時代に思う

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時代に思う:148

2017-03-21 09:51:01 | 随筆

時代に思う:148

まかり通る人口減少時代(超高齢化社会・少子化社会)

その6:ヤマト運輸の総量規制が訴えるもの

1.他人ごとではない、本格的な人手不足がやってきた

◆急成長する宅配業がビジネス街に賑わいを

 私の会社の近くにヤマト運輸と佐川急便の営業所があります。夕方になると2畳ほどの台車に2メートルを超すような荷物を重ねて、新宿通りの大型トラックから荷物を積んで営業所に運びます。それが4台、5台と続きます。それを運ぶ社員は20代、30代の若い男性です。通行人がその小山のような台車に遠慮しながら歩いています。また、最近は日曜日も働いている人を見かけますし、熟年者や女性の配達員も多くなってきました。

 台車を押すヤマト運輸と佐川急便の社員が、行き交う光景を一日何回も見かけます。裏通りは道が狭いために彼らの行動はすごく目立つのです。また、他の宅配便も見かけますが、自転車にリヤカーを引っ張って宅配しています。物流業務が飛躍的に伸び、街に活況を与えている光景が四谷の街にあります。宅配便の社員で街はにぎわいを見せているといっても過言ではないでしょう。そのように感ずるのは私だけではないと思います。

◆ネット販売の活況により物流が社会変革をもたらす

 ヤマト運輸労働組合の総量規制や残業代未払などがマスコミを賑わしていますが、その原因は依頼荷物の急激な増加のようです。そして、それを配達する人手不足が、今回の総量規制の宣言になりました。会社側も応じる構えで、前年を上回らない水準に受注を抑えるとのことです。さらに、政府が勧める働き方改革を労使一体で進める方針です。

 ヤマト運輸の場合は、毎年増え続ける受注を減らすことが一番の対策と思います。アマゾンで代表されるネット販売の急激な増加が、そのままヤマト運輸にのしかかっているともいえます。百貨店やスーパー、本屋や各種専門店などの購入品はネットで注文するのがこれからの時代の潮流です。それは大きな社会の変革であり、大きなうねりとなって日本の社会に求めてきています。そして、それが人口減少時代と重なり合って人手不足を伴い、今回の組合の総量規制宣言となったのです。

◆物流の発達がもたらす社会変革の根っこに人手不足問題がある

 物流が社会を変えようと問題提起をしています。しかし、問題はそれだけではありません。人口減少時代の人手不足という問題が根っこにあるということです。2008年の人口分水嶺から10年目を迎え、本格的な人口の減少時代に入っています。本格的と申しますのは、労働人口の実質的減少です。この10年間で1000万人の実質の労働力が減ったとも聞きます。その影響がヤマト運輸の総量規制へと繋がってきたのです。

 現在の日本の消費経済は停滞していますが、ネット通販だけが突出して成長しています。

長期的人口減少時代に入り、日本全体が好景気になったら人手不足はどうなるのでしょうか。本格的な政府の人口減少対策は、保育所問題の女性就労対策だけです。高齢者や外国人労働者対策は玉虫色です。今回の受注の総量規制問題は他業界でも起こると予想されます。今後の人手不足問題は、人口減少問題として立ちはだかるでしょう。

2.ヤマト運輸がとるべき経営の方向性

◆物流業界の新しい旗手であれ

 “鉄は国家なり“と製鉄業界のドンが言ったのは半世紀前近くになると思います。今はIT産業が先頭を走り、それに関連する各産業が追随しているという図式が思い起こせます。そんな中での物流業界は、各産業の中に入りその企業のアウトソーシングの役割を演じて欲しいものです。

それは、どの産業分野にも当てはめることが出来、物流のための在庫管理から注文による発送・苦情処理まで行い、次の生産計画につなぐロジスティックス業務の参入です。

 新しい物流業界。それはロジスティックスのシステムに入りこむことだと思います。在庫状況から生産計画を立てることが、物流システムに課せられたこれからの業務といえるでしょう。在庫を“見える化”して、無駄なく迅速を旨として、次の生産計画や販売計画に対応させることが肝要です。そのこと自体が、これからのIoTにつなげる生産計画や在庫管理となります。今、物流業界は単なる運送屋ではないのです。ヤマト運輸は新しいロジスティックスの旗手であるべきです。物流が変われば企業も日本経済も変わります。

◆人手不足対策

 企業のアウトソーシングには際限がないと思います。そのアウトソーシングを行う最たる業種の一つに、運送業があります。所謂、物流業界です。配達、集荷、在庫管理からピッキング、パッキング、請求、集金、苦情処理までを行います。その過程で売れ筋や無駄や問題点が浮き上がります。それ等を生かせば次の販売計画が生まれ、生産計画へと繋がります。それが一貫した物流のアウトソーシングです。

 6万人の組合員を抱えるヤマト運輸は人手不足も結構ですが、企業の中に入り込み、その中枢に迫るロジスティックス業務に最大限に力を入れたらどうでしょうか。即日配達や再配達の無料化も悪くはないです。しかし、この辺で宅配業務の寡占化を見直し、数や量による安値配達でなく、人口減少時代に人手不足を業界あげて対応すべきではないでしょうか。その中から本当の人手不足対策が生まれるのです。

◆物流そのものはインフラなり

 ネット販売が進行する中での物流は、特に生活必需品の食品関係の宅配を考えますと、電気・ガス・水道に匹敵するものです。水道管やガス管、鉄道や通信、道路や橋に準じます。物流それ事態は立派なインフラといえます。それだけに、政府はヤマト運輸の総量規制を他山の石と思わず、業界対策に援助の手をさしのべることです。時あたかも、働き方改革が政府の最重要事項として打ち出されました。

 人口減少が経済に与える打撃は小さくありません。今の日本経済が持続可能な状態に持っていくには、戦後経済の復活に値するくらいの国民の英知と行動が要求されます。そのためには、新しい列島改造計画として河川改造計画、インフラ改造計画、街づくり計画、産業再配置計画が必要不可欠です。その中のインフラ改造計画の中に物流を入れてください。ヤマト運輸は、宅配便創業の旗手として、創業者としての新しい働き方を、業界の範として示してほしいものです。(2017年3月20日)

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