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不動産受験新報2007年8月号 特集3 土地家屋調査士直前対策 記述式予想問題その1

2007-08-25 09:00:00 | Weblog
住宅新報社・月刊「不動産受験新報」20007年8月号
       (毎月1日発売 定価910円)

特集3 土地家屋調査士
直前対策
記述式予想問題その1
土地家屋調査士 山井由典

第1問 A市B町二丁目12番24号に住所を有する高島珠代から,同人が所有するA市B町一丁目47番,48番,49番及び52番の4筆の土地について必要な表示に関する登記の申請手続の代理を,A市S町一丁目2番3号に事務所を有する土地家屋調査士山川信夫が依頼されたものとして,次の調査結果に基づいて,後記の問いに答えなさい。
〔見取図〕
 
(注) 見取図中,A点からF点までの各点は筆界点を,P点は分割点を示す。A1及びA2は基準点を,T1点からT3点は多角点を示す。数字は土地の地番を,実線は筆界線を,破線は分割線を示す。
〔土地家屋調査士山川信夫による調査の結果〕
1 資料調査の結果
(1) 土地の登記記録の記録
(表題部)
 所在 A市B町一丁目 地番 47番
 地目 宅地    地積 52.45㎡
(権利部)
甲区 3番 所有権移転
   所有者 A市B町二丁目12番24号
        高  島  珠  代
乙区 1番 抵当権設定
  抵当権者 A市C町一丁目23番50号
        株式会社新鋭銀行
(表題部)
 所在 A市B町一丁目 地番 48番
 地目 宅地    地積 114.64㎡
(権利部)47番と同一のため省略
(表題部)
 所在 A市B町一丁目 地番 49番
 地目 宅地    地積 70.60㎡
(権利部)47番と同一のため省略
(表題部)
 所在 A市B町一丁目 地番 52番
 地目 宅地    地積 321.47㎡
(権利部)47番と同一のため省略
※権利部の登記の目的,申請の受付の年月日及び受付番号,登記原因及びその日付は,4筆ともすべて同一である。
(2) 52番の土地の(イ)部分につき,抵当権者から消滅承諾書を受領している。
(3) 48番及び49番の土地について,地積測量図が備え付けられていた。
〔地積測量図の写し(抜粋)〕
 
2 依頼の内容
 47番,48番,49番及び52番の(ロ)部分を1筆の土地としたい。
3 現地調査,立会いの結果
(1) 47番,48番及び49番の土地は,家屋番号46番の店舗(コンビニエンスストアで,46番地上にある)の来客用駐車場として,当該店舗の敷地と一体的に利用されている。
(2) 52番の土地上には,高島珠代が所有する賃貸用の平家建住宅が4棟あったが,老朽化が甚だしいため,平成19年5月20日にすべて取り壊された。同土地のうち(イ)部分は,51番の土地とともに,マンション用地として,知人の建築業者に売却する予定である。前記の来客用駐車場が手狭であったため,52番の(ロ)部分を取り込んで駐車場の拡張工事をし,平成19年8月10日にその工事を完了させた。同日から(ロ)部分も,店舗の敷地と一体的に利用されている。なお,店舗の敷地と駐車場の間にはフェンス等がないため,判然と区別されていない。
(3) 47番,48番,49番及び52番の(ロ)部分は,互いに接続していることを確認した。
(4) A点及びF点には金属標が,B点,C点及びD点にはコンクリート杭が設置されていた。E点には,境界標が見当たらなかった。
(5) P点は,A点とF点を結んだ直線の垂線とC点とD点を結んだ直線の交点である。
(6) 依頼者及び隣接土地所有者に対し現地の立会いを求めたところ,P点を含んだすべての筆界点について,争いがない旨の確認をした。協議の結果,E点には境界標を設置せず,P点には金属標を設置することで合意した(P点には後日,金属標を設置した。)。
4 測量
ア A1から出発してA2に結合する無方向トラバース測量を実施した。
 
基準点 X座標 Y座標
A1 100.00m 100.00m
A2 171.71m 153.11m
 A1からA2への方向角は,36°31′28″である。
イ 多角測量観測結果
 
器械点 後視点 測点 観 測 角 距 離
T1 - A1 - 25.67
T1 A1 T2 170°46′30″ 19.33
T2 T1 T3 198°41′50″ 23.01
T2 T3 F 212°44′30″ 7.82
T3 T2 A2 172°47′50″ 21.84
ウ 座標値
 
筆界 X座標 Y座標
A 152.09 132.23

 
B 159.10 125.37
C 151.96 115.80
D 144.00 101.61
(注)1 測量は,基準点に基づくものである。
 2 観測角は,後視方向から右回りの角度を示す。
問1 下記の計算表を利用して,T2点の座標値を求めなさい。誤差の調整は,均等法によるものとする。
 
路線名 仮定方向角 距離 ΔX ΔY
A1~T1  0°0′0″ 25.67
T1~T2 350°46′30″ 19.33 19.08 -3.10
T2~T3  9°28′20″ 23.01 22.70 3.79
T3~A2  2°16′10″ 21.84
問2 E点,F点及びP点の座標値を求めなさい。
問3 52番の土地の(ロ)部分の実測面積を座標法により計算しなさい。ただし,計算値の端数処理は,登記の申請書に記載する場合の表示方法によるものとする。
問4 申請すべき登記の目的,添付情報,登記原因及びその日付のすべてを,必要な登記の順番に従って記載しなさい。ただし,登記原因及びその日付は,本件登記手続が完了した時点において,閉鎖されていない登記記録に関するものを記載すれば足りる。
問5 不動産登記法において「宅地」とは,どのような土地を指すのか,30字以内で簡潔に記載しなさい。
問6 問4の登記の申請において添付情報として提供すべき地積測量図を作成しなさい。ただし,縮尺は250分の1とすること。
(注)1 座標値は,計算結果の小数点以下第3位を四捨五入し,小数点以下第2位までとすること。角度は秒未満の端数を四捨五入すること。
 2 訂正,加入又は削除をしたときは,押印や字数を記載することを要しない。
 3 地積測量図には,座標値から求めた筆界の辺長を,計算結果の小数点以下第3位を四捨五入して,すべて記載すること。ただし,基準点の表示,各筆界点の座標値の表示,求積及びその方法並びに地積の表示の記載は,省略して差し支えない。
 4 予定地番は,(イ)部分を上位とすること。
 5 52番の土地(321.47㎡)の地積測定の公差は,以下のとおりである(ただし,当該土地は市街地地域に属する。)。
単位:㎡
 
精度@区分 甲1 甲2 甲3 乙1 乙2 乙3
0.68 1.66 3.31 4.83 9.80 19.59
 6 本件土地を管轄する登記所は,不動産登記法附則第6条第1項の指定がされている登記所(いわゆるオンライン庁)であり,必要な登記の申請は,書面を提出する方法によりするものとする。
第1問 解説
〈出題の趣旨〉
 本問は,建物の敷地と一体として利用されている駐車場部分を分筆して,当該駐車場の一団の土地を1筆の土地とする合筆の登記の申請手続に関する問題である。また,宅地の定義の理解,無方向トラバース測量の計算方法について問うものである。
(注) 基本的な計算については,その過程を省略しています。
問1 T2点の座標値
 ●無方向トラバースの基本的な考え方
 多角点T1以下の座標値を求めるには,まずA1からT1への方向角を知る必要がある。しかし,本問のように方向角の取り付けがない無方向トラバース測量においては,直ちにこれを計算することはできない。
 
 上図のように,出発点から第1測点の方向角(A1→T1)を0°と仮定し,A2(結合点)までの合緯距,合経距から偏角を計算する。次に,この偏角を既知点間の方向角から減じて,出発点から第1測点の方向角を計算する。
①偏角の計算
 
路線名 仮定方向角 距離 ΔX ΔY
A1~T1  0°0′0″ 25.67 25.67 0
T1~T2 350°46′30″ 19.33 19.08 -3.10
T2~T3  9°28′20″ 23.01 22.70 3.79
T3~A2  2°16′10″ 21.84 21.82 0.86
合計 89.27 1.55
偏角=tan-1 1.55
89.27≒0°59′41″
②出発点から第1測点の方向角
 A1→T1=36°31′28″-0°59′41″
      =35°31′47″
※偏角の数値の符号がマイナスの場合でも,既知点間の方向角から減ずる。
③ΔX,ΔYの計算
 
路線名 方 向 角 距離 ΔX ΔY
A1~T1 35°31′47″ 25.67 20.89 14.92
T1~T2 26°18′17″ 19.33 17.33 8.57
T2~T3 45°0′7″ 23.01 16.27 16.27
T3~A2 37°47′57″ 21.84 17.26 13.39
合計 71.75 53.15
④補正量
εX=171.71-(71.75+100.00)=-0.04
εY=153.11-(53.15+100.00)=-0.04
※1測線当たり,XYともに-0.01補正する。
⑤T2,T3の座標値
XT2=100.00+20.89+17.33-0.02=138.20
YT2=100.00+14.92+8.57-0.02=123.47
XT3=138.20+16.27-0.01=154.46
YT3=123.47+16.27-0.01=139.73
問2 各点の座標値
①F点の座標値
T2からT3への方向角=45°
T2からFへの方向角=45°+212°44′30″
          =257°44′30″
XF=7.82×cos257°44′30″+138.20
≒136.54
YF=7.82×sin257°44′30″+123.47
≒115.83
②E点の座標値
 48番および49番の地積測量図の成果から,E点を計算する。
 ∠FDE=alpha とおくと,余弦定理より,
alpha =cos-1 16.058…2+7.8162-9.9272
2×16.058…×7.816
 =28°35′36″
 D点からF点への方向角=117°40′56″
 D点からE点への方向角
 =117°40′56″+28°35′36″
 =146°16′32″
XE=7.816×cos146°16′32″+144.00
≒137.50
YE=7.816×sin146°16′32″+101.61
≒105.95
③P点の座標値
 PFの方向角=FAの方向角-90°
       =46°31′26″-90°
       =316°31′26″
 tan316°31′26″=-0.9481…
 直線PFの方程式
 Y=-0.9481…(X-136.54)+115.83
 CDの方向角=60°42′34″
 tan60°42′34″=1.7826…
 直線CDの方程式
 Y=1.7826…(X-144.00)+101.61
 上記2つの連立方程式を解くと,
XP≒146.62
YP≒106.28
問3 (ロ)部分の実測面積
 52番の土地の地目は宅地のままであるから,「66.07㎡」と記載する(規則100条)。
 
(イ)
 
筆界 X Y Xn+1-Xn-1 Y(Xn+1-Xn-1)
A 152.09 132.23 22.56 2983.1088
B 159.10 125.37 -0.13 -16.2981
C 151.96 115.80 -12.48 -1445.1840
P 146.62 106.28 -15.42 -1638.8376
F 136.54 115.83 5.47 633.5901
倍面積 516.3792
面 積 258.1896
(ロ)
 
筆界 X Y Xn+1-Xn-1 Y(Xn+1-Xn-1)
D 144.00 101.61 -9.12 -926.6832
E 137.50 105.95 -7.46 -790.3870
F 136.54 115.83 9.12 1056.3696
P 146.62 106.28 7.46 792.8488
倍面積 132.1482
面 積 66.0741
問4 登記の目的等
(1) 登記の目的(令3条5号)
 52番の土地のうち(イ)部分は,建物が取り壊されたままであるので,宅地と認定することができる。また(ロ)部分についても,駐車場として利用されているものの,店舗の敷地と一体として利用されており,フェンス等で判然と区別されていないことから,宅地と認定することができる(『地目認定(改訂版)』65,66頁/民事法務協会)。
 よって,52番の(ロ)部分を分筆し,48番,49番とともに47番に合筆する登記を申請する。
 また,52番の分筆前後の地積の差は,321.47-324.2637=-2.7937㎡となり,誤差の限度である甲2の1.66㎡を超えているから,地積に関する更正の登記を申請しなければならない(準則72条1項,規則77条4項)。地積の更正の登記と分筆の登記は,一の申請情報で申請することができる(規則35条7号)。
(2) 添付情報(規則34条1項6号)
Ⅰ 土地地積更正・分筆登記
①地積測量図(令別表8項・添付情報欄イ)
②抵当権消滅承諾書(法40条)
③代理権限証書(令7条1項2号)
Ⅱ 土地合筆登記
①登記識別情報(法22条,令8条1項1号)
②印鑑証明書(令16条2項)
③代理権限証書(令7条1項2号)
(3) 登記原因及びその日付(令3条6号)
Ⅰ 土地地積更正・分筆登記
 問題文の指示どおり,分筆後の52番2は,合筆によって直ちに閉鎖されるので(規則106条2項),分筆元地となる52番1について,「③錯誤,①③52番1,52番2に分筆」と記載する(準則73条,74条1項)。
Ⅱ 土地合筆登記
 合筆後,存続するのは首位の47番の土地であるから(準則67条1項6号,規則106条1項),「③48番,49番,52番2を合筆」と記載する(準則75条2項)。
問5 宅地の意義
 準則68条3号において,宅地とは「建物の敷地及びその維持若しくは効用を果たすために必要な土地」と規定されている。
問6 地積測量図の作成
 問題の指示どおり,予定地番を記載する。
第1問 解答
問1 T2点の座標値
 
X座標 Y座標
138.20m 123.47m
問2 E点,F点,P点の座標値
 
筆 界 X座標 Y座標
E 137.50m 105.95m
F 136.54m 115.83m
P 146.62m 106.28m
問3 実測面積
 
66.07㎡
問4 登記の目的等
 
登記の目的 添付情報 登記原因及びその日付
土地地積更正・分筆登記 地積測量図@抵当権消滅承諾書@代理権限証書 ③錯誤@①③52番1,52番2に分筆
土地合筆登記 登記識別情報@印鑑証明書@代理権限証書 ③48番,49番,52番2を合筆
 
問5 宅地の意義
 
 建物の敷地及びその維持若しくは効用を果たすために必要な土地

問6 地積測量図
地   番 52番1,52番2
@ 土地の所在 A市B町一丁目
(単位:m)

作 成 者 A市S町一丁目2番3号@土地家屋調査士 山川信夫 職 印 @(平成何年何月何日作成) 縮尺 1/  申 請 人 高 島 珠 代 縮尺 1/250
筆   界 境界標の種類
A,F,P 金属標
B,C,D コンクリート杭

第2問 A市T町二丁目1番1号に事務所を有する土地家屋調査士中島恵子が,後記見取図のとおりD市D町35番5の土地上に建築された表題登記がない建物(以下,「本件建物」という。)の現在の所有者から,本件建物について必要となる表示に関する登記の申請手続の代理を依頼されたものとして,後記の問いに答えなさい。
 
〔見取図〕
建物配置図
 
建物平面図
 
立面図
 
 
(注)1 建物の測定値は,柱の中心線からのものである。ただし,敷地境界からの距離は,外壁までのものである。
 2 〔 〕の数字は,敷地の筆界点間の距離である。
 3 ( )の数字は,土地の地番である。
 4 距離の単位は,建物配置図はメートルであり,建物平面図及び立面図はミリメートルである。
〔調査の結果〕
1 本件建物は,D市E町15番地に住所を有する森田鉄雄とその子であるD市D町35番地5に住所を有する森田行雄が,共同して,平成19年7月2日に建築したものであり,その持分は均等であった。なお,本件建物を建築するについて,事前に,敷地の所有者から承諾を得ていた。
2 本件建物は,森田行雄の家族の居住用として利用されており,木造2階建で,屋根はスレートでふかれている。1階玄関のポーチ部分は,外気に開放され,屋内的な用途に供しえないことを確認した。
3 平成19年7月10日,森田鉄雄と森田行雄は同一の交通事故で死亡した。どちらが先に死亡したかは不明である。両名の相続について,遺言はなく,遺産分割協議等もされていない。
4 森田鉄雄には,妻である森田映子(住所:D市E町15番地,昭和22年5月14日生)がいる。森田鉄雄の子は,森田行雄以外にいない。
5 森田行雄には,妻である森田仁美(住所:D市D町35番地5,昭和49年12月1日生),子である森田海斗(住所:D市D町35番地5,平成16年8月18日生)がいる。また,森田仁美は,平成19年7月10日現在,森田行雄の子を懐胎している。
6 平成19年7月30日,森田映子は,森田鉄雄の相続について,D家庭裁判所に対して相続放棄の申述をし,受理されている。
7 北の方向は,南側道路と直角である。
8 建物及び敷地の隅部はすべて直角である。
9 本件建物が所在する地域は,第一種低層住居専用地域である。
10 登記所で調査した現在の登記記録の記録は,次のとおりであった。
(表題部)
所在 D市D町 地番 35番5
地目 宅地 地積 180.00㎡
(権利部)
甲区 所有者 D市D町35番地5 森田仁美
※所有権以外の権利に関する登記はない。
問1 次の文章は,建物の新築請負契約における所有権の帰属について,判例の見解を要約したものである。アからオまでの空欄に適当な語句を補充しなさい。ただし,同一の記号には,同一の語句が入るものとする。
 建築請負契約における建物の所有権の帰属については,アを誰が提供したかによって判断が異なる。すなわち,イがアの全部又は主要部分を提供した場合は,原始的にイに帰属する。これに対し,請負人がアの全部又は主要部分を提供した場合は,請負人にいったん帰属し,ウによってイに移転する。
 しかし,このことは,当事者間において所有権の帰属に関するエを排除する趣旨ではないから,例えば,建物の完成と同時に所有権を移転させる旨のエがある場合には,建物の所有権は,イに原始的に帰属する。このエは,明示のものでなくてもよく,オが前払いされているようなときには,イに所有権を帰属させるとの黙示のエがあると推定される。
問2 本件建物の申請情報を作成しなさい。ただし,申請の年月日,登記所の表示,代理人の表示は記載することを要しない。
問3 問2の添付情報として提供すべき建物図面及び各階平面図を作成しなさい。
(注)1 建物図面は500分の1,各階平面図は250分の1の縮尺で作成すること。
 2 訂正,加入又は削除をしたときは,押印や字数を記載することを要しない。
 3 建物を管轄する登記所は,不動産登記法附則第6条第1項の指定がされている登記所(いわゆるオンライン庁)であり,必要な登記の申請は,書面を提出する方法によりするものとする。
第2問 解説
〈出題の趣旨〉
 本問は,共有していた建物の原始取得者全員が死亡し,その相続人から申請する建物の表題登記の手続に関する問題である。同時死亡の推定が働く場合の相続分の算定,胎児の取扱いといった相続特有の論点を問うものである。
問1 建物新築請負契約における所有権の帰属
 建築請負契約における建物の所有権の帰属については,ア 材料を誰が提供したかによって判断が異なる。すなわち,イ 注文者がア 材料の全部又は主要部分を提供した場合は,原始的にイ 注文者に帰属する。これに対し,請負人がア 材料の全部又は主要部分を提供した場合は,請負人にいったん帰属し,ウ 引渡しによってイ 注文者に移転する。
 しかし,このことは,当事者間において所有権の帰属に関するエ 特約を排除する趣旨ではないから,例えば,建物の完成と同時に所有権を移転させる旨のエ 特約がある場合には,建物の所有権は,イ 注文者に原始的に帰属する。このエ 特約は,明示のものでなくてもよく,オ 報酬が前払いされているようなときには,イ 注文者に所有権を帰属させるとの黙示のエ 特約があると推定される。
問2 申請情報の作成
(1) 登記の目的(令3条5号)
「建物表題登記」と記載する(法47条1項)。非区分建物の場合には,現在の所有者から建物の表題登記を申請することができる。
(2) 添付情報(規則34条1項6号)
①建物図面(令別表12項・添付情報欄イ)
②各階平面図(令別表12項・添付情報欄ロ)
③所有権証明書(令別表12項・添付情報欄ハ)
 本問では,相続証明書は所有権証明書の一部となるから,所有権証明書とは別に相続証明書を記載するのは相当でない。
④住所証明書(令別表12項・添付情報欄ニ)
⑤代理権限証書(令7条1項2号)
 本問では,委任状のほかに,森田仁美が森田海斗の親権者であることを証する戸籍謄本等を添付する。
(3) 申請人
 本件建物は,森田鉄雄と森田行雄が,2分の1ずつで原始取得した後,相続が発生している。胎児は,相続については,すでに生まれたものとみなされ(民法886条1項),登記実務は,「亡何某妻何某胎児」の振合で登記名義人になることを認めている(明治31・10・19民刑1406号回答)。鉄雄持分は,映子が相続放棄をしているので,行雄の子である海斗と胎児が代襲相続する(民法887条2項,939条)。また,行雄持分は,仁美,海斗および胎児が相続する(民法887条1項,890条)。
①鉄雄相続分
海斗:1/2×1/2=1/4 胎児:1/2×1/2=1/4
②行雄相続分
仁美:1/2×1/2=1/4=2/8
海斗:1/2×1/2×1/2=1/8
胎児:1/2×1/2×1/2=1/8
 合計すると,
仁美:2/8
海斗:1/4+1/8=3/8
胎児:1/4+1/8=3/8
となる。
(3) 建物の表示
 種類は「居宅」,構造は「木造スレートぶき2階建」と記載する。
(4) 登記原因及びその日付(令3条6号)
「平成19年7月2日新築」と記載する。
問3 添付図面の作成
 規則74条,82条,83条,準則52条,53条に基づいて作成する。


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土地家屋調査士 収入 (土地家屋調査士事務所の情報)
土地家屋調査士の試験に合格したいと思っています。土地家屋調査士の知名度や認知度を上げたいので、日本全国の土地家屋調査士事務所を調べてみました。土地家屋調査士に仕事を依頼したい方は、参考に見てみてください。これからも、測量や土地家屋調査士等に関連するブロ...
医学部 受験 (医学部 受験)
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土地の最新記事 (トレンド一番館)
トレンド一番館より最新トレンドをご紹介!4筆の土地を1筆にする利点?建物表示登記には住民票異動となりますが、将来的に現在の4筆を1筆に合筆したほうがいいのでしょうか?司法書士さんは「合筆」を言われ、銀行からは「
土地 (エロムービー)
ナショナルトラスト全国組織も土地取得へ朝日新聞自然豊かな自らの土地を誰かに守り続けて欲しいが、どうすればいいか分からない――。そんな人の全国的な受け皿になろうと、「日本ナショナル・トラスト協会」(東京都)は今年から、協会独自に土地の寄贈受け入れや買い取...
土地 (株投資について)
高圧線の鉄塔のすぐ近くの土地を購入しようか迷っています。高圧線の鉄塔のすぐ近くの土地を購入しようか迷っています。 地図を下のURLに保存してありますのでご覧ください。 http://www.uploda.org/uporg971333.jpg.html 角地を2分筆して、その右半分の土地です。 写真...
土地 (芸能人似顔絵)
先月契約した土地が・・ついに自分のモノに・・売主さん(不動産会社)と契約土地の決済・引渡しを終えました。 【 決済・引渡し 】 売主は権利証や印鑑証明等を準備、 買主は土地代残金と住民票等を準備、 所有権の移転登記のための必要書類が 双方そろっていることを、 ...
土地 評価についての情報 (WEB雑記帳)
高圧線の鉄塔のすぐ近くの土地を購入しようか迷っています。高圧線の鉄塔のすぐ近くの土地を購入しようか迷っています。 地図を下のURLに保存してありますのでご覧ください。 http://www.uploda.org/uporg971333.jpg.html 角地を2分筆して、その右半分の土地です。 ...
土地 (ディスカバリーネット)
先月契約した土地が・・ついに自分のモノに・・売主さん(不動産会社)と契約土地の決済・引渡しを終えました。 【 決済・引渡し 】 売主は権利証や印鑑証明等を準備、 買主は土地代残金と住民票等を準備、 所有権の移転登記のための必
不動産 資格 (資格の人気ランキング)
不動産受験新報2007年8月号 特集3 土地家屋調査士直前対策 択一式 ...住宅新報社・月刊「不動産受験新報」20007年8月号 (毎月1日発売 定価910円) 特集3 土地家屋調査士直前対策 択一式・民法予想問題 住宅新報社講師 阪本健一□ 共有(1)共有と準共有?共有 AとBが...
Hardcore rape porn. (Rape porn dvd.)
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