Serendipity
偶然の中の幸運のタネ。いいことありますように…、ではなくいいこと見つかりますように…
 



今日も朝は雨。あいかわらずアレルギーで
あっちこっちかゆい。
でも、午後からは晴れそうなので、一安心だ。

今朝の新聞にプロバイダのニフティが
パソコン通信を終了するとの記事が載っていた。
今では「パソコン通信、なにそれ?」という人も多いと思うが
インターネットが普及する前、パソコンやワープロを使って
主に文字だけのやりとりで通信したコンピュータネットワークだ。
フォーラム(会議室)と呼ばれるコミュニティやだれでも参加できる掲示板、
データベースや電子メールなど
それはそれは面白かったし、仕事にプライベートにと色々と助けられた。

私がパソ通(って言ってたのよ)を始めたのは1988年ごろ。
まわりにはパソコンを触っている人すらいなくて、
結構孤独だったが、ニフティのおかげでそれをほとんど感じないでいられた。
毎日のように夜中にアクセス。
幾つかのフォーラムに参加していたが、
ほとんどROM(リード・オンリー・メンバーの略。読むだけで発言しない人のことをこう呼んだ)で、
ときおり発言するくらいだった。
それでも、毎日活発にやり取りされる数十人の会話の中に、
自分も含め何千人ものメンバーの空気を感じたし、
夜中の不思議な一体感が、都会で一人生きている私を支えてくれた。

そのパソ通に一番助けてもらったのは子育ての時だ。
都会の小さなマンション住まいの核家族だった我が家では
子供が生まれると、仕事をやめた私が日中一人で子育てをした。
ダンナはそれなりに協力的だったが、2人分稼ぐためにはそうそう早くは帰れない。
実家も遠く、友人はみな働いていた。働いていない友人は遠かった。
マンションなので隣近所はあいさつぐらい。
今にもニュースに出てきそうでしょ。「虐待」とか「育児ノイローゼ」とか。

そのとおりだった。
一人でアカンボ(長女)と向き合っていると神経がおかしくなる。
泣き止まず、抱き疲れ、やっと眠ったら、今度は静か過ぎて
息をしていないんじゃないかと心配になる。
ちょっと目を放した隙に事故が起こるんじゃないかとトイレにもおちおち行けない。
今思えばなんでもないことの全てが気になってしまう。

合わせて睡眠不足だ。
母乳だったため、夜中でも3時間おきに飲ませなければならない。
というか、長女はきっちり3時間経つと起きて泣くのだ。
最初の2ヶ月はいつが昼だか夜だか、寝てるんだか起きてるんだか
いつものを食べたか分からないような毎日だった。
ノイローゼで子供を殺したり、切羽詰って虐待に走る母親の事を
私は生涯責められない。
このころの私の心理状態は、いつそうなってもおかしくなかったからだ。

2ヶ月を過ぎた頃、久しぶりにパソコンを立ち上げた。
もちろん泣き喚く長女を抱っこであやしながらだ。
そして、今の窮状と悩みと愚痴を会議室に書き込んだ。
反応は早かった。
育児のフォーラムではないのに、次の日には数人の人から励ましや共感の書き込みがあった。
それを読んだときの嬉しさを私は忘れる事ができない。
いまでも思い出すと涙が出る。

私はただ単に愚痴を聞いてもらいたかっただけだったのだ。
そして、大丈夫だよ、それでいいよ、もうすぐ楽になるからね、大変だったね、
そう言ってもらいたかったのだ。

今思えば、ありふれた話だ。
でも、私にとってはその一件が私と娘を助けたと思っている。

それからは台所のカウンターにパソコンを置き、
娘をあやしながら(もちろん立って歩き回りながらだ)
パソコン通信を楽しむのが日課になった。

「良く泣く手のかかる子は、100日我慢しなさい。
100日たつと嘘のように楽になるよ」

そう書き込んでくれた文章を壁に貼り、カレンダーの100日目に印をつけ
あと何日と指折り数えながら娘を育てた。
そして、念願の100日目を迎える頃にはカレンダーの印など忘れるほど
娘は静かに眠るようになっていた。

長女が5ヶ月になったとき、この夷隅町に引っ越した。
環境の激変と、同居の色々な軋轢、
それらのストレスを解消してくれたのも
音響カプラ(知ってる人は懐かしいでしょ?)でトコトコつないだ
ニフティサーブだ。

なんだか昔話になってしまった。

でも、ある1面から確実に私を支えてくれたのがニフティサーブ。
それが3月にはなくなるというのは、やっぱり感慨深いものがある。
つい、長話になってしまった。



コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
わかりすぎる (fumi-basan)
2005-02-17 20:24:40
たいてい経験するのですね。リアルでどきっとしました。母親へのケアは必要なのに、ないものですね。

似たようなことで、今とても気になることがあります。働き盛りに単身赴任をしていた夫婦の離婚がまわりに確実に増えているのです。

夫婦は共に歩いてこそ、深まるのに悲しいと思いませんか。そして、一人暮らしをして頑張った夫が苦戦して他界するケースが多いのです。妻のほうは元気ですねー。単身赴任をさせた会社を訴えてもいいんじゃないかなぁー?
 
 
 
小さな家族の歴史の中で (かわち)
2005-02-18 15:59:55
けっこう過酷な事が起こっていても

まわりには分からないし、ましてや

会社や役所になんて全く届きません。



でも、そのひとつひとつが確実に

会社を支え、国を形作っているはずなのに。



乳幼児をもつ母親を取り巻く環境なんて

私の頃と今と、何にも変わってません。

テレビで悲惨なニュースを見るたび

怒りがわいてきます。

少子化なんてあったりまえじゃん!
 
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NIFTY-Serve お疲れ様でした (メール人語)
「ワープロ・パソコン通信」サービスの終了について(ニフティ株式会社より) いわゆる「パソ通」ですよね。 私も学生時代に初めてパソコンを購入して、2400bpsのモデム(さすがに音響カプラの時代ではありませんでした)でよく接続しては、やはりドンQというハンドルネ.
 
 
 
パソコン通信時代の閉幕 (小便小僧のつぶやきfromベルギー)
ニフティ 「ワープロ・パソコン通信」サービス終了についての総合案内 パソコン通信という言葉も、死語なのかなぁ? 当時、モデムではなく、音響カプラ(通信速度が300ボー)に黒電話! ASCIIとニフティとTeleStarとかが大手通信で、当時大阪にいた私は、J&Pの通信サ.