時代に思う

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時代に思う:154

2017-06-16 08:37:19 | 随筆

時代に思う:154

まかり通る人口減少時代(少子化社会・高齢化社会)

その12:大川村の危機を共有しよう

1.人口減少と大川村村議会

◆離島を除けば人口400人の日本で一番小さな村

 山また山の四国山地の大川村は、幕末の志士たちの脱藩ルートの一地点であったと思われます。その維新から150年。大川村は日本全国から注目を集めております。それは日本の民主政治の危機でもあり、人口減少時代の先行きを懸念するからです。日本で一番人口の少ない自治体です。四国山地の‘へそ’の部分に位置し、航空写真で見ますと、吉野川沿いの村役場と小学校が目立つ村です。

 1971年早明浦ダムが完成し、村の中心地が水没しました。翌年には、銅山の白滝鉱山が閉鎖しました。その頃から人口が急減して、小さなその村に平成の合併旋風が吹きまくり、隣の土佐町との縁組の話が起こりましたが、相手に断られ現在に至っています。 人口の45%程度が65歳以上の高齢者であり、村には農業・林業・畜産以外これといった産業もなく、県道沿いに一日3往復のバス便があるくらいの寒村です。

◆人口減少と村の現状

 1960年に人口が4100人であったのが、半世紀で10分の1に減少しています。鉱山が廃止になってから、これといった大型産業が行われていない現状です。土地の90%以上が山林だけに、林業に産業の発展を求めたいところです。材木市場の長期停滞が林業にもソッポを向かれ、前途は多難のようです。若者が林業に戻ってくれる対策がない限り、村の産業は早急には立ち直らないようです。

畜産業に活路を見出す必要もありますが、土佐黒牛の出荷は30~40頭/年と少なく、地鶏の出荷も10万羽体制から20万羽体制にするには年月がかかりそうです。その他、百合の栽培などにも活路を見出す人も現れています。人口減少の歯止めにはまだまだ時間がかかりそうですが、林業を中心とした6次産業化などを手掛けて、新しい産業を起さなければ、人口減少の歯止めがかからないと思われます。 

◆人口減少時代と村議会

2年後は、大川村の議会選挙です。6人の現職議員の平均年齢は70.8歳、半数の議員が不出馬でその後釜の予定者はなしとのことです。公職選挙法では1/6以上の欠員が出来たら再選挙が義務付けられています。議会関係者はそれなりの人々に、立候補することを勧めていますが、それに応える人が見込み薄とのことです。議会が定数不足で不成立の場合、村総会を検討するとのことです。人口減で議員のなり手がなければ、直接政治参加の村総会しかないのです。

村づくりに積極的な若者が多い割に、立候補が少ない理由は

①    青年団や祭りの実行委員会や消防団で手がいっぱい。

②    議員報酬15万円/月では生活が出来ない。

仕事や生活のことを考えると、とても出来ないというのが若者の立場のようです。単なる人口減少と思っていたことが、代議民主政治を不可能にする。改めて、その影響力の大きさを不気味に感じます。

2.大川村は人口減少時代の縮図である

◆人口減少は弱者を浮き彫りに

 代議制民主政治がだめなら、直接民主政治を行ったらよい。大川村は過去にもその方向に検討した時期があったようですが、立ち消えになったとのことです。その理由は

①    村外での介護や入院している人が50人以上いた。

②    村内を東西に走る県道に1日3往復のバスしかない。

③    県道沿いのバス停まで徒歩30分以上かかる世帯もある。

④    車を運転できるうちは良いが、出来なくなったらどうするか。

 上記の4点は、高齢化社会の弱者を物語っており、この辺りをどのように解決するかが、大川村の政治の大切なポイントです。また「直接か間接か」この違いがありますが、いずれにしても村民が村の危機を共有化し、政治の活性化を意識することが課題です。そして、民主政治を行うからには、弱者を切り捨てることを避けなければなりません。

◆人口減少は生活の既得権をはく奪

 全国に人口1000人未満の自治体が30近くに及ぶようです。また、全国の自治体の半数ほどが、将来的に消滅すると指摘されています。更に、町村議員の無投票というケースもあり、全国の多くの自治体の弱小化を示唆しています。6月12日付の夕刊によりますと、大川村は2年後の議会選挙の非常事態に備え、村総会の調査・研究を村長が副村長に指示した、と伝えています。消極的選択肢といえども実現性は高まっています。

 村総会を設置するには、具体的な運営方法などを定める条例を制定しなければなりません。大川村の山間地に点在する有権者の環境では、高齢化社会を迎えてどれだけの良い条例が出来るか多くの疑問が残ります。村総会を選んだとしても多くの新しい難問を抱えるのは必定です。医療難民や買い物難民が出ないような行政サービスが可能になることを切に望みたいものです。人口減少は高齢社会となり生活の既得権をはく奪するようです。

◆大川村の危機は国民全体の危機である

 人口が減少して、その上高齢化が進む大川村です。人口減少は既定の問題として捉えていましたが、高齢化問題が行政そのものに影響するとは、大変な時代になったものです。高齢化が政治そのものに、大きくかかわるとは思ってもみませんでした。全国に多くの小人口の自治体があるだけに、国民は他山の石と思うのではなく、あらゆる方面からこの問題を検討すべきです。政治家だけに任す時代が過ぎ去ったようです。

 高齢化問題は医療や福祉問題が中心でしたが、新たに政治そのものに絡んできたという事実です。大川村の若者は関心があっても時間的、経済的に議員に立候補が出来ないとのことです。このこと自体に今の日本の現実を物語っています。また、政治は一部の人や特定の人が行うもので、庶民には関係ないという政治意識にも問題があります。政治とは何かを国民が再考する時期に来ています。今まさに政治の危機を共有する時です。大川村はその警鐘を鳴らしているのです。現地に行けばもっと大きく聞こえると思いながら記しています。(2017年6月15日)

 

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