上でもとてもきついものであるように感じた、と。なるほど・・と思いました。つなぐ会に来てくださる当事者の方は「カミングアウトされたとき、どんな気持ちでしたか?どんなふうに話せばいいのでしょうか?」と質問されることが多いですね。当事者のみなさんにとっては思いがけないことかもしれない「理解したい」という私たち親の気持ち、みなさんにもっと知らせたい!!と思いました。

そして実際に、前回のミーティングの参加直後にお母さまにカミングアウトされたという方、「取り越し苦労でした!」とご報告に来てくださっていました。よかったですね!うれしいです!!

他にも台湾のパレードに参加されたみなさんからのご報告があったり(なんと2万5000人の参加者だったそうです。最後まで見ようと思ってもどこまで続くかわからないほどの長さだったと。日本とのあまりの違いにビックリです!!)、またMTF(男性→女性)当事者のお母さま(元、お父さま)が小学1年生のかわいいお子さんとご一緒に来てくださったりと、今回もお伝えしたいことがいっぱいのミーティングでした。

次は年明け、1月10日(日)です。みなさん、親の本音を聞きに(笑)、そしてみなさんの思いを話しにきてください!!



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